平成15年度 第2回 静岡市自治基本条例等検討懇話会 会議録 印刷用ページ

最終更新日:
2019年4月1日

平成15年度 第2回 静岡市自治基本条例等検討懇話会 会議録

1 日 時  平成15年11月5日(水) 午前10時~午前12時

2 場 所  静岡市役所 静岡総合事務所9階 特別会議室

3 出席者  (委 員)篠﨑座長、石光委員、川口委員、高木委員、田中委員、手崎委員、鍋倉委員、日詰委員、荒田委員、稲葉委員、菊島委員、劔持委員、小長谷委員、長澤委員、松浦委員、三浦委員

       (事務局)海野総務部長、松永行政改革推進室長、加藤主幹、梶山副主幹、永島主査

4 開 会

5 報 告

 事務局(松永室長)より説明

公開講座、出張講座の開催状況

条例素案たたき台の応募状況

今後の会議の進め方について

剣持委員  3月上旬政策法務委員会、3月庁議決定となっていますが、一般の方には言葉の意味が分からないので説明してください。

事務局  市役所の最高機関で庁内の最終意思決定機関が、庁議です。条例素案を公表してよいかという意思決定を行ないます。庁議のメンバーは三役と関係部課長となっています。内部で法律の専門家、関係各課の課長がメンバーとなっている政策法務委員会で素案の内容を事前に審査します。

小長谷委員 政策法務委員会について補足説明をします。条例がいかにあるべきかを議論するために委員会を設けておりまして、この条例の場合は、来年の3月の時点では細かい文言とか文体の審査ではなくて、全体の方針・方向性について確認します。

鍋倉委員  庁内で確認するということでありますが、方向性が変わることはないのですか。

小長谷委員 市民の皆さんが、まとめられた意見を尊重しながら確認させていただきますので、方向性が変わることはないと思います。

 

6 議 事

本日の会議の進め方について

篠﨑座長  別紙自治基本条例に関する検討項目10点のうちの4点について検討します。条例素案を検討していく上での基本となる項目を定めていきたいと思います。条例素案のたたき台とする判断基準を定めたいということでございます。

(2)検討項目について

統合型または独自規定型の決定について

事務局(加藤主幹)  統合型とは、市民の権利と義務という項目をイメージしてください。例えば憲法で規定されている国民主権、基本的人権、あるいは地方自治法で規定する選挙権、直接請求権、納税義務など、他の法律で規定されている内容を重ねて規定するのが、統合型の条例と呼ばれているものであります。利点につきましては、統合型条例を見れば市民の権利義務は一目瞭然で全て規定されています。どこまで規定するか、分厚い内容になってしまうのではないか、ポイントが薄れてしまうのではないかという欠点もあろうかと思います。

独自規定型というのは、他の憲法や法律に規定されていない内容、例えば、市民参画がございます。それについて市の意思形成の段階から参加するように規定するとか、市民参画のもとで決まった事業を、市民の皆様と行政が一緒に協働して実現をする。そういう内容を規定したり、例えば法律に規定のない、住民投票、最近盛んに行われているパブリックコメント、審議会の委員の公募制とか、それらを規定するのが独自規定型と呼ばれているものです。インパクトの強いピリッとしたような条例になろうかと思います。

石光委員  市民に分かりやすくという点では、一覧性があり一目で分かるようにしてほしいと思いますが、そうすると膨大な量になってしまいます。そこで、市民の権利とか義務で、例えば納税とか分かりきったことに関しては、もっと簡単にしてしまうという感じで、一応統合型でいったらどうでしょうか。

いただいた提案の中で何のために自治基本条例を定めるのか、市民の案がバラバラなような気がします。市民のために作るのか、行政のためにつくるのか、確認をしていただきたいです。市民の権利を具現するために、代表としての議員がいたり、それを実際にやる行政がいるという考え方で、この自治基本条例を作りたいので、議会に関する規定も必要になってくると思いますし、最高規範性という点でも、行政が決めたからといって、最高だと言えないと思っています。住民が参加して基本条例が出来れば、最高規範性が出てくるのではないでしょうか。

剱持委員  昨年の1120日に日詰先生が講演をされたのを読ませていただきまして、自治基本条例は何たるかという部分と、日詰先生が108日の資料で意見を整理されているような感じがするので、先ず先生にお伺いしてから私の意見を発言させていただこうと思っています。

日詰委員  国レベルで検討されている地方自治基本法があって、その中から基本条例という形で授権されたものならば、明確な形で作られていくと思う。今のところそういう法体系にはなっていません。二つのタイプがあるということで、一番は地域に住んでおられる方がどういうものを作りたいのか。どういう自治を実現したいのかということと非常に関わってきます。どちらが万能であるかということは言えないだろうかと思いますので、素案を作成する委員会の中でよく議論をして、記録を市民に投げかけキャッチボールを行って決めていくのがいいでしょう。包括的なものを作るとすれば、統合型がいいでしょう。地域の特殊性をより良く、より濃く出したいとなれば独自規定型にならざるを得ないと思います。要は、市民が何を望むかということにかかってきます。

剱持委員  独自規定型に静岡市として加えていきたいものは、法に定めがあっても上乗せしていけばいいんじゃないか、発展型と言いますか、というふうに考えています。法改正があっても、柔軟に動ける形のものを作ったほうがいいのではないか。フレーズとしては進化する条例、完璧になるかどうか分からないが、今決めておくものを独自規定型にしておいて、市民の皆さんの要望をある程度は吸い上げたもので規定していったらどうか、大事な項目は法の規定の中にあっても、それを静岡市が条例で規定することは可能ではないかと考えております。静岡市は独立自治・自立ということを考えれば、チャーター型の憲章、そこまで含めた総括的なものに発展していただきたい。20年先でも、30年先でもいいんじゃないかと考えています。

稲葉委員  今までの流れからいくと国から標準が示され、静岡市の特色をつけるのが、今までの条例である。自治基本条例では、何を盛り込んでいくかというのはここで決めていく、住民の基本となるものを、最大公約数みたいなものを作っていけばいいのではないか。

石光委員  今まで市民がお上に陳情・お願いするような感じで、それが協働と言われてうれしかった。市民が主権で、議会も行政も、市民に信託されているということが、自分の中ではっきりしなかった。市民が自覚していくということを謳いあげた自治基本条例で、私はあってほしいと思います。そこのところを明確にすることによって、市民のために作るのであれば、はっきりしてくることもあると思います。市民に信託されて、議会・行政があります。そういう考え方について、確認をしていただきたかったわけです。

日詰委員  ニセコの条例では、首長が変わった後も住民の権利義務が守られなければならない。しかも、住民の方々がいきいきと参画しつつ、地域の自治そのものも守っていく、そういう精神がある。土台のところで、石光さんがおっしゃるとおり、市民によって信託されるということが中心となるべきです。

篠﨑座長  市民主権が建前になっていますが、現実にはまだまだ行政や議会が主導しているようです。その反省の上に自治基本条例を作ろうという自治体が生まれてきたと思います。

高木委員  今、自治基本条例を作るときに、より市民に理解され、具体的にそれが条例として機能することを考えると、目指すところは高い山があったとして、どこら辺を剥いでいくのかをここで検討するですけれども、その辺の落としどころがどこに向かっていいか。劔持委員のおっしゃったように進化する条例というのに賛成で、注釈を入れたりとか、情勢に合わせて変わっていくとことが重要です。

総合計画の見直しを各市町村がやっていた時に、見直しするときに、NPOとかユニバーサルデザインという言葉が5年前にはそんなに重要ではなかった。今は、環境とか、NPO・ユニバーサルデザインというキーワードなしに語れなくなっています。変化が驚くほど早い。今の世の中にあわせて変えられるように担保していくことが必要です。

田中委員  市民には、地域のために一生懸命考えて、こういう場に出て意見を言う方もいらっしゃいますし、自分だけ良ければいいんだという方もいらっしゃる。条件として、地域に住む大多数の方が住みやすい地区であるということを賛同する市民、そういう方を前提に議論していく。行政、議会といったものが、市民のためにということでやっていただくわけなんですが、市民主権ということばかり言ってはいられません。市民主権が一人歩きしないような方策を考えていかなければならない。市民が分かりやすいという点で、独自規定型がコンパクトで私はいいと思いますが、進化という部分を、なぜ変わったということがわからないとか、いつの間にこうなったんだろうというところを、特に市民は改正を眺めているわけではないので、どこでどう変わったというところをある程度の時点を遡って見せて、わかりやすいような形で報告します。この報告についてはこれとこれは関連しているという点をわかりやすくするため、インデックスをつけて引っ張り出せるようにしていくことが必要だと思います。

鍋倉委員  市民主権をうたう必要があります。主権であるからには、知らなかったということで、後からいろいろな批判を言うわけにはいかない。市民が制定の段階から参画していき、協働することが重要です。

小長谷委員 条例を制定するにあたって、重複した規定を置かないという建前があります。何をこの条例に求めるか、結果的に法律の概念とダブっている部分があるけれど、それはそれでいいと思います。すべてを網羅するとポイントがずれてしまう。進化する条例ってなんだろうと思いまして、自治基本条例とか憲法もそうなんですけれど、憲法が国の国是(国家の方針)となれば、自治基本条例は市の市是となる。何十年か先を見据えた、市民と市の関係・責務・権利・義務といった基本的なところに立っていかないとどうなのか。その辺の議論をしていく必要があるんじゃないのか。静岡市が政令市を目指して、50年、100年の体系に立った準備を進めていくことになります。それにも耐えうるようなものを作ります。憲法が50年経っても、憲法改正しないという、今でも耐えうる状態にあるものとなっているということを考えると、市の憲法を作るということであれば、そういうことの中を念頭に置いて、条文とか規定していったほうがいいと個人的に思います。

川口委員  住民の参加の位置付けがその都度違い、行政と議会との関係性がいつもいつも揺れています。あるときは尊重されるけれども、ある時は参考程度の意見であるということで、今、参画とか市民主権である流れを作ろうとしているのだけれども、関係性が非常に場面場面で流動的で、不安定な状態であります。自治基本条例というのは、規定を置くことによって、自治体と議会と住民の関係、住民は議会に信託しています。住民はどこまで参画していけばいいか、本当に分権が守られるか。そういうところを議論し明確にして条例の中にはっきりさせていくことが、今回の自治基本条例の目的ではないかと思います。

篠﨑座長  今の意見を伺って、統合型は網羅されていて一覧性にはなっているけれども、あまりにも膨大になって分かりにくいです。独自規定型のほうは個別事項のことを規定するために、大変コンパクトで印象が強く分かりやすいです。今、内容のほとんどが法や他の条例と競合するものではなくて、条例形式で提案された6案がありました。それで皆さんのご意見を伺って、皆さんの意見を聞いて要約すると統合型にするという意見の中で、並列的に書くのではなくて、必要性をつければ分かりやすいんじゃないかという意見もありましたし、独自規定型の中でも必要なものがあれば、場合によったら付け加えていったらどうかというご意見もありました。政策法務の法を作る観点から言うと重複しないというのが原則かもしれないけれど、その辺は自治体独自の条例でございますので、法律に反するようことは規定しないが、一般市民にとって重要な規定なら、独自規定型であっても、盛り込む。そういう意味で最大公約数になる。とりあえず独自規定型で検討する中で、それではどうかというものは、法に規定のあるものについても今後付け加えていったほうが、メリハリのついた分かりやすい条例になると思いますが、そういう方向性で行っていいでしょうか。

石光委員  「市民主権」ということは、例えば「国民主権」ということで憲法にうたわれています。「基本的人権」もうたわれています。そうすると独自型といった場合には、私がさっきから言っている「市民主権」とかそういういうことは盛り込めないのでは。

小長谷委員 そういうことではなくて、この中で市民の意見を尊重するとかという表現で、この条例の中に入れていくことは充分可能だと思います。

石光委員  静岡の条例が独自型か統合型か振り分けろってことは別に必要はないと思います。出来上がったものが私たちに必要なものがちゃんと網羅されていればよいわけで、手法的にどっちから攻めようかということです。

小長谷委員 基本的には何を盛り込みたいかというのを主眼において、それが結果的に法律の概念とダブっている部分もあると思います。それはそれでよろしいんじゃないでしょうか。

石光委員  独自規定型に決めたから、法に重複する規定を盛り込むことは、駄目だよということはないわけですね。

小長谷委員 そういうことではないです。

日詰委員  今、どういう内容でこの条例を決定していくのかが問題であって、例えば日本国憲法には前文というのがあって、非常に格調高い。理念的なものを前文に規定するやり方もあり得る。独自型であったとしても、その手法は使えると思います。

篠﨑座長  独自規定型、統合型といえば、独自規定型。しかし、必要なものはその都度盛り込んでいくという方向でやりたいと思うけれどよろしいでしょうか。

      (異議なし)

最高規範性について

事務局(加藤主幹)  最高規範性については、現行の法令上では条例に優劣をつける規定はございません。従いまして、自治基本条例の中でこの条例は本市において一番強いんだよ、一番偉いんだよという規定は出来ないというのが現状でございます。自治基本条例を策定するにあたりまして、最高規範性、条例を束ねるという意味で頂点に立つという位置づけをしないとこの条例を作る意味がありません。従いまして、どのような形で自治基本条例に最高規範性を持たせるか、ご検討していただきたいと思っています。

篠﨑座長  先にいただいた資料の中で、最高規範をもたせるために、例えば議決にあたり過半数ではないやり方をするとか、条例の内容そのものが最高のものなんだという考え方をすることで最高規範性をもたせるとかが、ありましたが、委員の皆さんの考え方はどうですか。

日詰委員  手持ち資料の南川さんという学者が、自治基本条例の最高規範性について、現行地方自治法の第14条において法令に違反しない限りにおいて出来るということになっていて、その拡大解釈をしますと、自治体は条例に序列をつけるというようなことが基本的には難しいが、自治基本条例の中にこの条例が最高法規である規定を設けることは、学説的にはやっていいんじゃないかというふうな、理論も強いわけで、これからその辺りをどういう風に考えていくのかが論点だろうと思います。分かりやすさから言えば自治基本条例の中で最高法規性を規定してしまうのが一番いいと思います。それから、もう一つ、実質的に最高規定を担保する方法としまして、市民の総意に基づいて制定されるということです。どういうことかといいますと、もし住民投票等を経て制定されるとするならば、そこでの実績が最高法規性というものを担保すると思います。それから3つ目にですね、最高法規性を確保する、担保する条件としましては先ほどから出ているような改正の問題です。進化する条例という話があって、ニセコは状況・社会的背景的なものが変わったりとか、住民とか議会、あるいは行政との関わり方が変わってきたときに、その状況に応じながら、変えていこうということだと思いますけれども、そういう余地を残している、もう一方で、先程小長谷さんがおっしゃったような、改定をすることで、基本的な精神・理論を変えていくというのも非常に困るじゃないでしょうか。基本的に日本国憲法もそうですけれど、50年以上経て安定性が出てきていますけれど、やはり少なくとも230年ぐらいはその条例でいけるようにしていくことが必要だと思いますし、それからもう一方ではですね、改正する手続きが簡単ではない、つまりこういうのは硬性憲法と言いますけれど、どちらかといういえば硬性条例という形で、手続きが容易ではなくて、そのかわり全市民を巻き込んだ形の議論をしながら、最終的に修正していく、あるいは改正していくようなやり方、こういう三つくらいのポイントが、最高法規性を確保することになるんじゃないでしょうか。

小長谷委員 最高法規性の話ですけれども、条例においてはあくまでもその法令の範囲内で条例を制定できる、自治基本条例が他の条例と全く基本的には同じ法体系、法律とか憲法の授権の中で制定できることでありますので、あまりその部分に論点をおくこと自体が無用の議論になるかなと気がしまして、内容自体に最高法規性というか、まちづくりの規範となるような内容を盛り込むことによって最高法規性が担保出来るような気がします。条文でもって、これが最高の条例だということをあえて書かなくてもいいのかなという気はしています。あと改正手続きの話についても、確かに加重手続きを経て特別多数決という考え方もあると思いますが、自治法との関係というものがございまして、議会の中で特別多数決で行う場合には法律で定めるという形でうたってあります。従って、市の独自の条例でそういった手続き的な加重手続きを設けること自体も自治法の中で議論があるのか、自治法の規定、いわゆる自治法がそういった規定・条例を作ること自体を許しているのかどうなのか。その辺についての、確実に合法的に出来るところまでは現時点では行っていないじゃないかいうような気もしていますので、日詰先生と若干見解が違いますが、確実にはという部分では、現時点では消極的な意見を持っています。

鍋倉委員  何らかの形で最高規範性という言葉をうたえないのであれば、単に尊重するというよりも、もう少し条例が、たとえば総合計画とか様々な条例を規制することが出来ないと意味がないと思うので、そこは何らかの形でおさえておいてほしい。最高規範性をどこかで担保出来たらいいなと思います。

稲葉委員  最高法規性の問題ですが、自治基本条例が何に対して最高法規なのか。後で出来た条例は先に出来た条例に優先する。矛盾した条例が出来たら、前のものは効力がなくなるというルールがあります。そういった中で自治基本条例の中で最高法規だということを書いたとしても、矛盾する条例が出てきてしまったら、自治基本条例は絵に描いた餅になる。実質的な住民自治を定義づけた自治基本条例を尊重する、という意味において最高法規性を保つ、と理解すればいいのではないか。もう一つ、憲法第92条に「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は地方自治の本旨に基づいて法律でこれを定める。」とあるが、ここでいう法律は地方自治法だが、民意を反映した規範が条例であると考えれば、この第92条の委任を受けて自治基本条例を設定できると考えられないか。

日詰委員  憲法第92条の規定から直接今回自治基本条例を読み取るのは飛躍がある。担保する場合は地方自治基本法の中に自治基本条例の制定に関する規定が入って、それを受ける形でないと無理。現行の法体系の中でやらざるを得ない。

高木委員  最高規範性を掲げてしまうと、この条例は分かりやすさとか、市民に対するための平易な文章ではなく、小長谷さんが言うように憲法というくらいにカチッというものになってしまうのか、それとも最高規範性を載せても載せなくても、そういういうことが分かりやすさとかが担保出来るのかどうかという点は。

篠﨑座長  分かりやすさは関係ないと思います。最高規範性の担保を使ったとして、条例でその中に最高のものであるというような規定を担保するのか、あるいはその改正とか手続き上、法的にどのような取り扱いをするのか、今問題になっているということです。

石光委員  私は最高規範性を入れてほしいです。これが最高だというのがないと、今までやってきたことが頭に残って、なかなか変わらないと思います。ただここで適当に今までの条例を比較検討しただけで、最高規範性を入れるかというとやはりそうではなくて、それを制定する過程において市民が参画することで、これは市民がみんなで作った最高のものだよということができると思うんです、ただここで作って最高といっても位置づけられないと思います。

篠﨑座長  この条例を作るのに最高規範性がない条例だったら、作る価値がないわけです。存在価値がないわけです。この条例が最高規範性を持った条例として、尊重されるんだということを実質的に内容にうたうことによって他の条例もこの条例と、全体に足並みが揃うということから尊重規定を盛り込むという方向でよろしいですか。

      (異議なし)

市民の定義

事務局(加藤主幹) 市民の定義につきましては大変な難しい問題を抱えていると思います。我々が公開講座なり、 出張講座におきまして市民の定義からまずやるべきではないかというようなご意見を多数いただいております。そういうところから議論していただきたいのです。市民というのはどういう人を対象にするのか、静岡市に住民票がある人を対象とするのか、個人と法人とかNPO等の団体との関係、本市に通勤・通学する人を対象にするのか、旅行者でこちらに来た人、いろいろな問題を抱えて思いますので、広い議論をお願いします。もう一つ別の観点からいいますと、例えばこの条例の中で住民投票規定を設けた場合の市民の定義づけ、また例えばニセコ町のように規定しないという方法もあると思います。皆さんの幅広いご意見・議論をよろしくお願いします。

松浦委員  市民の定義づけが条例によって異なってきますか。

事務局  条例ごとで定義づけが違ってきます。

鍋倉委員  個人か法人かと言われたら、個人のほうがいい。法人となると非常に幅が広い。ただ住所は静岡市になくてもいい。住民投票は選挙と同じでなくてもいいけれども、居住しているというところに決めたほうがいいのではないか。

石光委員  選挙権のある人を住民とするのか、または杉並区のように事業者も住民とするのか、住民票はここではないけれど遠くから通勤してだいたい会社で8時間過ごす生活者とか、それから住民票はないけれど学校に通っている生徒、住民票はないけれど、そこで生活している人たち、または事業者というようなものでおさえられる。

高木委員  政令市というのは住んでいる人たちの幸せという部分を担保されることは確かですけれども、いろんなところから人がやってきて何らかの場所で何らかのいろんなことをやっていく。観光、交流人口という考え方がありますけれども、そういうものをひきつけていく魅力というのが、静岡市のこれから目指す姿と思います。そういう意味で、静岡市というのは営業所とかたくさんありますし、ここで浜松地区のようにナショナルブランドの企業がない中で、皆さんが静岡に来て見たい、静岡で住んでみたいこということをを思わせない限り、多分これからの都市間競争でいくと名古屋と東京の間にあるということでにどちらからも引っ張られて、どちらからもはじっこの印象を与えられる。ここで独自の経済圏ないし独自の自治を確立するために、自治基本条例は大きな役割を担うのかなと考えてみたときに、やはり市民そこに住民票があるということではなくて、NPOとか企業なんかも一つの市民だと思う。よって、住んでいる人だけではなくて、観光客、交流人口から、NPO、企業といった独自の市民枠みたいなものを設定してはどうか。そういうものが静岡市の独自性につながっていきます。

三浦委員  行政運営条例であれば自治法上の住民でいいと思う。ちなみに地方自治法第10条「市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする」というのがあります。自治基本条例は行政運営条例でないので、高木さんがおっしゃられたような、広い観点から定義づけしていく必要があると思います。ただ言葉自体に地域の個人としての法人とするか、例えば杉並区の基本条例には区民として、業者も含まれている。その辺りの定義づけは、また細かく分けていくのは今後やっていくとしても、市民というのを大きな枠付けを捉えて定義づけしていく必要があると思います。

篠﨑座長  これまでの意見を統括してみますと、住民投票条例の場合は別として、定義を広く捉える。住民投票なんかでいう市民とは、別個ということでいいですか。

日詰委員  三浦さんがおっしゃった地方自治法第10条第1項について、地域に住所を有するものが住民だという形で法上あるんですが、2項のほうに住民は法律に定めるところに属する普通地方公共団体の役務の提供を等しく受ける権利を有し、負担を分任する義務を負うことになっています。例えば自然人だけでなく法人に対しても様々なサービスの提供がある、受ける権利も持っているということになりますので、地方自治法の定義から言えば、自然人だけでなくて法人も含む。その負担を分任する義務を負う、いろいろな形で自らも自治に参画していく役割を担うことになります。

篠﨑座長  住所を有する人だけでなくて、法人も含めて広く捉えてもいいですね。住民投票条例など、個別条例において、条例の趣旨によって広げられないものもありますが、自治基本条例については、広く含むという理解としてよいでしょうか。

鍋倉委員  杉並区のように市民の中に事業者も入りますか。

篠﨑座長  今後の内容によっては入る可能性はあります。

     (異議なし)

議会の定義

事務局(加藤主幹)  議会についても、公開講座なり出張講座で、市民の皆様方から是非規定すべきではないかと、ご意見が多数ございました。そして今の学会におきまして、自治基本条例というからには、当然ながら議会の規定もなければおかしいのではないのか。この議会の規定がなければただの行政基本条例に過ぎないのではないか、ということも言われています。ニセコ町の条例は現在のところ議会の規定は設けておりません。しかしながらニセコ町では今度は議員から、議員発議という形で議会の規定を盛り込むとそのようなことも聞いております。従いまして、どのような形で盛り込むかといったことも、今後の議論になりますが、先ず盛り込むべきか、盛り込まないほうがいいのか、そこら辺の忌憚のない意見を伺いたいと思います。よろしくおねがいします。

川口委員  自治体・住民・議会がある以上うたう必要がある。議会の関係等についても、それぞれここは三者の構成となるとうたうほうが、ごく自然のように私は捉えているんですけれども。

荒田委員  議会についても同じように、役割とか運営をしっかりうたう必要があります。

田中委員  どういうことがこれから出来て、どういうまちが出来て、この条例をみれば全てが分かるというものが出来れば、みんな分かりやすいんじゃないか。それを含めて議会というものがどういうものかというのが、当たり前のように入れるべきである。突拍子のないものは出来ない。

篠﨑座長  規定の仕方につきましては、議会の努力規定、市民一人一人から選ばれた代表ですから、市長も市民から選ばれている代表であり、車の両輪ですから、市長の提案条例の中に議会を変える、議会活動を拘束するという内容は決められない、議会がどういう役割を果たしていくべきかという努力規定だ、あるいは議会というのもこうあるべきなんだというような規定は入れるべきだというのが皆さんのご意見かなと受け取ったんですが、そういうことでよろしいですか。

      (異議なし)

6 傍聴人の発言

統合性の条例が、複雑にという前提は何ですか。私には理解できません。司法権なら単純明快です。そして独自のものになれば、例えばいろんな条例を独自性を出せば随分複雑なものが出来てしまいますね。ですから統合型が複雑で、独自性が簡単だという捉え方は、何か前提があるようですから納得できない。二つ目、市民の理解、市民は基本的には住民だと思います。お年寄りから赤ん坊まで、事業者や市外から来ている方は、市の行政、市のあり方に協力する、当然市を活用してらっしゃるから市民と協力する立場になります。そして市民は、そういう方々によって静岡市が繁栄する、事業者・市外から来ている方のことも含めて、現在並びに将来に向かって静岡市のあり方を考えていくという立場があるわけです、それをきちっと規定していけば、それでいいと思います。

最高規範性を担保するのかという問題ですけれども、条例に出来るだけ「最高」とうたうのかとどうかを含めて、出来るだけ「最高」ということの文言として入れていただきたいということと、併せて、最高規範性を担保するためには、一般市民が条例の制定に何らかの形でかかわったり、関係を持つことが一番大事だと思いますので、日詰先生が最終的には住民投票を含めてと例をおっしゃいましたけれども、そういうことも含めて、十分時間をかけて多くの市民の意見を吸い上げてほしいと思います。あくまでも自然人としての、静岡市に住み、あるいは働き学ぶ人たちが市民であり、併せて法人・事業者もこのまちづくりに積極的に参加してほしいという意味で、事業者・法人の役割をうたったんですけれど、自分の意思を表現するときに法人とか事業者といった場合はそれの意思はどういった形で決定されてそこで出てくるのだろうかといったときに、社長さんは最初に意見を言うのか、あるいは機関、何らかそれぞれのNPOの何らかの株主総会などで、意見を表明するのかといった問題も出てきますので、基本的には自然人である住民が働き学ぶ、そこで生活する人々とに役割と、法人との役割で意思表明したから、基本的にその意味で個人参加するのは当然ですけれでも、役割に従ってその条文の内容で分けてくれたらいいと思います。

7 次回の日程について

事務局から説明

平成151216日 900 9階特別会議室

8 閉 会

 ※ 傍聴人 3名

署名 静岡市自治基本条例等検討懇話会座長

 

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