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更新日:2026年2月5日
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史跡小島陣屋跡の見どころと整備工事
小島陣屋跡の見どころ
小島陣屋跡の見どころを紹介します。
見学の際には、本ページと史跡小島陣屋跡見どころマップをご利用ください。
整備工事の状況により、一部立ち入りを制限している場合がありますので、見学の際はご注意ください。
御殿 書院(ごてん しょいん)

藩主が政治と生活を行った陣屋の中心的な建物を御殿といいます。そのなかでも藩主が居た書院部分が現存しています。廃藩後、小学校の校長室として使われた後、昭和3年(1928)の小学校移転に伴い、国道沿いに移築され、公会堂として利用されました。史跡整備にともなって移築復原工事を行い、令和6年11月に陣屋の元の位置に戻し、幕末の姿に復原しました。柱や天井板など、江戸時代から残存していた部材を約8~9割使用しています。建物の南側と西側の屋根の一部には元の江戸時代の瓦を使い、その他は江戸時代の瓦を型取りして同じ瓦を製作しました。この建物は、市の有形文化財に指定されています。
大手門跡(おおてもんあと)

陣屋の正門にあたる門の跡です。発掘調査で門の礎石(そせき)や礎石を据えた跡(小さな石を集め固めた跡)が見つかっています。遺構の配置から、3間3戸(または2戸)の薬医門で、柱間は18尺(約5.45m)と推定されます。大手道を上ってこの大手門を通り、左に曲がって主郭石段を通って御殿に向かうのが、陣屋の正式なルートだったと考えられます。
桝形虎口(ますがたこぐち)

敵が侵入しにくいよう左右に折れ曲がる構造になっています。発掘調査では、この通路の中央に幅80㎝の石畳が敷かれているのが発見されています。石垣と並びこの桝形虎口があることは、戦うための施設でもない小島陣屋が、城と同じ特徴をもっていることを示しています。
大手石垣(おおていしがき)

大手道には、高さが4mに達する石垣があります。石垣は、中腹より上は石同士の隙間が無いように加工して積み上げ、中腹より下は石の隙間が目立ち、石の加工や積み方が異なります。下は安政地震(1854)後の積み直しの可能性が高いと考えられます。中腹より上にある出隅(でずみ。石垣の角)は反りがみごとで、中でも注目のスポットです。大手道は昭和時代以降畑として使われていたため、大きな段に改変されていますが、発掘調査では平らな石を並べた階段であったことがわかっています。史跡整備では石段のある大手道に復元する計画です。
主郭石垣(しゅかくいしがき)

陣屋の中心となる平坦地(主郭)を囲む石垣です。陣屋造営時に造られた部分が多く残っています。石を隙間が無いよう丁寧に加工する「切込接ぎ(きりこみはぎ)」という技法が使われているほか、場所によって石を斜めに並べて谷間を埋めるように積む「落し積み」や、石の大きさや目地がそろわない「乱積み」などの積み方を見ることができます。
小島陣屋跡で見られる様々な石垣
小島陣屋には様々な石の加工、積み方の石垣があります。主郭と大手の石垣は江戸時代の陣屋築造時に造られた可能性がありますが、江戸時代中にも積み直された可能性があり、それ以外の石垣も江戸時代あるいはそれ以降に積み直されたことで、バラエティーのある石垣になったと考えられます。
石垣が積まれたのは、大きく(1)陣屋が造られた時代、(2)安政の大地震後、(3)明治時代以降が考えられますが、今残っている石垣の正確な年代はわかっていません。

石垣の積み方には他に、石の長辺と短辺を交互に積む「算木積み」(隅石の積み方)、石を斜めに交互に積む「落し積み」(又は「谷積み」)、斜め向きの石を揃えて並べ交互に積む「矢羽積み」などがあります。

色々な積み方の石垣
切込み接ぎ・算木積み(大手、主郭南面の石垣など)

落し積み(大手、主郭南面の石垣など)

乱積み(桝形虎口、大手、主郭南面の石垣など)

矢羽積み(主郭南東部の石垣など)
ここに注目!小島陣屋の石垣
大手石垣の反りと算木積み

大手の出隅は算木積みと反りを持ち、まさにお城の石垣のようです。
魅せる石垣

石垣には遊び心が感じられる「笑い積」や「八つ巻き」と呼ばれる積み方があります。「笑い積」は、大きな石の周りを比較的小さな石で囲み、口を開けて笑っているように見える積み方で、「八つ巻き」は、大きめの石の周囲を8つの石で囲む積み方です。
小島陣屋跡の大手道の南正面には、小型ですが円形の特徴的な石があります。また、大手石垣では8つや7つの石で囲まれた石が見られます。ぜひ探してみて下さい。
参考:三浦正幸『図説 近世城郭の普請 石垣編』 原書房 2024年4月
井戸

直径1.1mの楕円形の井戸跡が残っています。現在水はありません。発掘調査の結果、井戸の東側から南側の御殿に向かって延びる平石を敷いた通路が見つかりました。御殿での炊事などで使われていた可能性が考えられます。
整備工事の今をお伝えします
令和4年度(2022)から、史跡整備工事に本格的に着手しました。整備工事の様子をタイムリーにお伝えします。また、工事の進ちょくによって立ち入りを制限することがありますので、ご理解ご協力をお願いします。
史跡整備工事と便益施設の工事
令和7年度は駐車場にトイレ棟を建設しています。トイレ棟は男女多目的トイレと掲示板を設置します。トイレは令和8年4月から使用できる予定です。

建築中のトイレ棟
史跡整備工事とは別に、陣屋東側斜面の復旧・安全対策工事を行っています。ここは、令和4年台風15号によって土砂崩れの被害がありました。令和7年度中に工事が完了します。

工事中の史跡東側急傾斜地
整備工事のこれから
令和8年度は陣屋東側斜面の隣、馬場跡の整備工事を行います。ここは陣屋の大手口にも当たるため、陣屋の説明板も設置します。また、駐車場の舗装工事を行います。
整備工事は令和11年度(2029)に完成する予定です。
- 令和4年度 陣屋主郭造成、駐車場(下半分)整備、御殿書院移築復原工事(1年目)
- 令和5年度 御殿書院移築復原工事(2年目)
- 令和6年度 御殿書院移築復原工事(3年目)
- 令和7年度 トイレ(便益施設)建設
- 令和8年度 馬場跡整備、駐車場(上半分)
- 令和9年度 大手道整備
- 令和10年度 主郭整備(御殿跡表示)・多目的広場整備
- 令和11年度 四阿(あずまや)設置
- 注意:工事の予定は変更することがあります。