松尾由希子氏
松尾:教育委員会の取組について、望月教育統括監から伺った話を紹介させていただきます(当初登壇を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症対応のためコメントを頂きました)。
まず学校というのは、男子女子の枠組みが使用されてきた歴史があり、なかなか性の多様性というところまでは意識が及んでいないという現状がありますが、近年は市内の小中学校において、保護者や児童生徒から性の多様性に関する相談が出始めています。教育委員会や学校では、保護者、子どもたち、専門家等と対応を相談するケースが出てきています。例えば、戸籍上は女子であるけれども、中学進学後の性自認に合わせた制服やトイレについての相談等があります。このようなケースが学校で取り上げられるようになり、性の多様性の問題が市内全校でようやく意識されるようになっている実態があるようです。このような背景があり、今、教育委員会で実施し、今後も継続したいという、2つの取組についてご紹介いただいています。
1つは、全教職員に対するeラーニング研修です。教育委員会は、静岡大学の研究者や当事者支援団体のしずおかLGBTQ+と連携し、実態の把握を行い、それを踏まえてeラーニング教材を作成しました。それを昨年度と今年度に実施し、来年度も継続して実施したいとのことです。eラーニングは3つの視点があり、まず1つ目は、「性の多様性についての基礎的な知識を得る」ということ、2つ目は、「当事者である子どもたちへのいじめや不登校の問題などの対応を考える」、3つ目は、「LGBTに関する専門的な知識を持つ他機関との連携の方法を知る」ということです。
2つ目は、私も関わっていますが、教員研修を充実させるという視点です。性の多様性研修ということで昨年から始まり、来年度の実施も決まっています。今年度の実施について、受講者の満足度は非常に高かったという結果が出ており、「基礎知識についてすぐに理解するのは難しいけれども、図や事例を交えての講義だったため、理解が進んだ。」、「支援を必要とする子どもへの対応については、LGBT特有のポイントを押さえたうえで、子どもに寄り添った日ごろの指導でよいという話を聞いて安心した。」等の声がありました。また、校内研修に取り入れたいと感じた先生方もいらっしゃったようです。
今、2つの取組について紹介しましたが、子どもたちから先生に相談があったとしても、学校は先生とその子どもだけで成り立っている訳ではないので、性の多様性について知っておくことが必要になります。そこで、望月先生に性の多様性に関する授業の実施状況などをお聞きしたところ、「性の多様性については、人権教育の中で扱われることが多い。人権教育では外国人、障がい者など様々な観点があり、性の多様性についてもその一つとして対応しているため、なかなか深く掘り下げられない。」、「必要とは認められるが、どのように授業に位置付けていくのかは、各学校に委ねている。」、そして、「現在、中学校や小学校高学年で取り上げられていることが多いが、教育委員会としては、低学年のうちから意識づけが必要なので、低学年のうちから取り組んだ方が良いのではないか。」と考えているとのことです。保護者についても、PTAの研修会などを挙げられています。
まず学校というのは、男子女子の枠組みが使用されてきた歴史があり、なかなか性の多様性というところまでは意識が及んでいないという現状がありますが、近年は市内の小中学校において、保護者や児童生徒から性の多様性に関する相談が出始めています。教育委員会や学校では、保護者、子どもたち、専門家等と対応を相談するケースが出てきています。例えば、戸籍上は女子であるけれども、中学進学後の性自認に合わせた制服やトイレについての相談等があります。このようなケースが学校で取り上げられるようになり、性の多様性の問題が市内全校でようやく意識されるようになっている実態があるようです。このような背景があり、今、教育委員会で実施し、今後も継続したいという、2つの取組についてご紹介いただいています。
1つは、全教職員に対するeラーニング研修です。教育委員会は、静岡大学の研究者や当事者支援団体のしずおかLGBTQ+と連携し、実態の把握を行い、それを踏まえてeラーニング教材を作成しました。それを昨年度と今年度に実施し、来年度も継続して実施したいとのことです。eラーニングは3つの視点があり、まず1つ目は、「性の多様性についての基礎的な知識を得る」ということ、2つ目は、「当事者である子どもたちへのいじめや不登校の問題などの対応を考える」、3つ目は、「LGBTに関する専門的な知識を持つ他機関との連携の方法を知る」ということです。
2つ目は、私も関わっていますが、教員研修を充実させるという視点です。性の多様性研修ということで昨年から始まり、来年度の実施も決まっています。今年度の実施について、受講者の満足度は非常に高かったという結果が出ており、「基礎知識についてすぐに理解するのは難しいけれども、図や事例を交えての講義だったため、理解が進んだ。」、「支援を必要とする子どもへの対応については、LGBT特有のポイントを押さえたうえで、子どもに寄り添った日ごろの指導でよいという話を聞いて安心した。」等の声がありました。また、校内研修に取り入れたいと感じた先生方もいらっしゃったようです。
今、2つの取組について紹介しましたが、子どもたちから先生に相談があったとしても、学校は先生とその子どもだけで成り立っている訳ではないので、性の多様性について知っておくことが必要になります。そこで、望月先生に性の多様性に関する授業の実施状況などをお聞きしたところ、「性の多様性については、人権教育の中で扱われることが多い。人権教育では外国人、障がい者など様々な観点があり、性の多様性についてもその一つとして対応しているため、なかなか深く掘り下げられない。」、「必要とは認められるが、どのように授業に位置付けていくのかは、各学校に委ねている。」、そして、「現在、中学校や小学校高学年で取り上げられていることが多いが、教育委員会としては、低学年のうちから意識づけが必要なので、低学年のうちから取り組んだ方が良いのではないか。」と考えているとのことです。保護者についても、PTAの研修会などを挙げられています。