静岡市都市計画マスタープラン　第3章　清水区

静岡市都市計画マスタープラン

第3章　区別構想

1. 葵区
2. 駿河区
3. 清水区

3 清水区

区の骨格を形成する拠点と連携軸の形成（将来都市構造）

都市拠点の形成

地域拠点の形成

草薙駅周辺地区地域拠点

JR草薙駅周辺地区は、既存の文教施設等を活かした、高度な文化・レクリエーション機能を維持していくとともに、地区周辺の住宅及び商業等と一体となった拠点形成を図ります。

港湾エリアの形成

連携軸の形成

国土軸

区北部を東西に走り、東名高速道路を補完する機能を担う（都）第二東名自動車道や、区中央を南北に走る（都）清水北部自動車道（中部横断自動車道）は、広域の都市間を連絡し長距離・大量の交通を処理する我が国の新たな国土軸として、早期開通に向けて形成を促進します。

：（都）第二東名自動車道、（都）清水北部自動車道（中部横断自動車道）、東名高速道路

広域都市環状軸

市街地の北部及び南部外縁を東西に走る（都）国道1号バイパス線及び（都）海岸幹線（国道150号）等は、区内からの広域交通を処理しつつ、隣接する葵区及び駿河区との連携を強化する軸として形成を促進します。

：（都）国道1号バイパス線、（都）海岸幹線（国道150号）、（都）清水興津線、（都）清水港三保線　等

多核機能連携軸

都市拠点間を連絡し、それぞれの拠点機能を相互に高めるため、（都）中央幹線（国道1号）等を多核機能連携軸として位置づけ、軸としての形成を促進します。

：東海道本線、静岡鉄道、（都）中央幹線（国道1号）、（都）清水興津線、（都）国道1号バイパス線

東西発展軸

都市拠点間を連絡する多核機能連携軸の補完機能に加え、本区内及び隣接する葵区・駿河区との日常的・社会的な交流活動を支えるため、（主）静岡清水線及び（都）南幹線を東西発展軸として位置づけ、軸としての形成を促進します。

：（主）静岡清水線、（都）南幹線

南北発展軸

東西方向の連携軸を相互に連絡して区内における多様な交通を集散させるほか、都市拠点や港湾エリアへの連絡性を高めるとともに、区内における日常的・社会的な交流活動を支えるため、（都）清水港三保線や（都）清水興津線等を南北発展軸として位置づけ、軸としての形成を促進します。

：（都）清水港三保線、（都）清水興津線、（都）嶺神明伊佐布線、（都）日の出町押切線、国道52号　等

区の産業・経済活力を支えるための土地利用の方針

清水駅周辺～日の出地区

商店街や民間事業所をはじめ、官公庁施設や福祉厚生施設、またアミューズメント・レクリエーション施設等、さまざまな機能を有する施設が多く立地しているJR清水駅周辺から日の出にかけての地区では、土地区画整理事業や市街地再開発事業等による都市機能の更新を積極的に実施するとともに、低未利用地の有効利用・高度利用を図ることにより、ニーズに合致した都市型住宅等の供給による定住人口の回復や、魅力のある商業・業務施設等の集積による交流人口の増加を目指した土地利用に誘導します。

長崎・袖師地区 

• 長崎や袖師周辺地区など、住宅や農地と混在した工業地においては、機械器具製造業のほか、地場産業である木材・木製品製造業の中小工業施設も多く立地しています。
• このような地区においては、地場産業等が果たしてきた経済的・社会的・文化的役割を今後も維持するため、周辺の住環境・自然環境等と生産環境とが調和した土地利用に誘導します。

三保半島～駒越及び有度山南麓部

いちご狩りや枝豆など、付加価値の高い農業生産や観光産業が活発な駿河湾沿岸部の地域においては、今後も引き続き農地を保全し、農産物の安全・安心・安定的供給を図ります。

有度山東麓部及び北部中山間地

茶、みかんなど、全国でも有数の生産地となっている斜面地や中山間地においては、今後も引き続き農地の保全・中山間地の機能維持により、農産物の安全・安心・安定的供給を図ります。

区の都市交通の方針

主要な交通結節点の方針

区の中心となる結節点

（JR清水駅）

• 交通渋滞等の問題も抱えているJR清水駅西口周辺においては、土地区画整理事業等の基盤整備事業により駅前広場の整備や歩行者空間のバリアフリー化を推進し、交通処理の円滑化及び機能強化を図ります。
• 歩行者等の駅前空間における歩行性及び駅での乗り継ぎ利便性の向上を図るため、駅周辺においてトランジットモールの導入について検討します。
• JR清水駅東口では土地区画整理事業の推進により、東口駅前広場の機能を高めるとともに、臨海部との連携を強化し、海上交通との新たなネットワーク形成等を検討します。

区の副次的結節点

（JR草薙駅）

駅前広場等の未整備により、駅利用交通のほとんどが南口に集中するといった問題を抱えているJR草薙駅北口においては、駅前広場の整備や歩行者空間のバリアフリー化を推進し、駅利用交通の分散化と交通の円滑化を図り、交通結節点としての機能強化を図ります。

（静岡鉄道新清水駅）

主に歩行者や自転車利用者が多い静岡鉄道新清水駅では、自転車駐輪場の整備や周辺歩行者空間のバリアフリー化等の推進によって交通の円滑化を図り、交通結節点としての機能強化を目指します。

交通網の方針

公共交通機能を担う道路の整備方針（主要なバス通りの方針）

主要なバス路線においてバスレーンの設置や公共車両優先システム（PTPS）の導入を検討します。

交通網整備上の重点

自動車交通等のネットワーク強化を図るため、市街地内における都市計画道路等の整備を推進します。特に有度地区においては、鉄道や広幅員道路による市街地の分断を解消するための道路整備、また三保地区においては、三保半島の半島地形に起因する交通渋滞の解消等を目指した道路整備を推進します。

区の都市環境の方針

公園緑地の方針

日本平公園整備

有度山山頂部に位置する日本平公園については、有度山の豊かな自然を十分に活かしつつ、観光レクリエーション等、多目的な機能を有する拠点としての整備を推進します。

海洋レクリエーション拠点整備（三保・興津）

• 三保地区においては、豊かな自然資源を保全しながら海との結びつきを強め、海とのふれあいや美しい景観と調和した海洋レクリエーションを中心に、文化・教育の側面も併せ持った海洋文化交流拠点としての整備を推進します。
• 興津地区の沿岸部においては、自然環境を創り出すことにより海との結びつきを強め、海辺の空間を活かした市民に親しまれる親水空間としての整備を推進します。

自然環境の方針

北部山間地の保全

本区の北部に位置し広大で豊かな自然資源を有する北部山間地については、レクリエーション等の場としての活用を図りつつ、本区のみならず本市の骨格的な自然環境を形成する地域として保全を図ります。

有度山東麓の保全

日本平県立自然公園としての指定を受けている有度山東麓部については、既存の公園等施設の維持を図りながら、今後も引き続き自然公園としての保全・利活用を図ります。

区の市街地整備、防災の方針

市街地整備、再開発の方針（都市再開発方針案）

再開発促進地区

• 一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき地区を再開発促進地区として設定します。
• 商業・業務機能及び交通結節機能、また観光交流機能の強化を図りつつ、建築物の不燃化等、都市防災の強化による災害に強いまちづくりを進めます。

《検討対象地区》

• 清水中心市街地（JR清水駅周辺地区）
• 清水中心市街地（清水区役所周辺地区）
• JR草薙駅南口地区

戦略的地区

• 再開発の実施の効果が高いと思われる地区を戦略的地区として設定します。
• 地域生活の拠点や骨格的な市街地の形成、また良好な景観形成や歴史的背景を活かした整備を図るとともに、建築物の不燃化等、都市防災の強化による災害に強いまちづくりを進めます。

要整備地区

• 改善型市街地等において、整備課題が重層あるいは緊急性が高いと判断される一体の地区として設定します。
• 狭あい道路等の改善など、都市基盤の整備にあわせて住環境の改善を図るとともに、建築物の不燃化等、都市防災の強化による災害に強いまちづくりを進めます。

防災の方針

地震対策

• 発生が予想される東海地震等への対策として、身近な避難路・避難地の確保や防災活動拠点ともなる幹線道路・都市公園等の整備、建築物や公共施設の耐震・不燃化など、市街地の面的な防災構造化を図ります。
• 地震時における交通障害を防止し、迅速な復旧活動を支援するため、緊急輸送路やヘリポート等の整備促進を図ります。

災害救援対策

緊急物資の集積や輸送など、清水港の災害救援活動拠点としての機能を強化するため岸壁の耐震化などの整備を促進します。

河川の治水対策

総合的な治水対策として、河川、水路の改修、大内遊水地の整備促進をはじめ、雨水貯留施設や浸透施設等の設置及び普及により、治水安全度の向上及び浸水地域の解消を図ります。

津波対策

• 海岸地域を津波等から防護するために、海岸施設の整備を促進し、被害防止に努めます。
• 迅速な避難活動により、津波から人命を保護するために、安全な地域への避難路を確保します。
• 津波災害による人的被害を最小限に食い止めるため、津波浸水予想区域内の堅牢な建物等を津波避難ビルとして指定します。また、指定施設に対しては、津波避難ビルを示す標識の設置を推進します。

急傾斜地崩壊対策

がけ崩れ災害により人命を保護するための急傾斜地崩壊危険区域の指定を推進し、崩壊防止工事等の積極的な促進を図ります。

土砂崩れ、地すべり対策

• 大雨時のがけ崩れ、地すべり等を予防する治山事業として、植林事業や保安林改良事業等の積極的な促進を図ります。
• 都市山麓グリーンベルト整備構想を推進することにより、土砂災害に対する安全性を高め、緑豊かな都市環境と景観保全を図ります。

山間地孤立防止対策

山間地域における集落等の、災害時における孤立防止を検討します。

区の都市景観の方針

都市景観の方針

都心における個性ある景観の形成

JR清水駅周辺の商業・業務地やJR草薙駅周辺の生活拠点商業地においては、歩行者空間や沿道建築物の修景整備を進め、地域の特性を活かした彩りを持つ魅力あるまちなみ景観の創出を図るとともに、地域の祭りやイベント等を楽しむ景観として活用を図ります。また「景観形成重点地区」である日の出地区の景観形成を推進します。

みなと色彩計画の推進

清水港においては、工業施設等の人工景観と富士山等の自然景観が調和し、個性的で魅力的な美しい景観を形成するため、みなと色彩計画を推進します。なお、計画推進にあたっては港湾関連企業の理解を得ながら、市民参加による景観づくりに努め、快適な職場環境と親しみのある環境の両立を図ります。

自然・緑地景観の保全と活用

• 三保海岸や有度山などの自然を守るとともに、水辺景観としての活用や市街地の背景を構成する景観としての活用を図ります。
• 三保半島や有度山などから富士山を望む良好な景観は、眺望景観として活用します。
• 巴川や興津川などの豊かな自然を保全し、市街地を流れるシンボル河川として水辺景観を活用した河川景観軸の形成を図ります。
• 市街地周辺に見られる田畑やみかん園等の農地は、市民に身近な緑を提供する貴重な緑地景観として活用を図ります。
• 中山間地に見られる茶園等の農地は、集落地の情景を醸し出す要素として活用を図ります。

芸術や文化が薫る景観の形成

有度山における文化レクリエーション拠点の形成に際しては、県立美術館や大学等の文教施設周辺を含め、学習環境を育む豊かな自然を活かした景観の形成を図ります。

清水区　区別構想図

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情報作成日　2006年2月1日