平成15年度 第3回 静岡市自治基本条例等検討懇話会 会議録 印刷用ページ

最終更新日:
2019年4月1日

平成15年度 第3回 静岡市自治基本条例等検討懇話会 会議録

1 日 時  平成15年12月16日(火) 午前9時~午前12時

2 場 所  静岡市役所 静岡総合事務所9階 特別会議室

3 出席者  (委 員)篠﨑座長、石光委員、川口委員、高木委員、田中委員、手崎委員、鍋倉委員、日詰委員、稲葉委員、菊島委員、劔持委員、小長谷委員、長澤委員、松浦委員、三浦委員、※欠席 荒田委員

       (事務局)海野総務部長、都築総務課長、松永行政改革推進室長、加藤主幹、梶山副主幹、岡山主査、永島主査

4 開 会

5 議 事

検討項目について

(1)市民の知る権利について

事務局(加藤主幹) これからのまちづくりにおいて、行政と市民との協働、市民参画の前提として、情報公開や情報の共有化が必要不可欠な中で、市民の知る権利については既に本市の情報公開条例でも、「市民の知る権利を尊重」するというように規定されています。自治基本条例においても、市民の知る権利というのは当然のごとく重要なポイントになりますので、議論をお願いします。今日は情報公開の担当者から、説明をさせていただきます。

事務局(岡山主査) (資料2に基づいて説明)本市の情報公開条例は「市民の知る権利を尊重し」という表現になっております。この表現につきましては過去に議論がございました。旧静岡市情報公開条例は平成8年から制度運用していましたが、行政機関の保有する情報の公開に関する法律、いわゆる情報公開法が平成11年5月に公布されたことを受け、法と整合性を合わせる必要性が生じ、当時、条例で規定する情報公開・個人情報保護審議会で審議・検討をお願いしました。そこで、ご審議いただいた内容を平成12年12月に、情報公開の条例改正の提言という形で審議会からいただきました。その中で「『知る権利』については、本市条例において『知る権利の尊重』という形で明文化されているものの、『知る権利』は開示請求権を含むものと認知されるに至っていない現状においては、『知る権利の保障』という表現を用いるには時期尚早であり、したがって現状の表現が妥当である。」とされています。この提言を受け、当時の静岡市において、検討した結果保障するとまでは行き着かず、尊重するという表現となりました。当時、法の考え方を参考にしましたので、法の逐条解説をご紹介します。これによりますと、法は知る権利すら明記することを避けております。法は、目的規定(第1条)の冒頭で「国民主権の理念にのっとり」という表現にとどめてあります。憲法の理念を踏まえて、充実した情報公開制度の確立を目指すことを、「国民主権の理念にのっとり」という言葉で表記するにとどめたということです。これは、知る権利そのものが成熟されておらず、そこを法律に明記するだけ十分とは言えないという判断によるものです。現行13政令市中、目的規定に知る権利を保障するという表現をしている政令市は、今のところありません。

鍋倉委員   知る権利が成熟していないというのは、どういうことでしょうか。

事務局(岡山主査) 成熟していないというのは、ひとつには学説として定説になっていないこと。もう一つは、我が国の最高裁判所でこれによった判例がまだないということです。例えば韓国の現行の情報公開法は目的規定において、知る権利を明記してあります。1989年に憲法裁判所が政府情報公開請求権として、知る権利を憲法上判示しました。それを受けて、現在韓国の情報公開法では憲法上、訓示したものとして法に明記したことが文献に記されております。日本の場合は、知る権利のそのものの文言を使用した憲法判例はあります。しかし、その使い方は報道の自由、報道のための取材の自由などに使われたのみで、いわゆる国民が直接開示請求するという意味での知る権利は使われておらず、最高裁判所の判例では存在しません。

鍋倉委員   市民の立場としては、知る権利を保障するということを入れていただきたいと思います。ニセコ町や、宝塚市、杉並区では自治基本条例の中に入っています。保障するということで、トラブルの原因になるということを話されているのでしょうか。市民の参画とか協働というからには、その前提として情報がキチンと伝わっていないと、参画とか協働が出来ないのではないかと思います。

三浦委員   市民の知る権利という表現は、あくまでも行政の立場での言い方です。逆に自治基本条例が市民による市民のためということを考えれば、保障や尊重というよりもむしろ権利はあるというような言い方のほうが、より適切かと思います。情報公開条例は当然、行政が市民に対して情報を公開するということですから、当然尊重とか保障とかという議論が成り立つかもしれません。自治基本条例が先ずは市民ありきということで考えれば、尊重も保障もないような気もします。

稲葉委員   これから市民主体の市政を行なっていくという中で、情報の共有というのがポイントになりますので、知る権利を保障することも十分考えられると思います。先ほど説明がありましたように、先ず知る権利の範疇が決まっていない。憲法第21条の表現の自由の保障を再構成したものが、知る権利というように憲法学で言われていると思いますが、果たして内容は何なのかというが決まっていないとなかなか踏み込めないと思います。また知る権利の対立概念としてプライバシー権があります。最近住民基本台帳が悪意に利用されているということで、悪用されないようにしていかなければなりません。プライバシー権との保障というのを謳っていかなければならないし、行政の責任となるということを確認していきたいと思います。

小長谷委員  知る権利イコール情報の開示請求ということではないので、情報公開請求権そのもの及び開示請求権は、条例とか法律で総体的に認めることは可能です。従って、知る権利が保障されないからといって、行政に対する権利がない、及び情報公開開示請求権がないということには、直ちに結びつかないと思います。従って、その辺の議論を使い分けたほうがいいと思います。知る権利というのは成熟されていないし、開示請求権というような要素もあるし、プライバシー権というような要素がいくつか入ってくる概念ですし、国の法律も使っていないような議論がありますので、静岡市がここで積極的に尊重するとか、保障するとかそういうことを言っても、さほど意味がないと思います。最終的に知る権利が保障とかという話になると、憲法上の問題みたいなことになってきます。

日詰委員   鍋倉さんが言われたように、新しい自治基本条例の中へ積極的に新しい権利規定を設けていきたいという気持ちはよく分かります。ただ、今議論されているように、知る権利は十分に確立した内容を持っているものでなく、知る権利イコール開示請求権というところに結びつかないという難しさがあると思います。従って、手続き規定の中で公開条例、開示請求権というものが確保されているということでいいのではないのかと考えております。市民の知る権利を尊重するというような、現にある情報公開条例で、今の状況においては十分に情報開示請求権というものを含んだ上で、知る権利というものをある面で確保しているのではないかと思いますが、私は尊重ということでいいのではないかと考えます。

石光委員   先ほど三浦委員が言われたどちらの立場で作るのかということですが、もし市民サイドで作るならば、保障するとか尊重するとかというのは言い方が違うのではないかと発言されましたが、私たち市民が参画する場合に、ちゃんとした情報が提供されていないと判断を誤ってしまいます。だから知る権利があるということを明記し、併せて行政側は情報を提供しなければならないということも両方明記してほしいと思います。そして、知る権利を明記されたのが平成12年で3年が経過しています。裁判でも情報公開の請求も増えています。自分たちの基本的な姿勢としては、知る権利があるということは明記していいと思います。保障とか尊重とかではなくて、知る権利を明記し、3年間の変化に応じて情報公開条例が少しずつ変わってきてもいいと思います。時代が変わって法律が形成されていくのか、その辺の差は分かりませんけれども、最高裁まで行く判例がなかなかないと言われても、これから増えていくと思います。

篠﨑座長   その点は情報公開条例の知る権利を尊重するからには、現行法とか情報公開法の国の法律では明記はないけれど、静岡市の条例としては知る権利を尊重します。存在するという基本的な考えはあります。その次に、先程小長谷委員からもあったように、情報開示請求権があるということは、当然のことながら行政側に情報提供の義務があります。

鍋倉委員   行政の責務ということを別の項目で入れてほしいと思います。それと、情報が市民に分かりやすいことと市民間に情報格差がないことも考慮してほしいです。

事務局(加藤主幹) 知る権利を尊重する・保障するというような形での規定も一つの案だと思います。これから事務局で皆さんの意見を尊重しながらたたき台を作ります。たたき台の中に、例えば市民の権利は当然条文として入ります。その中に市民の権利として知る権利がある、参画する権利がある、協働してまちづくりを行なう権利がある、そのようなうたい方も一つの方法であります。一方、行政側の責務の条文の中に情報提供、情報公開する義務・責務がある、そのような規定の仕方も一つの考え方だと思います。次回は事務局でたたき台をいろいろな選択肢を設けるような形で作りますので、その上で議論をお願いします。

日詰委員   確認しておきたいのですが、基本的な論点をいくつかピックアップして議論していますが、自治基本条例の全体の骨格・骨子をそういうものを次回検討するのですか。

事務局(加藤主幹) はい、そうです。前回、今回と基本的な項目を議論し、いくつかの市民提案に対して委員のご意見をいただいております。意見を踏まえて次回までに、市民の提案を尊重しながら事務局で次回までにたたき台を作ります。それで、だいたいの骨格とかイメージとか把握できるあと考えています。その上で議論をしていただきたいと思います。

篠﨑座長   日詰委員からも話がありましたように、ある程度の枠組みを決めてもらわないとたたき台が作れない。どっちつかずになると膨大な作業量になります。皆さんの意見を集約してたたき台を作っています。基本は知る権利について、尊重するという基本で、足らない部分については補足していく方向で結論とします。

(2)第三者機関の設置について

事務局(加藤主幹)   第三者機関は自治基本条例の実効性を高めるために設置する、市民委員10名程度の附属機関という定義づけが出来ると思います。この条例が適切・的確に機能しているか、例えば条例の最高規範性がしっかり発揮できているかどうか、それに違反して他の条例が作られていないか、各種計画が自治基本条例に従っていないのではないかなどの項目について、監査を行ないます。市民・議会・行政の権利・義務が発揮されているかどうか、また、市民参画が各行政分野において、行われているのか、市民と協働してまちづくりをやっているかどうか。あとは条例自体の改正・廃止が第三者機関による議論の対象となります。現在、自治基本条例で、第三者機関の規定があるところは、ニセコ町、吉川町、清瀬市、多摩市です。ちなみに宝塚市、生野町、杉並区は第三者機関の規定はありません。清瀬市は今年の6月3日に設置しまして、既に5回程審議しており、委員の皆さんが、まちづくり全般にわたり細かいことまで議論しています。

鍋倉委員   この条例の最高規範性とか、他の条例がキチンとそれで動いているかということを把握していくためには、第三者機関は不可欠だと思います。委員の決め方も、市民委員という話がありましたけれども、なるべく中立的な形で出来ていったほうがいいと思います。

川口委員   第三者機関の設置はあったほうが、よりいいと思います。最高規範性のある自治基本条例の運営について、市民委員だけだと不安です。法律上の問題も出てくるので、客観的・中立的に見る専門性のある人を委員に入れることの留意は、第三者機関の設置においては重要だと思います。

松浦委員   第三者機関を設置することは、当然この条例に限っていいことだと思います。質問ですが、既存の監視・チェックするための議会との整合性で問題はないのですか。また、第三者機関を設置した場合、どこまでチェック機能が働くのか教えてください。

事務局(加藤主幹)   議会とは違う機関であって、この条例に関して監視する機関です。先程の説明に加えて、第三者機関を常設機関にするのか、必要に応じて設置する機関とするのか、及び委員の構成の仕方を議論していただきたいし、設置するとなれば、審議内容についてこういうのも加味すべきではないか、附属機関でやるべきではないかと、そこまで議論していただきたい。

石光委員   市民案のB案の自治推進委員会、E案の執行機関の中の市民自治を推進するための設置、及び監視機関の設置とあるので、この辺を第三者機関のイメージとして皆さんに意見をいただきたいと思います。

日詰委員   第三者機関を設置することに賛成です。具体的にどういう設計をするのかということについては、いろいろなパターンがあるので、これから詰めていけばいいと思います。権利侵害が起こったときの救済措置をどのように確保していけばいいのかという論点があると思います。従って第三者機関の見直しか、別途に違う組織を作るのかを議論すべきだと思います。

篠﨑座長   第三者機関の設置について、人選は市民、専門家など幅広く入れるとか、設置した機関の権限の内容について今後の検討課題になると思います。条例の実効性を高めるために、設置する方向で、事務局で検討していくということでよいでしょうか。

     (異議なし)

 (3)条例の改正規定について

事務局(加藤主幹)条例の改正規定は最高規範性の一つです。最高規範性を自治基本条例で担保することは、前回議論したところです。一つは最高規範性を条例の中に明記すること、もう一つは尊重規定にとどめて、他の条例・計画等は出来るだけ最大限尊重して、整合性をとるような規定を設けるか、若しくは改正規定で、これを普通の条例の改正より重点を置く。例えば、議決要件を加重するとか、改正にあたっては住民投票を実行するとか、市民の皆様から意見を求めた上で改正する、そのような規定の仕方があるかと思います。どのような形で最高規範性をうたうかということで非常に関係してきます。条例の中で最高規範性をうたえば、改正規定で加重する必要がないと思いますので、たたき台の中で選択肢を含めて事務局で作成してみたいと思います。

鍋倉委員   たたき台に入れていただきたいのは、誰が改正の発議をするのか、例えば第三者機関が発言するようなということを入れてほしい。

小長谷委員  発案権については市長にも、議員にもありますし、市民の皆さんにも条例上、直接請求、改正請求という形で出来ます。議論をしてまとめていくことに関しては、条例で設けた専門機関に諮ることもありますし、方法はいくつでもあるような気がします。市民の皆さんが設置するということになれば、自分たちで組織を作って直接請求することも考えられます。条例の中で議論について、必ず自治推進委員会のような組織に諮る手続きを、条例の中で担保する方法もあると思います。

篠﨑座長   一般市民が条例を改正してほしい時、市民提案や直接請求の保証が難しい場合や、第三者機関で情報開示がうまくいっていないことがあった場合に、市民が提言出来るかどうかということを検討するということでよろしいですか。

     (異議なし)

小長谷委員  改正手続と制定手続との絡みを整理したほうがいいと思います。また、一般に制定手続は単に市長提案という形式で、改正手続は非常に過重な手続をとっているので、制定手続をどういう風にとるか検討したほうがいいと思います。

篠﨑座長   それを踏まえて、事務局でたたき台を検討することでよろしいですか。

     (異議なし)

(4)条例の文体の扱いについて

事務局 (加藤主幹) 文体は、公開講座などで多くの市民から皆が分かる易しい表現で自治基本条例を作ってほしい という意見をいただきました。事務局も出来るだけ易しい表現で条例を作りたいと思いますが、条例も法律です。従って、いろいろな解釈がされてしまうと困る、一つの表現でいろいろな解釈があるとまた困る、そういうことも現実です。この問題につきましては、専門家の意見を伺いたいと思います。

小長谷委員  自治基本条例を制定する時、市民の皆さんと一緒に作るということにおいて、市民に分かりやすい条例を作ることを第一義とすべきだと思います。しかし、条例制定において全国統一で決められた用語のルールがありまして、憲法を頂点する法体系の一翼を担う意味での静岡市の条例という位置づけも出てきます。一定の用語のルールというのは、解釈に誤解を生じないことと、特定の解釈をされることです。例えば、「~をする」は口語で使いますが、「~するものとする」は一般的に口語で使いません。法令上は、「~をする」ということと、「~するものとする」は明確に使い分けています。「~をする」は断定的に使っていますが、「~するものとする」は義務的な意味合いを持たせているが、なるべく努力するという意味合いも持たせています。「~しなければならない」ということになると完全な義務規定になって、それに違反すれば条例、規則違反となります。このことから、用語のルールと使い方をそれなりに押さえて大事にしながら、条文を作る必要があります。市民の皆さんに、分かっていただく条例を作るには、ある程度解説をして、用語を言い直すことをやっています。前文では、ある程度弾力的な口語に近い言い方をしています。静岡市の場合、男女共同参画条例の前文で、法令用語でない一般的な言葉を使っています。できれば前文には、市民の皆さんの条例にかける思いとか、基本的なものの方向性と理念を明確に打ち出すということでは、一般的な言葉で言ってもいいのではないかと思います。

劔持委員   役所で使っている文語体が分かりにくいというイメージがありますが、条例というのは法律の一つですから、解釈が分かれることは市民に対して不親切だし、判りにくいです。私達がこの条例で何を謳っていきたいかということを、明確に位置づけられれば、その時はルールに従った文章表現が必ず出てくると思います。しかし、私たちがここにいない静岡市民の皆さんに条例を説明する義務を負っているとすれば、噛み砕いて分かりやすく説明する必要があります。使い分けをするのではなく、ここでは明確に目的として何を位置づけていくか。それを法律の用語に従った手法でとりまとめていく。この条例は、市民に広く周知していかなければならないと思います。説明の機会や、あるいは文書として広く配布するときには判り易い注釈を加えて説明していく必要があります。この条例に大きな理念を持たせるため、最初に都市憲章的なものを入れるという話がありましたけれども、そこで条例の目的を平易な文で表現していけばいいと思います。

稲葉委員   基本的には法制執務のルールに則って、規定しなければならないと思います。仮に救済機関を設置する、あるいは市民の皆さんの権利、役所の義務を条例の中に規定することになると、将来、自治基本条例違反で裁判になる可能性があります。裁判所の法的評価に堪えられる条例でなければ裁判官が判断出来ないので、分かりにくい点については他のところでフォローしながら規定していかなければならないかと考えています。

日詰委員   役所の慣例や論理からすればそういうことになると思いますが、何歳位の市民を対象に読ませるのかということが大事だと思います。平均的な読者の学歴や年齢を配慮しながら文面の構成をとっていますから、新しいものを出す時に役所の慣例に従っていくことと、訴訟が起こった時の対外的な関係との配慮のバランスの問題ですが、何歳位の市民を対象に読ませたいのか、その中で表現の仕方を考えていかざるを得ないかと思います。

菊島委員   間違った読み方をされてしまうケースがないとは言えないので、条例の逐条解説的なものがあれば親切だと考えます。

長澤委員   ニセコ町の条例には注釈があるから理解しやすく、よく出来ている印象を受けました。法解釈が分かれてしまっては市民によく伝わりません。伝えるためには法制執務に従った作り方であっても、注釈で説明を加えることは非常に大切なことだと思います。

高木委員   基本的には誰もが判って、法律的に解釈が混乱しないこと、この二つの基本を揺るがさないで条文を書いていくことを検討する必要があると思います。また、何も出来ていない中で、基本的な考え方をおさえておけば充分かと思います。しかし、条例が出来上がった後のイメージが委員間でも温度差が随分あるのではないでしょうか。理念的な部分の話し合いがまだまだなような気がします。委員が何をどの程度考えているのか聞きたいです。文体については、それによっても随分違ってくるだろうと思います。

石光委員   対象年齢は、義務教育が終わった中学生辺りがいいと思います。市民が読むことが出来るためには、あまり難しい表現だと結局は使えないと思います。ニセコ町では、小学生が自分たちの小学校の校舎、また将来使う中学校の校舎を建てるときにどんな校舎がいいかを検討するワーキンググループに参加して活動していました。町の予算書も各家庭に配付されたものを、家族で議論がされています。例えばスクールバスにこれだけ予算が使われているならば、他に使った方がいいと小学生が議論出来る位の予算書の内容となっています。本当に市民のためになる理念的で基本的なものなら、簡単な文章で言い切ってしまえばいけるのではないかと思います。またいろいろな説明が多くついても、読めないと思います。

田中委員   分かり易いとか、平易なという部分が、安易に「easy」という単語で言っていいのか若干疑問があります。例えば中学生が読めるものと言ったときに、中学生が学校で習うレベルのものに合わせるのか、少し難しいけれども、それを読みこなす努力をすることによって理解を深めるようにするのか。法律的に統一されたルールに基づいて誤解が生じないようにする必要性と、最高規範性という部分に重きがあることを考えると、難解な文章にならざるを得ないという気もします。やはり、基となる部分というのはゆるぎないものがある、誤解を生じさせないためにはやはりルールに基づいた形が必要だと思います。ただ、不必要な難解な表現は避けていただきたい。統一的なルールに基づいた上でも、ある程度今までの表現にはこだわらずにいける部分を探し出して、なるべく取り付きやすいような表現にするように努力していただく。簡単にしたために、全体がぼやけてしまうような形ではなくて、読みこなすための努力を求める部分もあり、その努力をする人が判りにくいということであれば、それを助けるための補助的なものを別に作ります。

篠﨑座長   制定する条例の本文は法令用語に則って市民に誤解を与えない表現にせざるを得ないというのは法規の考え方ですが、前文は出来るだけ易しい表現にする。条例の趣旨を出来るだけ市民の皆さんに分かっていただくようにする方向にせざるを得ないと感じます。委員からもいろいろな提案がありましたが、事務局からも考えていることがあれば発言してください。

事務局(加藤主幹) 先ずたたき台を作成するにあたって、出来るだけ易しい表現になるよう努めていきたいと思います。最終的には法規の審査を通りますので、それなりの形になろうかと思いますが、当然ながら逐条解説を作らなければなりません。それと、市民にこの条例をPRしていかなければなりませんので、市民用のパンフレットは易しい表現でいきたいと思います。それと、何歳位の子ども達から自治基本条例を読ませるかという議論がありましたけれど、小学生にも静岡市がどういう方向を目指すのかという理念を伝えていきたいと思いますので、例えば、全小中学校に下敷を配付し、それに判り易いわたしたちのまちの決まりとか憲法という表現で易しい理念的なものを載せて、全生徒に配るというのも一つの案かと思います。

篠﨑座長   文体については、何もないところから考えてもどうかというご意見がありました。難易度については個人差があると思います。少なくとも中学生位が読めることを目安にしていただきたいとご意見がありますけれども、委員の意見を採り入れたたたき台を作った上で次回検討していただきたいと思いますけど、よろしいですか。

     (異議なし)

 (5)条例の名称について

事務局(加藤主幹) この自治基本条例という名称について、出張講座等で市民から堅い、古臭い、とっつきにくい、もっとご時勢に合ったやわらかい名称はないかというご意見がありました。ただし、これにつきましてはここで委員の皆さんにアイデアを提案してもらうことは難しいと思います。この懇話会で今年度中に素案を作成します。来年度になりましたら、タウンミーティングやパブリックコメントにかけますので、その席上で一般市民の方々から名称について広くアイデアをいただいた上で、結論を出していくべき問題ではないかと思っております。それまでは、(仮称)静岡市自治基本条例という形で、たたき台も作っていきますし、今年度作成する素案もその名称でいったらどうかと思っております。

篠﨑座長   今、事務局から提案がありましたように、当面は(仮称)静岡市自治基本条例ということにしておきまして、今後タウンミーティングとかパブリックコメント等を通じて、市民から意見を聞いて検討していきたいという提案ですがよろしいですか。

     (異議なし)

 (6)住民投票の規定について

事務局(加藤主幹) (資料3に基づいて説明)代表制民主主義との関係が一番のポイントになるかと思います。民主主義というのは、市民の代表者である議員の方々が議院を構成しまして、そこでいろいろ方向付けをするものでございます。そうした中で賛否両論があり、それをまとめたものが「1 代表制民主主義との関係」で掲げたもので、どちらも否定出来ない形となっています。

住民投票を行なう場合、どのようなものを対象とするのかということで、「2 対象事項」として掲げさせていただきました。先ず、住民投票になじむことについて説明します。市町村の存立の基礎的条件、合併、分離、市名の変更が考えられます。税金について、地方分権一括法で法定外普通税や法定外目的税を、市町村が課税することが出来るようになりました。法定外目的税等を課す場合には住民投票の対象になりえるということです。次の、議会と首長の意見が対立する特に重要な政策ですが、なかなか具体的にイメージが湧かないところです。市町村の将来を決定する政策について、住民の意見が二つに分かれた場合の事例は、合併にかかることが挙げられます。実際の事例としては、空港建設の問題が挙げられます。

一方なじまない事項としましては、(1)道路整備などの施設建設に関して、対象となる地域・住民が一部に限定されるため、住民の利害が明確に分かれる事項、(2)産業廃棄物の最終処分場やダム建設などで、複数の自治体に影響が及び利害が自治体によって分かれる事項、(3)総合的で長期的な検討を要し、多様な可能性が存在する事項、(4)高度に専門的な事項、(5)市町村の権限に属さない事項、(6)予算・決算、公務員の勤務条件、行政組織・人事・財務に関する事項です。これはあくまでも一般例ですので、ある市町村によってはなじまない事項でも、ある市町村によってはなじむということも考えられます。全く逆のケースも考えられますので、市町村で決めていくことで構わないかと思います。

最後に住民投票の問題点を掲げさせていただきました。まず対象事項をどのように絞り込むか、いろいろな問題があるので自治体の最終的な判断が必要となります。有権者の範囲について、普通の公職選挙法に基づいた有権者とするのか、もっと年齢を下げるのか、外国人、通勤者や通学者の方々の問題、その範囲を広げた場合に把握する方法も問題になります。投票率は一番重要なポイントだと思います。50%位の投票率で市の大事なことを決定していいのか、その際の取り扱いをどうするか、一般的には50%以上ではないと成立しないということもあります。投票率をどこに置くか、その根拠付けを我々自治体で行なうしかないということです。投票結果の法的拘束力について、諮問型と拘束型というのがありまして、諮問型というのは住民投票の結果を尊重する形式で、拘束型は住民投票の結果に左右されます。特に拘束型を採用した場合、今の法令の規定との関係、対象事項、有権者の範囲、投票率についてもっと厳格な規定が必要になってくると言われています。

劔持委員   今、自治基本条例の中で議論するのは、住民投票について手続きを定める条文を設けるか設けないかという議論が大事ではないかと思います。住民投票を定めた市町村でも、実施することが出来るという形の表記が多いです。住民投票というのを静岡市の自治基本条例の中で、こういう手続きをすることが出来るということを明文で謳っておいて、個々の投票率や法的な効力などについては尊重くらいしか謳えないのではないかと思います。なじむ事項でも、それを求めるときに投票率が過半数以下でも大事にしたいものもありますし、過半数以上なければ参考程度に留めておかなければいけない投票結果も出てくるのではないかと思います。これは投票条例を個別に定めるときに、慎重な議論をされるべきものだと考えています。

鍋倉委員   住民投票の規定は入れてほしいです。選挙だと、その重要事項が争点になるとは限りません。候補者は選挙の時にそういうことを避けがちですから、重要な事項について住民投票を必要する規定を入れたほうがいいと思います。ただ規定が一言だと、とっかかりがないので、多少内容を入れて、それから個別のことはまた別の条例に定めるような形にするのが一番いいかと思います。

高木委員   自治基本条例は住民が行政施策に関わるためのいろいろな選択肢が規定する冊子なのかなと思っています。住民投票というのも自分たちの意思を反映させるための一つの選択肢、市の側に意見を入れるツールとして住民投票は入れてほしいと思います。

三浦委員   住民投票の規定を入れることは賛成です。ただ自治基本条例の中でどのように規定していくのかを、論議をしたほうがいいと思います。自治基本条例では「住民投票することができる」程度の規定でいいですし、後は個別条例で設ければいいと思います。

川口委員   住民投票が非常に重要な項目であるために、自分がどう行動すれば住民投票の道筋ができるのかというあり方がないかと感じています。文言の判り易さよりも、行動を起こすための判り易さみたいなものを大事にしていくべきという考え方を持つ方が大事だと思いました。

手崎委員   住民投票において全体として過半数で賛成であるが、利害関係のある過半数が反対した場合には成立しないという体系を取ればどうかと考えます。

高木委員   住民投票を大項目におくというよりは、アンケートやヒアリングなど市民の声を聞くツールとして選択肢がこれだけあるということを表すのも一つの手段だと感じました。住民投票は、2倍、3倍と費用がかかるので、ならばテーマによって他の選択肢を選べるような、やり方は各々の条例で担保すればいいと思います。

長澤委員   住民投票は最後の手段として担保される必要がありますが、事前の論議を尽くすことが大事だと思います。

川口委員   時流的な雰囲気の中で、諮問型の住民投票をここで位置づけるならばあまり意味がないと思います。ここで住民投票を位置づけるということは、大事な意思決定をするという意味合いがあるかと思います。行動を起こす一方、議会や市長にも委ねられない重要な意思決定については相当のコストを負担して、住民投票という手段を行使するという明確な意思を市民が持つのか持たないのか。そのかわり、意思を持ったときには、その手順が判り易く示されていたらいいと思います。

石光委員   私たちの意見の反映は議会を通じてということになりますが、その中で自分たちの意見が反映されない時は、最後の手段として住民投票が担保されているとありがたいです。住民投票の結果をどう扱うか、諮問型だとただのアンケートと変わらないので、拘束力のある住民投票という位置付けは必要だと思います。ただし住民投票がこわいのは、情報が公開されて充分な議論がなされた結果でないと、拘束力のある住民投票で市の大事な方向が決まっていくことに対して懸念があります。住民がそれだけの議論に堪えうる成熟さも必要です。

松浦委員   住民投票を実施する場合、何を住民投票にかけるのか、その位置付けは重要だと思います。住民投票が出てきた背景には、代表制民主主義では捉えきれないケースがいろいろ出てきて、意思決定が出来にくい風潮になってきていると考えています。

篠﨑座長   今日限りでは結論が出ないと思いますので、今後も引き続き検討をしていきたい。

たたき台に対する意見の集約結果について

事務局(加藤主幹) (資料4に基づいて説明)たたき台の作成方法ですが、皆さんのご意見を最大限尊重するとともに、前回と今回で議論した基本的な検討項目の内容、市民から出された提案、意見を尊重し、たたき台を作っていきたいと思います。一つの項目についていくつかの選択肢を用意した、たたき台にしたいと思います。全体的なイメージを掴んでいただいて、個別に最終的に素案作りまでもっていっていただき、やさしい表現でまとめていきたいと思います。条例に静岡らしさを打ち出していき、この条例は静岡市でないと使えない条例を作っていくのが目標です。総合計画との整合性を図りながら、どう自治基本条例で謳っていくか。具体的に条文に盛り込んでいくのか、または一章設けて謳っていくのか、その辺を議論していただきたいと思います。

長澤委員   アンケートで静岡らしいということを聞かれ、自然が多いと回答した。富士山が良く見えるというのが特色で、茶畑と富士山が見えると静岡らしいと思う。静岡市には特徴がないと思われがちだが、生活の中で感じている。

手崎委員   港が特色で、港は世界につながっている。静岡の隣は、他県ではなく世界だという認識した静岡らしさを強調してもいいのではないかと思います。

高木委員   静岡市がどこでも同じでないということを、どのように組み込んでいくか。また、市民って何だろうと考えた場合、静岡市に興味がある人、静岡市に関わっている人、すべてを含めて市民という広い視野で考えていき、理念のなかに入れていく。

川口委員   「らしさ」という面で、静岡市は非常に恵まれた環境にあります。気候・風土に依存したらしさに陥りがちだが、それに依存してどっぷりつかるのではなく、そういった環境の中で暮らしていけることで市民活動を豊かにしていくという考え方を打ち出せたらいい。世界に誇れるまちを作っていくのは、人の活動である。活動を支え、豊かに展開していくためのものとして、自治基本条例を考えればいいと思います。

日詰委員   ガバメントからガバナンスへの転換と言われていますが、市民の定義でも出てきたように、市民・企業全て含めた形での市民という捉え方をしています。行政だけが出てくるのが、従来型のガバメント型の統治方式でしたが、これからは多元的主体が手をあわせながら統治していく、すなわち共治という方向です。今まで社会的責任を負っていなかった市民、企業の社会的貢献が一体となって、新しい静岡市を作っていく、そういうイメージを出していったほうがいいと思います。地域にある資源を組み合わせながら、共治という枠組みが作り出せないかと思っています。

石光委員   最高規範性といってすぐ変わってしまうようでは困る。市民としてあるべき姿の理念的なものはどこの自治体でも変わらない。自治基本条例では普遍的なものをまとめて、前文のあたりで地域らしさを入れていきたい。もう一つ、中央集権から地方分権になったというのを入れてほしい。政令指定都市というのは目的ではないので、前面に出さないで、地方分権の担い手として責任と役割というあたりで、静岡市の位置付けを出してほしい。

鍋倉委員   理念の中に市民自治が発展するということを入れてほしい。市民もそれに応えてこれから成長していかなければなりません。市民と一緒に作り上げていくという姿勢を、条例とか政策においても活かしていってほしいと思います。

劔持委員   市民ニーズという言葉をよく使いますが、実際に生活している人達が何を考えているかという意味かと思います。条例で謳うとき、前文で思い入れを謳うほうが市民の皆さんにとってわかりやすいです。市民、ここで事業を営む起業家の皆さん、私達行政はサービス、コーディネーター役です。この三者または四者になるかもしれませんが、何を拠り所にしてこのまちをよりよい暮らしやすい場所にしていくかという理念が、このまちを作っていくために、こういうことを考えて、こういうことが出来ます、あるいは皆でやりましょう、これを事務局で整理していただければ、条文の中に何もくどい「らしさ」を出していく必要がないじゃないかと思います。一つまとまったものが出来たことは、この静岡というまちが生きていくことをアピールすることであると思います。自然的な恵まれた資源だけではなくて、行政と市民の皆さんと一緒になって作った条例に表れるということが一つの静岡らしさと解釈していけるのではないかと思いました。

高木委員   小学生5年生向けに判り易い表現にし、イラストを入れて、男女共同参画基本条例のパンフレットを作成し配布しました。基本条例が出来て、市民が自治に関わる行政施策に小さいときから肌に感じるのと感じていないのでは違いが出てきます。中には冊子について授業で採り上げているクラスもあります。そういった仕組みも今後考えていったほうがいいと思います。

6 傍聴人の発言

・新しい静岡市を立ち上げるにあたり、地方自治をどう実現し努力しているのか。静岡市らしさは何かということで風土的・地理的な特色は前文あたりで謳えばいいことではないかと思います。市民がわがまちとしてどう活かすか、その姿勢が位置づけられていくことが大事ではないでしょうか。直接請求について、その権利があることを市民に分かっていただいて、自分の頭で考え、情報が共有されてなければ出来ないことですから、情報を知る権利を市民が持ち、情報公開の態勢が整っていて、自治基本条例の中で保障されるということは何よりも大切なことだと思います。そういうことが定められているというのが静岡の特色でいいと思います。住民自治をいかに実現するか、市の責務だとか、議会の責務が謳われており、市民にはその権利が保障されているということを、易しい言葉で市民としての責任を果たしていくんだなということが分かればいいと思います。

7 次回の日程について

事務局から説明

平成16114日 100012:00 清水市総合事務所 88C会議室

8 閉 会

 ※ 傍聴人 1名

署名 静岡市自治基本条例等検討懇話会座長

 

 

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