平成18年度 第1回 静岡市市民自治推進審議会 会議録
- 最終更新日:
- 2015年3月26日
平成18年度 第1回 静岡市市民自治推進審議会 会議録
1 開催日時 平成18年5月26日(金)午後3時~午後5時
2 開催場所 静岡市役所 静岡庁舎新館9階 特別会議室
3 出席者 【委員】
小野寺委員、佐野委員、祖父江委員、
日詰委員、森委員、守屋委員
〔欠席〕
木村委員、坂野委員、田中委員、前山委員
【市側】
(事務局)
加藤都市経営課長、大石参事、山口副主幹、野田主査、古荘主査、鈴木主査
(市民参画推進条例庁内プロジェクトチーム)
吉井主幹、深澤統括主幹、降矢主査、宮城島主査
4 開 会 事務局長(加藤都市経営課長)
5 議 事
日詰会長 では、さっそく議事に入ります。
議事(1)「市民参画の定義」について事務局より説明願います。
事務局(大石) 議事(1)について、資料1-1~1-3に基づき説明。
〔説明要旨〕
・条例の骨格案での条例の全体像の説明を通じて、論点を確認
・条例での重要なキーワードとなる「市民参画」という用語については、自治基本条例の規定との整合を図り定義する必要がある。
事務局(大石) ここで、本日、欠席をされた木村委員より事前にご意見をいただいていますので、報告いたします。
(木村委員の意見要旨)
・市民参画の定義づけの際の自治基本条例の規定との因果関係について、補足説明がほしい。
・資料に使用されているカタカナ語には、注釈をつけるなどの配慮が必要ではないか。(市民へ説明していく段階では、この点に注意すべきである。)
・資料1-1の図解に市民参画の効果として「効率性」とあるが、安易に「効率性」を追求するのではなく、市民社会における新しい価値観(例えばスローライフなどの価値観)をもって議論していきたい。具体的には、社会的弱者にとって住みやすいまちづくりという観点である。
・市民社会が求める新しい価値観を示唆できるようなものを市民参画の基本理念や基本原則などのところで明記できたらと思う。そうできなくとも、条例解説書などを活用して職員、市民の意識改革を促せていけたらと思う。
・大筋では、資料の内容については異論なし。
日詰会長 資料1-3の条例骨格案の総則部分の各項目については、他自治体の条例と比較しても必要事項は網羅されていると思います。今後の展開としては、特に本日の議事2でも取り上げる市民参画手続での議論が重要になってくるのではないでしょうか。
それでは、議事1の「市民参画の定義」についての事務局からの説明についてご意見等はありますか。
祖父江委員 用語の使い方についてですが、資料1-2の市民参画の定義では、「市の施策」となり、自治基本条例第10条では、「市政に関する施策」となっているが、何か意図するところはあるのですか。
事務局(野田) 意味は同じです。資料では「市政に関する」という部分を一般的に使われる用語としての「市」に簡略化しました。
事務局(加藤) 自治基本条例では、「市政」と市政の領域より幅広い公共領域を指す「まちづくり」という用語を区分して使用しています。
佐野委員 考え方としても「参加」より「参画」としての方向性の方が条例の趣旨と合致すると思います。
小野寺委員 木村委員の意見にもありましたが、市民参画の基本理念や基本原則は、市民意見を聴き、それを反映する姿勢が問われるところであり、市民参画の目的が多様性や効率性を安易に追及するような図解は誤解を招く可能性があります。
日詰会長 この点については、市民参画の基本原則や基本理念を規定する総則部分での議論に任せたいと思います。
その他にご意見等はありますか。
日詰会長 それでは、議事2に入ります。議事2「市民参画手続」について、事務局より説明願います。
事務局(大石) 議事2について、資料2-1に基づき説明。
〔説明要旨〕
・市民参画手続の手続的流れ
・市民参画の対象となる施策
・市民参画手続を実施する上での基準
(実施時期、手法の選択基準)
・市民参画手続に至るまでの行政マーケティング(行政需要の把握など)の位置づけ
日詰会長 ただ今の事務局からの説明にご意見等はありますか。
佐野委員 市民参画手続の対象施策が4つ挙げられており、市民参画手続は、各施策の担当課がこの基準に照らし実施の可否を判断することになるかと思いますが、条例では、施策の具体例までを示すことになるのですか。それとも、アウトラインを示すことになるのですか。
事務局(加藤) 具体例をもって対象施策を検討していきますが、条例での規定を考慮するとアウトラインになるのではないかと考えています。
佐野委員 対象施策の(4)を見ると抽象的な表現となっており、具体的な施策がイメージされにくいのではないでしょうか。
事務局(加藤) 条例では、具体例を示すことは技術的に難しくなってくると思います。しかし、例えそうだとしても、条例解説書などを作成し、市民の皆さんにも分かりやすい形で運用していくことで、これを補足していくことになります。
また、庁内調査をした結果、対象施策の(4)には、給付行政(補助、助成事業)が主に該当します。調査結果を抜粋した資料を配布しますので、参考にしていただきたいと思います。
事務局(大石) 今説明をしました調査結果においては、対象施策(4)に該当する約7割が補助金等を伴う助成事業となっています。他の3割については、行政指導等に関する基準などが主に該当します。
佐野委員 市民参画手法の選択によっては、結果が違ってくる可能性も考えられます。この条例では、手法のメニューを示し、そのメニューの中で各担当が市民参画手続を実施するという考え方でよいのですか。
事務局(加藤) 今までの経緯を踏まえますとその考え方でよいと思います。
日詰会長 条文形式として挙げにくい事柄については、要望として提示することもひとつの方法だと思います。
佐野委員 先程にもありましたが、カタカナ表記などの件も含めて、一般市民にも分かりやすい情報提供に配慮すべきだと思います。
祖父江委員 外来用語の置き換えについては、こういう用語を当てはめると日本語として分かりやすくなるという観点から検討したらよいかと思います。場合によっては、注釈も有効だと思います。
祖父江委員 通常、対象施策の(4)に該当する条文は、(1)~(3)には該当しないが、それに近い趣旨の事柄の漏れを防ぐために活用されます。
日詰会長 先程、この(4)に該当する主な事例が給付行政に伴う施策である旨の報告がありましたけれども、今は該当しないか、あるいは存在しないが今後(4)に該当する施策が出てくる可能性も考えられます。そういう意味でも(4)の意味は大きいと思います。
小野寺委員 資料では、行政マーケティングの位置づけとして、市民ニーズの把握に関する各制度や行政評価を挙げていますが、これはこれでよいとは思うのですが、この行政マーケティングで漏れてしまった意見や発掘できなかった課題への配慮やケアーも必要だと思います。その意味では、市民活動推進条例(現在制定作業中)との所管領域と重なっても、漏れを防ぐという観点からは、双方の条例にて規定していく部分もあるかと思われます。
事務局(加藤) どのような規定の仕方が条例として妥当なのかという問題もありますが、この行政マーケティングについても審議会にて十分に議論していただきたいと思っております。市民の声制度や今後実施予定のコールセンターの運用については、苦情レベルの意見であっても回答はもとより、情報の蓄積による分析を重視する将来像をもっています。
事務局(大石) 現実的には、表には表れないが潜在的な意見を発掘することは、非常に難しいところだと思います。そのためには、資料1-3にもあります市民参画の土壌を形成し、市民と行政の双方向性のある情報のキャッチボールが必要だと思います。
そういう市民と行政双方の意識変革を通し、市民文化の底上げを図ることが重要なのではないでしょうか。
小野寺委員 この点については、異論はありません。しかし、市民ニーズによる課題発掘だけでなく、課題ありきからではなく、行政自ら出向くことから、新たに課題を発掘していくことも意義があることだと思います。
日詰会長 行政が市民意見をどのように受け止め、どのように施策に反映していくかという姿勢が重要だと思います。
市民からの提案制度をアレンジすることで、行政だけでは気づかない部分も発掘することが可能であるなら、条例化は別にしても議論することは、意義のあることだと思います。しかし、今のところ、他自治体にもこの部分の条例化はほとんど見受けられません。
佐野委員 タウンミーティング(意見交換会、公聴会)と出前講座をミックスした手法で市民の声を聴くための会合(意見交換会と勉強会を併せたような形態)は、現在行われていますか。
事務局(加藤) 今年度におきましては、広報課が主催する市長が市内各所に出向くタウンミーティングを予定しています。ここでは、地域住民との多様な意見交換を予定しています。
佐野委員 例えばNPOなどが市民と行政の間に入って、市民意見を聴取する方法も有効なのではないでしょうか。
日詰会長 市民参画手続へとつなげる役目のある行政マーケティングを条例へ盛り込むには工夫が必要だと思います。
小野寺委員 ある課では、課題とならなくても、別の課では課題になるケースもあると思います。そういう意味では、行政マーケティングを市全体としての共通事項とすることで、結果的に市民参画を保障することになるのではないでしょうか。
事務局(野田) 庁内プロジェクトチームの検討でも、この行政マーケティングについて、議論をしてきました。
今までも、これらについては、行政でも実施されてきているところですが、各々別々で行われており、市民の皆さんに分かりづらい部分があるのかもしれません。ならば、市の統一の考え方として、この条例に集約し、そこから各施策の運用へ派生させるという方法が市民参画との関連も明確になり効果的ではないかという見解でプロジェクトチームでは合意に至りました。行政としても、行政マーケティングを意識して施策を行うことは重要なことだと思います。
森委員 パブリックコメントなどを経て蓄積した意見を他の施策でも活用していますか。
事務局(野田) 市民の声制度については、蓄積された情報を職員は閲覧することができます。ただし、活用の頻度については、職員の受け止め方に左右されるところはあるかもしれません。
森委員 そういう意味では、何らかの形でこの条例で行政マーケティングを位置づけることは意義があることだと思います。
日詰会長 行政マーケティングについては、委員の皆さんにとっても関心が高いところだと思います。条例にどのように盛り込むかは非常に難しいところですが、逆におもしろいところだと思います。これがうまく行けば非常に充実した条例になるのかもしれません。しかも、アイデアを行政に伝えられるという画期的なしくみになるのではないでしょうか。
事務局(加藤) 次回の審議会では、これまで議論をしてきた事項を踏まえ文章化し、たたき台として提示いたします。そこでの議論を通じて、審議会からの答申に盛り込んでいただけたらと考えております。
佐野委員 広聴制度で出される意見は建設的なものが多いですか。
事務局(加藤) 残念ではありますが、非常に少ないと思います。
日詰会長 市民参画の土壌の構築を考える上で、市の方で生涯学習についての計画があると聞いているのですが、どのようなものなのですか。
事務局(野田) 今から配布します「静岡市生涯学習推進大綱」は、平成17年度に策定されました。ここでは、市民参画の推進など多くの点で市民参画推進条例との方向性が重なっています。また、他自治体では、市民参画の推進事業と生涯学習の推進事業とを関連づけて事業展開をしているところもあります。ぜひ、次回以降の議論の材料として一読していただきたいと思います。
事務局(大石) この大綱は、生涯学習の観点からの事業を体系的に取りまとめた事業計画となっています。
また、この計画に基づき、すでに走り出している事業もあります。例えばP63に記載があります男女共同参画に関する事業については、すでに実施されています。
日詰会長 声なき人が声をあげていくプロセスも重要であると思います。
小野寺委員 市民の意見の拾い方が重要であると思います。しかし、行政マーケティングにおいて、市民意向の把握から課題発掘までのプロセスは非常に難しいところだとは認識しています。
森委員 新聞などへの投稿も課題発掘や議論喚起という点では、有効であることを聞きました。
また、意見を出す場合は、否定的な意見が多い傾向にあると思いますが、相手を誉めるような肯定的な意見も出せる風潮を築くことも大切だと思います。そのような風潮が、市民参画の土壌を形成する要因となるのではないでしょうか。
小野寺委員 市民には、独自に意欲的に目的をもって市民活動をしている方々がいます。例えば、そういう方々を通して意見を吸い上げ、行政に伝えていく方法も有効だと思います。
日詰会長 それに近いものとして、モニター制度が該当するのではないでしょうか。
祖父江委員 自治基本条例第22条に市民からの提案等についての規定がありますが、それに基づく具体的な方策については、規則等にて対応することも必要であると思います。
日詰会長 行政マーケティングについても、例えば要綱や指針などに委任する方法もあるかと思います。
祖父江委員 自治基本条例は、行政からの積極的な働きかけは直接的には想定していませんが、自治基本条例を広く捉えれば、趣旨として行政からの市民への積極的な働きかけは、むしろ推進するものとして捉えることができるのではないでしょうか。
日詰会長 今までの議論を通して、ご意見がある場合は、メール等にて事務局に提出していただけたらと思います。
小野寺委員 市民ワークショップでワークショップの前に「市民」とつけているのはなぜですか。
宮城島主査 ワークショップという用語は、会議の手法を指します。ここでは、多くない人数の特定のメンバーによる継続的な会議を意味しています。また、会議運営については、コミュニケーションにより議論を深め、提案などを創造していく形態を想定しています。
用語の普遍性についての判断は難しいものになります。だからこそ、逆に静岡市オリジナルの用語を作ることも可能なのではないでしょうか。
小野寺委員 手法のネーミングについては、今後検討していけたらと思います。
事務局(加藤) 答申の中に盛り込んでいただけたらと思います。
日詰会長 それでは、議事3としまして、本日の議事以外でも構いませんので、ご自由にご意見をいただけたらと思います。
森委員 資料2-1の右上の図の審議会等に(公募)と補足説明がついていますが、これには、どのような意味があるのでしょうか。
事務局(野田) 一般的に、他の自治体は、審議会に一部公募により市民をメンバーとして加えることを参画手法として位置づけています。ここでも、本市の審議会に関する指針にもあります一部公募制のものを想定していますが、公募の度合によっては市民会議のようにすべて公募委員によるものも考えられるかもしれません。
小野寺委員 現在、実施されているパブリックコメントでは、出された意見に対して個別に回答をしているのですか。
事務局(加藤) 個別には対応していません。しかし、ホームページなどを通して、提出された意見については、意見を付して公表しています。
小野寺委員 非常に難しいこととは思いますが、回答についても個別に対応できたらよいなと思います。それには、個別的に返答することで、例え意見が採用されなくとも失望感を与えず、さらに次への参画につなげていくという観点からそう思うのです。
事務局(加藤) 個別対応は、現実的には難しいところがあります。ただし、ホームページ上などで提出された意見への回答を公表していくことは、標準装備としていくことになります。
日詰会長 パブリックコメントを双方向性のあるコミュニケーションの道具として位置づけ何回か繰り返し行い、キャッチボールのようなやりとりをすることで市民と行政の良好な関係を構築することも運用次第では可能と思われます。
事務局(加藤) 時間的、予算的な制約がなければ、可能かもしれませんが、一方では行政運営の硬直化も懸念されるところであります。
日詰会長 今後の運用に関しては、実験的な試みも必要かもしれませんね。
事務局(加藤) 次回の審議会では、本日集中的に議論しました市民参画手続だけでなく、総則までも含めて文章化したものをたたき台として提示したいと思います。
日詰会長 総則部分も肉付けした方が議論しやすくなると思います。
では、次回は、文章化したものについて議論をしてまいりたいと思います。
それでは、時間も参りましたので、本日の議事は終了いたします。
6 閉 会 事務局長(加藤都市経営課長)
署 名
静岡市市民自治推進審議会 会長 日詰 一幸
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