平成16年度 第5回 静岡市自治基本条例等検討懇話会 会議録
- 最終更新日:
- 2015年3月26日
平成16年度 第5回 静岡市自治基本条例等検討懇話会 会議録
1 日 時 平成16年8月6日(金) 午後3時~5時
2 場 所 静岡市役所 静岡総合事務所新館3階 31会議室
3 出席者 (委 員)篠﨑座長、田中委員、石光委員、川口委員、高木委員、手崎委員、鍋倉委員、日詰委員、稲葉委員、小長谷委員、長澤委員、三浦委員、荒田委員 劔持委員、菊島委員、
※欠席 松浦委員
(事務局)松村総務部長、山村行政改革推進室長、加藤主幹、中嶋主任主事
4 開 会 篠﨑座長
5 議 事 タウンミーティングでの市民のご意見への対応(資料2)について
篠﨑座長 タウンミーティングでの市民のご意見への対応について、事務局から検討項目を説明してもらい、それに関してご意見があれば随時発表してもらいます。
それではまず、検討項目1「身体・精神障害者の扱いについて」に関する論点を事務局から説明してもらいます。
事務局(加藤) それでは、資料2をご覧ください。
検討項目1「身体・精神障害者の扱いについて」の論点を二つお話しいたします。
まずひとつめの論点ですが、この条例でいう「市民」の中には当然、知的障害・精神障害等社会的弱者の方も含んでいると考えますが、それを条例の中でわかりやすく表現できないだろうか。もし表現すると、かえって知的障害・精神障害と条例の中で強調してしまうと、目立ち、差別しているように感じないだろうか。という点です。
ふたつめの論点は、原案の「社会的身体的」という表現の中に知的障害・精神障害は含まれるのか、という点です。以上二つの論点を、委員の皆さんでご検討いただきたいと思います。
劔持委員 「社会的身体的」の中には、知的障害・精神障害は含まれないという意見は、この御本人がおっしゃっているのか、法規的にそうであるのか伺いたいです。
事務局(加藤) ご本人ではなく、他の方のご意見にこうゆうものがありました。法規的には、確認しておりません。
小長谷委員 法規的には、「社会的身体的」の中に、知的障害・精神障害は含まれると考えます。
篠﨑座長 「社会的身体的」の中に、知的障害・精神障害は含まれると考えられますし、現状の表現のままで十分だと思います。そうゆうことで、いかがでしょうか。
全 員 (異議なし)
篠﨑座長 それでは次に、検討項目2「公共」、「自治」、「自立」の概念の定義付け及び「市民」の定義の確認についての論点を事務局から説明してもらいます。
事務局(加藤) 検討項目2「公共」、「自治」、「自立」の概念の定義付け及び「市民」の定義の確認についての論点を二つお話しいたします。
まずひとつめは、「公共」、「自治」、「自立」の概念の定義付けがはたして必要かどうか。
ふたつめは、市民の定義を広くとらえているが現状のままで不具合が生じているのか。市民(住民)と、その他の市民や団体を区別するメリットがあるのか。という点です。以上二つの論点を、委員の皆さんでご検討いただきたいと思います。
長澤委員 「公共」というと、敷居が高く市民の感覚からすれば身近ではなく遠いイメージだと思います。「公共」を本文中で表現しようとするとボリュームが多すぎるため、逐条解説等で表現すればよいと思います。
篠﨑座長 「公共」の意味を広辞苑で調べると、「社会一般・おおやけ」と書いてあり、なんとなくイメージで通じる部分も実際あります。
鍋倉委員 「公共」というと、公(行政)と私(個人)が対立しているというイメージがあります。
今後は、市民として社会全般のことに公(行政)と私(個人)が一緒に取り組んでいくことを、条文の中でどのように盛り込んでいくかが難しいと思います。
日詰委員 「公共」を前文ないし逐条解説で表現してはどうでしょうか。
稲葉委員 「公共」を「社会一般的な活動」と定義してはどうでしょうか。
三浦委員 「公共」というと、官と民が混在しており、官主導のイメージが強いが、そうではなく
パブリックスペース等開かれたものであることを条文中に明記してはどうでしょうか。
篠﨑座長 それでは、「公共」を逐条解説で表現するということでいかがでしょうか
全 員 (異議なし)
篠﨑座長 次にふたつめの論点、市民(住民)とその他の市民や団体を区別するメリットがあるのか。について何かご意見はありませんか。
田中委員 素案要綱のとおり、広くゆるい表現で弾力性をもたせておいたほうがよいと思います。
篠﨑座長 素案要綱のとおり、すべて対等、平等、同列の扱いでよろしいでしょうか。
全 員 (異議なし)
篠﨑座長 それでは次に、検討項目3「区」の扱いについての論点を事務局から説明してもらいます。
事務局(加藤) 検討項目3「区」の扱いについての論点をお話しいたします。区の扱いをこの条例で規定すべきかどうか。むしろ、個別の条例や総合計画で規定すべきではないのかという点です。余談ですが、政府の「第28次地方制度調査会」において、道州制や大都市制度(政令市)の見直しがされています。それに伴い、行政区のあり方も検討されるかもしれません。その流れを踏まえて、委員の皆さんでご検討いただきたいと思います。
稲葉委員 区ごとで差をつけるのは好ましくないが、区の特色や特徴を生かしたまちづくりは総合計画等で必要だと思います。
鍋倉委員 市民主体のまちづくりの理念のもと、あえて区にこだわる必要はないと思います。
篠﨑座長 区ごとに予算編成し、区単位で地方自治体として活動してはどうかという意見もあるが、市民がみな平等という自治基本条例の趣旨にそぐわないと思います。区への権限付与は規定しないということでいかがでしょうか。
全 員 (異議なし)
篠﨑座長 それでは次に、検討項目4 住民投票についての論点を事務局から説明してもらいます。
事務局(加藤) 検討項目4 住民投票についての論点を3つお話しいたします。
まずひとつめは、外国籍の方の扱いをどうするか。
ふたつめは、原案の個別案件型によらず、条例による常設型にすべきかどうか。
三つめは、住民投票の結果に拘束力を持たせるべきかどうか。以上三つの論点を、委員の皆さんでご検討いただきたいと思います。
小長谷委員 住民投票の結果に拘束力を持たせてしまうと、市民の代表者である議会(間接民主主義)の権限を侵す恐れがあり好ましくはない。実際は、住民投票の結果に尊重義務規定を設ける程度にとどまると思います。
篠﨑座長 それでは次に、原案の個別案件型によらず、条例による常設型にすべきかどうか。という論点についてですが、個別案件型によらず条例による常設型にし、愛知県の高浜市のように住民の3分の1以上の者の連署を得る規定にするべきとの意見があるが、人口の少ない市町村ならまだしも、実際問題として70万人都市の3分の1以上の者の連署を得ることは容易ではありません。むしろ、地方自治法に記載されている選挙権を有する者の総数の50分の1以上の者の連署または、市議会の議員から議員定数の12分の1以上の者の賛成を得ることのほうが現実的だと思いますし、原案のとおりでいかがでしょうか。
全 員 (異議なし)
篠﨑座長 次に、外国籍の方の扱いについてご意見はありますか。ちなみに、地方自治法では外国籍の方に発議権や選挙権は認めていませんが、それを広げるかどうかですね。
高木委員 仮に、地方自治法の中で規定してあることを条例の中で規定しなかった場合、困らないのでしょうか。
篠﨑座長 法律で規定してあることと重複する事項は、原則として規定しないことになっています。
つまり、条例の中で規定するということは、地方自治法とは異なる市独自の規定であるということになります。市独自の規定である条例の中で外国籍の方に発議権や選挙権を認めることは不可能ではないと思いますが、どうでしょうか。
小長谷委員 公職選挙法に基づく選挙人名簿に登録されている者が選挙権を有するように、具体的に条例の中で規定することは、わかりやすく問題はないと思います。さらに、追加事項として発議権等を条例独自に適用するのは法律違反ではないというのが一般的な解釈です。特に、拘束制ではない非拘束制のものならば違法性はないと考えます。例えば、公職選挙法に基づく選挙人名簿に登録されている者および外国人登録法に基づく外国人登録籍を有する者を対象とすることは可能だと思います。
篠﨑座長 20歳未満の者に発議権等を与える場合も、同様に規定すればよいのか。
小長谷委員 いつの時点で年齢制限をするのか規定の仕方は難しいと思いますが、不可能ではないと
思います。非拘束制の20歳未満の者による住民投票の結果は、あくまでも諮問答申型のひとつの参考として捉えるべきでしょう。また、公職選挙法に基づく選挙人名簿に登録されている者(20歳以上)が選出した市議会との整合性が果たしてとれるのかが疑問です。
田中委員 素案要綱25住民投票(2)の記載のとおり、それぞれの事案に応じ住民投票に参加できる者の資格その他住民投票の実施に必要な事項を個別に住民投票条例を制定して、その中で規定してはどうでしょうか。
日詰委員 諸外国では一般的に、18歳以上に選挙権を与えている。しかし、日本の18歳以上の者に選挙権を与えた場合に、それを行使するかどうかといえば疑問があります。実際、日本の社会はまだそこまで成熟していないと思います。市民の意識レベルが高まるのには、もう少し時間がかかるのではないでしょうか。それを踏まえ、柔軟な対応ができるように、個別に住民投票条例を制定して、その中で規定したほうがよいと思います。
小長谷委員 素案要綱25住民投票(1)は、発議権について、(2)は具体的な取扱い内容について述べていますよね。
高木委員 発議の段階でも資格者を外国籍の方にも適用してはどうでしょうか。
篠﨑座長 例えば、公職選挙法に基づく選挙人名簿に登録されている者および外国人登録法に基づく外国人登録籍を有する者を発議の対象とするというように、両論併記にしますか。
日詰委員 浜松市のように外国籍の方が何万人もおり、人口に占める割合も多い市町村とは違い、外国籍の方が4千人程度の静岡市がどのように変わっていくのかも関係してくるでしょう。
劔持委員 外国籍の方も認める方向でよいと思います。
稲葉委員 この条文では、外国籍の方に発議権を認めても、それを行使する投票権は当然には認めていない。逆に不公平にならないか。
高木委員 長い間、在日の外国籍の方には投票権は認められていない。我々、日本人と同じように生活し、税金も納めているのにおかしいですよね。
劔持委員 素案要綱8まちづくりに関する権利と義務(2)で明記しているにもかかわらず、外国籍の方を認めないのは、矛盾しているのではないでしょうか。
長澤委員 発議に必要な○分の1という具体的な数字の記載は不要ではないか。そのことにより、票集めに終始してしまい、住民参加の本質を見失いがちになる恐れがある。同様のことを地方自治法で規定しているし、記載は不要ではないか。
川口委員 条例の中で規定しなければ、地方自治法に従わなければならず身動きがとれなくなる。
逆に、条例の中で規定さえしておけば、弾力的に対応できるのではないか。市民(20歳未満の者・外国籍の方)が発議権を有していることがわかれば、あえて、○分の1という具体的な数字の記載はなくてもいいと思います。
松村総務部長 発議権を与えて投票権を与えないのは問題があると思います。(市民に対して失礼にあたるのではないか。)
劔持委員 発議権があれば、当然に投票権もあると考えますよね。発議して採択された後に、いざ投票権はありませんでは意味がないと思います。こういう問題が現時点で存在していることを、きちんと市長への提言書の中に盛り込んでもらいたいです。浜松市のように外国籍の方が何万人もいる市町村とは違い、外国籍の方が4千人程度の静岡市では、現時点で規定を設けなくてもさほど影響はないと思います。今後、国際化が進んでいき市全体に占める外国籍の方の割合が増えていけば話は違うでしょうが・・・。
川口委員 外国籍の方の人数の多い少ないにかかわらず、少数でも尊重すべき意見はあると思います。
篠﨑座長 原案どおりとし、附帯意見として外国籍の方についても、発議権を与えるよう検討して欲しい旨を申し添えるということでいかがでしょうか
全 員 (異議なし)
篠﨑座長 それでは次に、検討項目5 その他についての論点を事務局から説明してもらいます。
事務局(加藤) 検討項目5 その他についての論点を3つお話します。
まずひとつめは、(1)「行政は、市民の安全を守る使命があるという言葉が条例に出ていない。」(2)「一人一人の生命をどのように大切にして、安全で安心して暮らせる環境をつくっていくのでしょうか。」という二つのご意見について、素案要綱の前文11行目の「安全で安心して活動できる地域社会を築きあげ・・・」という文面で、すでに表現していると考えますが、あえて本文中で表現する必要があるのかどうか。
ふたつめは、(3)「市民活動には労力、費用、場所などが必要なので、費用に関する規定が必要だ。」というご意見ですが、これについては個別案件につき所管課がそれぞれ規則や要綱で規定すべきものであり、自治基本条例で規定すべきことではないのではないか。という点です。
三つめに、(4)「自立」という言葉が随所にあるが、「自律」も必要だ。というご意見ですが、これを条例に盛り込むべきかどうか。以上三つの論点について委員の皆さんでご検討いただきたいと思います。
篠﨑座長 (1)(2)(3)については、事務局の説明のとおりでよいと思います。(4)「自律」については、言葉そのものは出てこないが、素案要綱の前文14行目の「私たちが自ら考え、自らの責任のもと自ら行動して・・・」という箇所でわかりやすく表現していると考えます。したがって、
あえて「自律」という言葉を盛り込む必要はないと思いますが、いかがでしょうか。
全 員 (異議なし)
篠﨑座長 次に検討項目6 Aさんからの具体的な提案について、事務局から説明をお願いします。
事務局(加藤) Aさんからの具体的な提案についてですが、条例の内容を変えるのではなく、表現をこうしてはどうかというものです。事務局としては、Aさんの意見のよい部分を積極的に提言書の中に取り入れていき、今後の参考にしたいと考えています。
6 今後の日程について
篠﨑座長 次回は、会議を8月23日(月)の午後3時から、静岡総合事務所新館9階の特別会議室で開催したいと思います。
7 閉 会
※ 傍聴人 1名(途中退席)
本ページに関するアンケート
本ページに関するお問い合わせ先
- 企画局 企画課 広域行政係
-
所在地:静岡庁舎新館9階
電話:054-221-1287
ファクス:054-221-1295