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更新日:2024年12月3日
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清水が生んだ彩色木彫の名匠「平野富山常設展」
清水が生んだ彩色木彫の名匠平野富山(ひらのふざん)。
平成元(1989)年に、ご遺族から旧清水市に寄贈された平野富山作品(彩色木彫35点、塑造等約35点、書2点と収集品(富山コレクション)454点から厳選し、清水文化会館マリナート1階ギャラリー隣常設展示コーナーでご紹介しています。
常設展示のご案内
常設展示コーナーでは、年に数回展示替えを行い、テーマを設けて富山作品の魅力をお届けしています。
(常設展示コーナーの写真撮影はご遠慮下さい。)
お知らせ
現在の展示(令和6年11月~令和7年2月)
テーマ:富山のお雛様
【出品リスト】
No. | 作家名 | 作品名 | 制作年 | 技法・材質 | 所蔵 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 平野富山 | 三輪雛 | 昭和52年~平成元年頃 | 木、彩色 | 静岡市 |
2 | 平野富山 | 吉野雛 | 昭和40年代前半~51年頃 | 木、彩色 | 静岡市 |
3 | 平野富山 |
親王雛 |
昭和40年代前半~51年頃 |
木、彩色 | 静岡市 |
4 | 平野富山 | 扇面散らし文様欄間 | 木 | 静岡市 | |
5 | 平野富山 |
裸婦 ※原型は第2回新日展出品作 |
昭和34年 ※FRPは没後制作 |
FRP |
静岡市 |
6 | 平野富山 |
黙視 ※原型は63回太平洋展出品作 |
昭和42年 ※FRPは没後制作 |
FRP | 静岡市 |
のぞきケース
No. | 作品名 | 制作年代 | 産地 | 所蔵 |
---|---|---|---|---|
7 | 白磁碗 | 清代 | 中国南部 | 静岡市/平野富山コレクション |
8 | 白磁印花文皿 | 江戸中期 | 有田 | 静岡市/平野富山コレクション |
9 | 青花花卉文合子 | 黎朝 | ベトナム | 静岡市/平野富山コレクション |
No.7~15すべて岡本欣三、静岡市
平野富山常設展では、静岡市美術館の学芸員が、平野富山の作品の魅力を伝えるため、所蔵作品の中から、展示替ごとに様々なテーマを設定して展示を行っています。
皆さまもぜひ、お近くにお立ち寄りの際は、平野富山の世界を様々な角度から堪能してみてください♪
平野富山《福寿恵比須尊像》
【昭和52年~平成元年頃】木、彩色(静岡市)
平野富山《福寿大黒天尊像》
【昭和52年~平成元年頃】木、彩色(静岡市)
令和6年7月~令和6年10月展示作品リスト(PDF:1,129KB)
屋外展示のご案内
静岡市清水文化会館マリナートでは、屋外でも富山作品をお楽しみいただけます。
本展示とご一緒にぜひご覧ください。
平野富山について
静岡県庵原郡江尻町(現・静岡市清水区江尻東)出身の平野富山(ひらのふざん、1911~89)は、近代日本を代表する彩色木彫家の一人です。
木彫界の巨匠・平櫛田中(ひらくしでんちゅう、1872~1979)から信頼をおかれ、代表作「鏡獅子」(東京国立近代美術館蔵)の彩色はもちろん、多くの田中作品の彩色を富山が手がけています。
富山は人形師・池野哲仙(いけのてっせん、1880~1936)のもとで学んだ確かな彫技と彩色技術により、能や歌舞伎、神仏などの伝統的な主題から今日的な女性像まで、まさに超絶技巧とも言うべき作品を生み出します。
また齋藤素巖(さいとうそがん、1889~1974)に西洋彫刻も学び、日展を中心に活躍しました。
平野富山略年譜
明治44年(0歳) | 3月7日静岡県庵原郡江尻町(現・静岡市清水区江尻東)に平野芳太郎・なおの三男として生まれる。本名は冨三(号は富世、銕国、敬吉、富山)。 |
大正15/昭和元年(15歳) | 清水市江尻尋常高等小学校(現・静岡市立清水江尻小学校)卒業。 静岡市内(現・静岡市葵区)の指物所のほか様々な職を経験。 |
昭和3年(17歳) | 彫刻を志し上京。池野哲仙の内弟子となり彩色木彫を学ぶ。富世の号を使用。 |
昭和11年(25歳) |
平櫛田中、哲仙とともに「春興鏡獅子」の舞台姿を研究。 |
昭和12年(26歳) | 横川まさと結婚。人形研究団体・日本人形社に加わり昭和16年(1941)まで銕国銘で彩色木彫を出品。東京市駒込坂下町(現・文京区千駄木)に住む。 |
昭和16年(30歳) | 構造社研究所に入所し齋藤素巖に師事、西洋彫刻を学ぶ。 第1回白鳳会展に彩色木彫を出品し昭和36年(1961)頃まで銕国銘で継続。 |
昭和17年(31歳) | 構造社第15回展に初出品。この時より西洋彫刻において敬吉銘を使用。第5回新文展に《女》を出品し初入選、翌年も出品。 |
昭和21年(35歳) | 東京都日暮里町(現・荒川区西日暮里)に住む。 |
昭和24年(38歳) | 日展に出品を再開。 |
昭和27年(41歳) | 土産物・玩具制作などを行う三美工藝合資会社を設立。(昭和48年(1973)平野彫刻研究所に移行) |
昭和28年(42歳) | 第9回日展入選。以後連続入選。 |
昭和31年(45歳) | 第12回日展に《若人》を出品し特選。 |
昭和33年(47歳) | 平櫛田中《鏡獅子》(東京国立近代美術館蔵)の彩色を行う。 |
昭和34年(48歳) | 第2回新日展に《裸婦》を出品し特選。第7回日彫展に初出品、以後継続。 |
昭和37年(51歳) | 第58回太平洋展に《現》を出品し文部大臣奨励賞。太平洋展会員となる。 |
昭和38年(52歳) | 日展会員となる。大山阿夫利神社にブロンズ像《権田直助翁》を奉納。 |
昭和41年(55歳) | 彫刻研修のため、昭和44、46年(1969,71)と三度欧州各国の美術館を見学。 |
昭和44年(58歳) | 川崎大師平間寺に《稚児大師尊像》、大山阿夫利神社にブロンズ像《内山翁之像》を奉納。 |
昭和47年(61歳) | 彩色木彫による初個展を開催。 |
昭和52年(66歳) | この頃、号敬吉を富山に改める。寒川神社に《神馬》を奉納。 |
昭和54年(68歳) | 寒川神社に《猿》、清水湊実相寺に《無量寿塔》を奉納。 |
昭和56年(70歳) | 『平野富山木彫作品集』(講談社)刊行。日展審査員を務める。 |
昭和57年(71歳) | 故郷での個展「平野富山木彫展」(旧・清水市民文化会館)を開催。日展評議員となる。 |
昭和58年(72歳) | 平野富山後援会が発足。 |
昭和60年(74歳) | 「平野富山彩色木彫回顧展」(駿府博物館)を開催。 |
昭和61年(75歳) | 高野山福智院に《孔雀明王》を奉納。 |
昭和63年(77歳) | 川崎大師平間寺に《稚児大師尊像(レリーフ)》を奉納。 |
昭和64/平成元年(78歳) | 6月22日、肺癌で死去。清水市(現・静岡市)に作品が寄贈される。 |
会場のご案内
清水文化会館マリナート1階ギャラリー隣
〒424-0823静岡市清水区島崎町214電話054-353-8885
【開館時間】午前9時から午後10時まで
【休館日】毎週月曜(休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月28日から1月4日まで)
(注記)その他、臨時に休館することがあります。
アクセス
【電車の場合】
- JR清水駅みなと口(東口)下車、徒歩約3分(清水駅自由通路直結)
(JR東海道線静岡駅-清水駅間・約11分) - 静岡鉄道新清水駅下車、徒歩約10分
(静岡鉄道静岡清水線新静岡駅-新清水駅間・約20分)
【お車の場合】
- 東名高速道路清水ICより自動車で約10分
(注1)現地には、一般来場者用駐車場はございません。隣接の清水駅東口駐車場、日の出パーキング等、周辺の有料駐車場をご利用ください。
(注2)一般来場者駐輪場はございません。隣接する清水駅東口駐輪場(有料)をご利用ください。