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更新日:2024年2月15日
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由比のお太鼓祭
静岡県指定無形民俗文化財 平成10年11月17日指定
由比のお太鼓祭りは、威勢よく太鼓をたたき地域をねり歩く漁師町ならではの荒々しい祭りです。かつては青年が祭りの中心で、青年団への加入、脱退のお披露目など通過儀礼的な意味合いも、もちあわせていました。
しかし、若者が減少した現在では、保存会と若手伝承者で組織する豊積会が協力し合いながら行事を継承しています。
現在祭りは、1月1日のみ行われますが、以前は1月1日から3日未明にかけて行われていました。元旦のお昼頃、豊積神社の拝殿に集合し、村内巡行へと出発する「渡り初め」。新築や結婚、出産など祝い事のあった家に太鼓を入れて祝福する「入れ太鼓」。そして祭りの最後に褌一枚になった若者たちが太鼓を担ぎ、清めの水を浴びながら、激しく打ち鳴らす「送り太鼓」。神が宿る太鼓のひびきと道中でうたう祭り唄の歌声が、新年を迎えた由比の町並みにこだまします。
基本情報
【保存団体】豊積神社 お太鼓祭り保存会
【実施日】1月1日
【会場】豊積神社(清水区由比町屋原)
【アクセス】JR由比駅から徒歩20分
~みどころ~
祭りのクライマックス、「送り太鼓」もよく知られたこの祭りのみどころですが、ここでは、祭り唄を紹介したいと思います。
お太鼓祭りでは、渡り初め・道中・入れ太鼓・送り太鼓、それぞれの場面で独特な節回しをもった唄が歌われます。
七・七・七・五調の甚句系の唄で、音頭取りの唄に続いて周りの人々が唱和します。かつては500を超える唄があり、練り歩く場所で決められた役歌もあったそうです。
この唄の魅力は、何と言っても音頭取りの歌声にあるといえるでしょう。こぶしを聞かせた味わい深い声の音頭取りが登場すると、若者の唱和する声も自然と活気づきます。皆さんも熟練の音頭取りが発するいぶし銀の歌声を、ぜひ聴いてみてください。