空き家
住宅政策課空き家対策係から市民の皆様へ
年間100件を超える管理不全な空き家に関する悲痛な相談を市民の皆様からいただいている現状を目の当たりにし、私たちは、空き家が原因の迷惑や不安を感じずに市民の皆様が安心、快適に暮らすことができるようにしていきたいという思いから業務に取り組んでいます。
これまでの管理不全な空き家の相談状況を分析すると、「空き家の所有者等が誰で、どこにいるかわからない」ことからご近所や地域の方が市に対して相談したもので、その内容の7割ほどが「草木の繁茂」が原因の、空き家の所有者等の「管理のうっかり」によるものでした。市から空き家の所有者等に「管理の指導」を行うと、多くの方が謝罪ののちに速やかに状況の改善に着手してくれます。
このことから、管理不全な空き家の問題には、空き家の所有者等が遠方にお住まいや高齢でなかなか管理が行き届かないなどといった空き家の管理に関する課題と、空き家の様子を気軽にご近所に聞くことができない、報告できない状態になってしまったご近所付き合いの希薄化に関する課題があるのではないかと考えました。
そこで、静岡市では二つの取組を中心に据えていきます。
一つ目は、空き家所有者等と地域とで連絡先の共有を呼びかけていきます。空き家の所有者等と連絡が取れないことが、近隣住民の不安を拡大させます。空き家の所有者等と地域が連絡先を共有できれば、誰が管理しているかわからないという不安が解消でき、空き家に管理不全な箇所が生じた際には、空き家の所有者等に直接伝えることができます。このように、『空き家版顔の見える付き合い』の機運を高めていただくことで、地域の空き家トラブルの減少につながると考えています。
二つ目は、「草木の繁茂」に対して、空き家の所有者等の負担を抑えながら点検する仕組みをつくりましたので、空き家の所有者等に利用を呼び掛けていきます。相談の7割ほどを占める「草木の繁茂」による「管理のうっかり」の未然防止と早期解消を、民間事業者の力を借りながら取り組んでいきます。この『お庭の草木の無料点検』は、まず利用して便利さを実感していただき、二回目以降も継続して利用していただきたいと考えています。これにより、空き家の所有者等の空き家を手放すまでの空き家管理に対する意識向上につなげていければと考えています。
『空き家版顔の見える付き合い』と『お庭の草木の無料点検』という二本の柱を中心とした『静岡型空き家対策』を推進し、空き家問題の啓発や空き家の利活用など、すべての空き家対策事業において、空き家の所有者等や空き家周辺のお住まいの方に寄り添って対応していきます。
静岡市都市局建築部住宅政策課 空き家対策係