印刷

ページID:49767

更新日:2025年2月17日

ここから本文です。

静岡市有料老人ホーム設置運営指導指針

目次

1 用語の定義

2 基本的事項

3 設置者

4 立地条件

5 規模及び構造設備

6 既存建築物等の活用の場合等の特例

7 職員の配置、研修及び衛生管理

8 有料老人ホーム事業の運営

9 サービス等

10 事業収支計画

11 利用料等

12 契約内容等

13 情報開示

14 設置後の報告等

老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条第1項に規定する有料老人ホームの設置・運営に関して、静岡市の指導指針については以下のとおり定める。

1 用語の定義

この指導指針において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 有料老人ホーム 老人福祉法第29条第1項に規定する施設

二 有料老人ホーム事業 老人を入居させ、次のイからニまでのいずれかをする事業

イ 入浴、排せつ又は食事の介護

ロ 食事の提供

ハ 洗濯、掃除等の家事の供与

ニ 健康管理の供与

三 サービス付き高齢者向け住宅 高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号)第5条第1項の登録を受けている高齢者向けの賃貸住宅又は有料老人ホーム

四 サービス付き高齢者向け住宅事業 高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条第1項の規定に基づき、高齢者を入居させ、状況把握サービス、生活相談サービスその他の高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスを提供する事業として登録を受けている事業

五 設置者 有料老人ホームの設置者(複数の事業者が協同して有料老人ホーム事業を運営する場合の各事業者及び委託を受けた事業者を含む。)

六 管理者 職員の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行う立場にある者(有料老人ホームの施設長、サービス付き高齢者向け住宅の責任者など、その呼称に関わらない)

七 特定施設入居者生活介護等 次のイ、ロ及びハに掲げるサービス

イ 介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第11項に規定する特定施設入居者生活介護

ロ 介護保険法第8条第20項に規定する地域密着型特定施設入居者生活介護

ハ 介護保険法第8条の2第11項に規定する介護予防特定施設入居者生活介護

八 介護サービスを提供する有料老人ホーム 次のイ及びロに掲げる有料老人ホーム

イ 特定施設入居者生活介護等を提供する有料老人ホーム

ロ 設置者が、介護サービス(介護保険法第40条に規定する介護給付又は同法第52条に規定する予防給付に係る介護サービス以外の介護サービス)を提供する有料老人ホーム

2 基本的事項

有料老人ホームの事業を計画するに当たっては、次の事項に留意すること。

(1)有料老人ホーム経営の基本姿勢としては、入居者の福祉を重視するとともに、安定的かつ継続的な事業運営を確保していくことが求められること。特に、介護サービスを提供する有料老人ホームにあっては、より一層、入居者の個人としての尊厳を確保しつつ福祉の向上を図ることが求められること。

(2)老人福祉法の帳簿の作成及び保存、情報の開示、権利金等の受領の禁止並びに前払金の保全措置及び返還に関する規定を遵守するとともに、入居者等に対し、サービス内容等の情報を開示するなどにより施設運営について理解を得るように努め、入居者等の信頼を確保することが求められること。

(3)本指針を満たすだけでなく、より高い水準の施設運営に向けて努力することが期待されること。

なお、消防法(昭和23年法律第186号)に基づく所轄消防署の指導は、建築基準法上の用途にかかわらず、有料老人ホームとして指導を受けること。

(4)特定施設入居者生活介護等の事業者の指定を受けた有料老人ホームにあっては、本指針に規定することのほか、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)、「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第34号)又は「指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」(平成18年厚生労働省令第35号)のうち当該施設に該当する基準を遵守すること。

(5)高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針(平成21年厚生労働省・国土交通省告示第1号)の五の4「高齢者居宅生活支援サービスの提供」を参考に、特定の事業者によるサービスを利用させるような入居契約を締結することなどの方法により、入居者が希望する医療・介護サービスを設置者が妨げてはならないこと。

(6)都市計画法(昭和43年法律第100号)による開発許可又は建築許可申請が必要な場合にあっては当該申請を行う前、開発許可対象外の場合にあっては建築基準法(昭和25年法律第201号)に基づく建築確認の申請を行う前から、静岡市と十分な事前協議を行うこと。

(7)建築確認後速やかに、有料老人ホームの設置を行う前に、市長に、老人福祉法第29条第1項の規定に基づく届出を行うこと。

(8)市長への届出後(サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けている場合は、登録後)に入居募集を行うこと。

(9)本指針に基づく指導を受けている場合は、本指針の遵守に向け計画的に運営の改善を図ること。

(10)公益社団法人全国有料老人ホーム協会への入会及び同協会に設けられている有料老人ホーム入居者生活保証制度の加入について十分配慮すること。

(11)サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けているものにあっては、3、4、5、6及び10の規定は適用せず、高齢者の居住の安定確保に関する法律第7条第1項に定める登録基準によること。

3 設置者

(1)設置者は、老人福祉施設の場合と異なり、地方公共団体及び社会福祉法人に限定されるものではないこと。

(2)定款、寄附行為その他の当該法人の規約に、事業内容として有料老人ホーム事業が明記されていること。

(3)公益法人にあっては、有料老人ホーム事業を行うに当たって主務官庁の承認を得ていること。

(4)事業を確実に遂行できるような経営基盤が整っているとともに、社会的信用の得られる経営主体であること。

また、安定した経営を維持するために、会計監査人(公認会計士又は監査法人)による外部監査を積極的に導入していることが望ましい。

(5)個人経営でないこと。また少数の個人株主等による独断専行的な経営が行われる可能性のある体制でないこと。

(6)他業を営んでいる場合には、その財務内容が適正であること。

(7)役員等の中には、有料老人ホーム運営について知識、経験を有する者等を参画させること。さらに、介護サービスを提供する有料老人ホームの場合は、役員等の中に高齢者の介護について知識、経験を有する者を参画させるなど介護サービスが適切に提供される運営体制が確保されていること。

4 立地条件

(1)入居者が健康で安全な生活を維持できるよう、交通の利便性、地域の環境、災害に対する安全性及び医療機関等との連携等を考慮して立地すること。特に、有料老人ホームは、入居者である高齢者が介護等のサービスを受けながら長期間にわたり生活する場であることから、住宅地から遠距離であったり、入居者が外出する際に不便が生じたりするような地域に立地することは好ましくないこと。

また、地域の特性や需要等に適合した施設となるよう、設置計画段階において十分な調査を行うとともに、近隣住民に対する説明会を積極的に開催するなど、有料老人ホームの設置について地域の理解と協力が得られるよう努めること。

(2)有料老人ホームの事業の用に供する土地及び建物については、有料老人ホーム事業以外の目的による抵当権その他の有料老人ホームとしての利用を制限するおそれのある権利が存しないことが登記簿謄本及び必要に応じた現地調査等により確認できること。

(3)借地による土地に有料老人ホームを設置する場合又は借家において有料老人ホーム事業を実施する場合には、入居契約の契約期間中における入居者の居住の継続を確実なものとするため、契約関係について次の要件を満たすこと。

一 借地の場合(土地の所有者と設置者による土地の賃貸借)

イ 有料老人ホーム事業のための借地であること及び土地の所有者は有料老人ホーム事業の継続について協力する旨を契約上明記すること。

ロ 建物の登記をするなど法律上の対抗要件を具備すること。

ハ 入居者との入居契約の契約期間の定めがない場合には、借地借家法(平成3年法律第90号)第3条の規定に基づき、当初契約の借地契約の期間は30年以上であることとし、自動更新条項が契約に入っていること。

ニ 無断譲渡、無断転貸の禁止条項が契約に入っていること。

ホ 設置者による増改築の禁止特約がないこと、又は、増改築について当事者が協議し土地の所有者は特段の事情がない限り増改築につき承諾を与える旨の条項が契約に入っていること。

ヘ 賃料改定の方法が長期にわたり定まっていること。

ト 相続、譲渡等により土地の所有者が変更された場合であっても、契約が新たな所有者に承継される旨の条項が契約に入っていること。

チ 借地人に著しく不利な契約条件が定められていないこと。

二 借家の場合(建物の所有者と設置者による建物の賃貸借)

イ 有料老人ホーム事業のための借家であること及び建物の所有者は有料老人ホーム事業の継続について協力する旨を契約上明記すること。

ロ 入居者との入居契約の契約期間の定めがない場合には、当初契約の契約期間は20年以上であることとし、更新後の借地契約の期間(極端に短期間でないこと)を定めた自動更新条項が契約に入っていること。

ハ 無断譲渡、無断転貸の禁止条項が契約に入っていること。

ニ 賃料改定の方法が長期にわたり定まっていること。

ホ 相続、譲渡等により建物の所有者が変更された場合であっても、契約が新たな所有者に承継される旨の条項が契約に入っていること。

ヘ 建物の賃借人である設置者に著しく不利な契約条件が定められていないこと。

ト 入居者との入居契約の契約期間の定めがない場合には、建物の優先買取権が契約に定められていることが望ましいこと。

(4)借地・借家等の契約関係が複数になる場合にあっては、土地信託方式、生命保険会社による新借地方式及び実質的には二者間の契約関係と同一視できる契約関係であって当該契約関係が事業の安定に資する等やむを得ないと認められるものに限られること。

(5)定期借地・借家契約による場合には、入居者との入居契約の契約期間が当該借地・借家契約の契約期間を超えることがないようにするとともに、入居契約に際して、その旨を十分に説明すること。なお、入居者との入居契約の契約期間の定めがない場合には、定期借地・借家契約ではなく、通常の借地・借家契約とすること。

5 規模及び構造設備

(1)建物は、入居者が快適な日常生活を営むのに適した規模及び構造設備を有するとともに、外観等地域の住宅環境との調和にも配慮すること。

(2)建物は、建築基準法に規定する耐火建築物又は準耐火建築物とすること。なお、既に設置されている有料老人ホームの建物が、耐火建築物又は準耐火建築物でない場合は、所轄の消防署の指導により必要な防火措置等を講じること。

(3)建物には、建築基準法、消防法等に定める避難設備、消火設備、警報設備その他地震、火災、ガスもれ等の防止や事故・災害に対応するための設備を十分設けること。また、緊急通報装置を設置する等により、入居者の急病等緊急時の対応を図ること。

(4)建物の設計に当たっては、「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針(平成13年国土交通省告示第1301号)」を踏まえて、入居者の身体機能の低下や障害が生じた場合にも対応できるよう配慮すること。

(5)建物の配置及び構造は、日照、採光、換気等入居者の保健衛生について十分考慮されたものであること。

(6)次の設備を設けること。

一 居室

二 一時介護室

設置者が自ら一時的な介護サービスを提供するための設備であり、入居者の状況等に応じて適切な数を確保すること。なお、居室で一時的な介護サービスを提供することが可能である場合は一時介護室を設置しなくてもよいこと。

(7)次の設備について、居室内に設置しない場合は、全ての入居者が利用できるように適当な規模及び数を設けること。

一 浴室

二 洗面設備

三 便所

(8)設置者が提供するサービス内容に応じ、次の共同利用の設備を設けること。

一 食堂

二 医務室又は健康管理室

三 看護・介護職員室

四 機能訓練室(専用室を確保する場合に限らず、機能訓練を行うために適当な広さの場所が確保できる場合を含む。)

五 談話室並びに応接室又は面談室

六 洗濯室

七 汚物処理室

八 健康・生きがい施設(スポーツ、レクリエーション等のための施設、図書室その他の施設)

九 外来者宿泊室

十 前各号に掲げるもののほか、事務室、宿直室その他の運営上必要な設備

(9)(6)、(7)及び(8)に定める設備の基準は、次によること。なお、以下の居室等の面積の算定方法は、特に注記がない場合は壁芯(へきしん)方法によるものとする。

一 居室及び一時介護室

イ 個室とすることとし、床面積は13平方メートル以上(夫婦用等で1室に2人以上の者を入居させる場合には、1人当たり10.65平方メートル以上)とし、居室内に便所、洗面設備、収納設備等を備える場合には、車いす等の使用等に支障がないように十分な居室面積が確保できるよう努めること。

ロ 各個室は、建築基準法第30条の規定に基づく界壁により区分されたものとすること。

ハ 建築基準法において地下とされる階に設けないこと。

ニ 1以上の出入口は避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。

ホ 居室において介護サービスを行う場合は、サービスの提供に必要なベッド等の備品を備えるとともに、入居者の車いすの使用及びストレッチャーによる移動等に支障のない構造とすること。

ヘ ベッドを備える場合は、低床ベッドの導入等により転落による重大事故の未然防止に資するよう努めること。

二 食堂

入居者の要介護の状態等を考慮して適切に配置すること。

イ 入居定員及び車いす使用者数など入居者の要介護の状態を勘案して、適切な広さ及び座席数を確保すること。

ロ 衛生面の配慮として、手指を洗浄する設備を設けること。介護付有料老人ホーム及び住宅型有料老人ホームにあっては、車いす使用者に配慮した高さにするとともに、手すりを備えるなど、要介護者等が使用するのに適したものとすること。

三 医務室又は健康管理室

介護付有料老人ホームにあっては、原則として設置すること。

イ 医務室を設置する場合には、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第16条に規定する診療所の構造設備の基準に適合したものとし、医薬品等を保管する錠付ロッカーなど必要な備品を備えること。

ロ 健康管理室として設置する場合は、医務室に準じた構造、設備とすること。

四 談話室並びに応接室又は面談室

入居者が交流できる談話室を設置すること。また、入居者及びその家族等と面談する場所として、プライバシーの保護に配慮した応接室又は面談室を設置すること。

五 汚物処理室

介護付有料老人ホーム及び住宅型有料老人ホームにあっては、保健衛生に配慮して居室のある階ごとに設置するよう努めること。

六 看護・介護職員室

介護付有料老人ホームにあっては、緊急時の迅速な対応を図るため、居室のある階ごとに設置すること。

イ 入居者が日常的に利用する談話室等の共用設備に面して設置すること。

ロ カウンターにより区分するなど、談話室及び廊下等を見通すことができる形状とすること。

七 機能訓練室

他に機能訓練を行うために適当な広さの場所が確保できる場合には設置しないことができる。

イ 食堂と同一の場所とする場合は、3平方メートルに入居定員を乗じて得た面積以上を確保するよう努めること。

ロ 機能訓練に必要な設備及び備品を備えること。

八 健康・生きがい施設

入居者が健康で生きがいを持って生活することに資するため、例えば、スポーツ、レクリエーションを目的とした施設、芸術、文化活動を目的とした施設、娯楽のための施設等を設けることが望ましい。

九 外来者宿泊室

入居者の交流の機会を確保するとともに、入居者の家族等との連携に資するため、外来者宿泊室を設けることが望ましい。

十 浴室

入居者の要介護の状態等を考慮して適切に配置すること。住宅型有料老人ホームにあっては、居室内の設置も含め考慮すること。

イ 介護付有料老人ホーム及び住宅型有料老人ホームにあっては、手すり、スロープ及び浴槽用リフトを整備するなど、要介護者等が使用するのに適したものとすること。

ロ 専ら要介護者等を入居対象とする場合は、一般浴槽のほかに、ねたきり等の要介護の状態に対応できる特別浴槽を設けるとともに、脱衣室を含めて入浴介助をするのに十分な広さを確保すること。

十一 便所

居室内又は居室のある階ごとに居室に近接して設置すること。

イ 介護付有料老人ホーム及び住宅型有料老人ホームにあっては、車いす使用者に配慮するとともに、手すりを備えるなど、要介護者等が使用するのに適したものとすること。

ロ 共用の場合は、居室のある階ごとに整備することとし、その階ごとの入居定員を勘案して適切な数を設置すること。

十二 洗面設備

居室内又は居室のある階ごとに居室に近接して設置すること。

イ 介護付有料老人ホーム及び住宅型有料老人ホームにあっては、洗面台を車いす使用者に配慮した高さにするとともに、手すりを備えるなど、要介護者等が使用するのに適したものとすること。

ロ 共用の場合は、居室のある階ごとに整備することとし、その階ごとの入居定員を勘案して適切な数を設置すること。

(10)その他の設備の基準は、次によること。

一 エレベーター

介護付有料老人ホーム及び住宅型有料老人ホームにあっては、原則として2階以上の場合は設置すること。なお、適切な介護サービス等が提供できるよう入居定員等に応じた台数を設置すること。

イ 少なくとも1基はストレッチャーを収納できる構造とすること。

ロ 操作盤は車いす使用者に配慮した高さにするとともに、手すりを備えるなど、要介護者等が使用するのに適したものとすること。

二 スプリンクラー

主として要介護状態にある者を入居させている有料老人ホームは、所轄の消防署等消防機関の指導を受けて、スプリンクラー設備等を適切に整備すること。

三 緊急通報装置

介護付有料老人ホーム及び住宅型有料老人ホームにあっては、居室、一時介護室、浴室、便所、エレベーター等にナースコール等の通報装置を備えること。また、館内放送設備等の非常通報のできる設備を設けることが望ましい。

四 廊下

介護付有料老人ホーム及び住宅型有料老人ホームにあっては、入居者が車いす等で安全かつ円滑に移動することが可能となるよう、次によること。

イ すべての居室が個室で、1室当たりの床面積が18平方メートル(面積の算定方法はバルコニーの面積を除き、壁芯方法による。)以上であって、かつ、居室内に便所及び洗面設備が設置されている場合、廊下の幅(注:内法によることとし、手すりから測定。以下同じ。)は1.4メートル以上とすること。ただし、多数の通行が見込まれる中廊下や避難経路が集中する廊下等(以下「中廊下等」という。)の幅は1.8メートル以上とすること。なお、上記以外の場合、廊下の幅は1.8メートル以上とすることとし、中廊下等の幅は2.7メートル以上とすること。

ロ 廊下の両側に手すりを連続して設けるなど、要介護者等が使用するのに適したものとすること。

ハ 廊下の曲がり角はすみ切り等の処理を行うなど、車いす使用者の通行に支障のない構造とするよう努めること。

五 常夜灯

廊下、便所その他必要な場所に設けること。

六 床

介護付有料老人ホーム及び住宅型有料老人ホームにあっては、転倒等による重大事故の未然防止に資するため、すべりにくく衝撃を吸収しやすい材質を使用することが望ましい。

七 居室等の出入口

介護付有料老人ホーム及び住宅型有料老人ホームにあっては、引き戸やドアハンドル等円滑に利用できる構造とすること。

6 既存建築物等の活用の場合等の特例

(1)既存の建築物を転用して開設される有料老人ホーム又は定員9人以下の有料老人ホームについて、建物の構造上5(9)及び(10)に定める基準を満たすことが困難である場合においては、次のいずれかの基準を満たす場合、当該基準に適合することを要しない。ただし、建物の改修時等にできる限り基準に適合するよう対処すること。

一 次のイ、ロ及びハの基準を満たすもの

イ すべての居室が個室であること。

ロ 5(9)及び(10)に定める基準を満たしていない事項について、重要事項説明書又は管理規程に記入し、その内容を適切に入居者又は入居希望者に対して説明すること。

ハ 次の①又は②のいずれかに適合するものであること。

① 代替の措置(入居者が車いす等で安全かつ円滑に移動することが可能となる廊下幅を確保できない場合において、入居者の希望に応じて職員が廊下の移動を介助することなど)を講ずること等により、5(9)及び(10)の基準を満たした場合と同等の効果が得られると認められるものであること。

② 将来において5(9)及び(10)に定める基準に適合させる改善計画を策定し、入居者への説明を行っていること。

二 建物の構造について、文書により適切に入居者又は入居希望者に対して説明しており、外部事業者によるサービスの受入や地域との交流活動の実施などにより、事業運営の透明性が確保され、かつ、入居者に対するサービスが適切に行われているなど、適切な運営体制が確保されているものとして市長が個別に認めたもの

(2)市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建ての有料老人ホームであって、火災に係る入居者の安全性が確保されていると認めたものについては、5(2)の規定にかかわらず、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

一 スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。

二 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

三 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

(3)高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律(平成23年法律第74号。以下「改正法」という。)の施行(平成23年10月20日)の際現に改正法による改正前の高齢者の居住の安定確保に関する法律第4条に規定する高齢者円滑入居賃貸住宅の登録を受けている高齢者専用賃貸住宅であった有料老人ホームについては、5(2)、(3)、(6)、(7)、(8)、(9)及び(10)の基準を適用しない。ただし、建築基準法、消防法等に定める避難設備、消火設備、警報設備その他地震、火災、ガスもれ等の防止や事故、災害に対応するための設備を十分に設けるとともに、緊急通報装置を設置する等により、入居者の急病等緊急時の対応を図ること。

7 職員の配置、研修及び衛生管理

(1)職員の配置

一 職員の配置については、入居者の数及び提供するサービス内容に応じ、その呼称にかかわらず、次の職員を配置すること。

イ 管理者

ロ 生活相談員(サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けている場合は、国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則(平成23年厚生労働省・国土交通省令第2号)第11条第1号の規定に基づく状況把握サービス及び生活相談サービスを提供する職員)

ハ 栄養士

ニ 調理員

二 介護サービスを提供する有料老人ホームの場合は、上記の他、提供する介護サービスの内容に応じ、次によること。

イ 要介護者等を直接処遇する職員(介護職員及び看護職員をいう。以下「直接処遇職員」という。)については、介護サービスの安定的な提供に支障がない職員体制とすること。

ロ 介護職員のうち1人以上は常勤の者とすること。また、特に施設の開設時においては、高齢者の介護について知識及び経験を有する者が、過半数を占めるように配慮すること。

ハ 看護職員のうち1人以上は常勤の者とし、入居者の健康管理に必要な数を配置すること。ただし、看護職員として看護師の確保が困難な場合には、准看護師を充てることができる。

ニ 機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者を配置すること。

ホ 管理者その他の介護サービスの責任者の地位にある者は、高齢者の介護について知識、経験を有する者とし、原則として次のいずれかに該当する者とすること。

① 社会福祉士、介護福祉士、保健師、看護師等の資格を有する者

② 特別養護老人ホーム等の介護保険施設又は有料老人ホーム等において、2年以上介護サービスに従事した経験を有する者

三 各職員の配置数は、入居者の数や要介護等の状態に即し、適切な数を確保するとともに、夜間の介護、緊急時に対応できる職員体制及び勤務ローテーションとすること。ただし、有料老人ホームの運営に支障がないと認められる場合は、当該有料老人ホームの他の職務又は当該有料老人ホームに併設されている施設や事業所の職務を兼務できることとする。

(2)職員の研修

職員に対しては、採用時及び採用後において定期的に研修を実施すること。特に、生活相談員及び直接処遇職員については、高齢者の心身の特性、実施するサービスのあり方及び内容、認知症介護、虐待防止、身体的拘束のない介護、介護事故の防止及び感染症対策等の介護に関する知識及び技術、作業手順等について、体系的かつ継続的に研修を行う必要があることから、管理者(施設長)の責務として、毎年度当初に職員研修計画を策定し、その計画に基づいて研修を行うこと。

なお、職員研修計画の策定に際しては、職員の意向をできる限り反映させるとともに、関係団体等が開催する研修会などにも、職員を積極的に参加させるよう努めること。

(3)職員の衛生管理

職員の心身の健康に留意し、職員の疾病の早期発見及び健康状態の把握のために、採用時及び採用後において定期的に健康診断を行うとともに、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)等に基づき、就業中の衛生管理について十分な点検を行うこと。また、メンタルヘルスを含めて健康管理に関する相談体制を確保するよう努めること。

(4)職員の秘密保持

有料老人ホームの職員又は職員であった者が、正当な理由なく、その業務上知り得た入居者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、有料老人ホームの設置者は必要な措置を講じなければならないこと。

8 有料老人ホーム事業の運営

(1)管理規程の制定

次に掲げる施設の管理に関する事項などを明示した管理規程を設けること。なお、次に掲げる内容を含み、入居者に対する説明事項を適切に提示している資料であれば、その呼称にかかわらず、管理規程として扱う。また、管理規程を変更する場合には、運営懇談会で意見を求めるとともに、変更する場合の手続を入居契約書に規定すること。

一 施設の目的及び運営の方針

二 入居者の定員及び居室数

三 組織の体制及び職員の配置状況

四 居室や共用設備等の利用に当たっての留意事項

五 管理費、食費、介護費用等の利用料の詳細

六 サービスの内容及びその費用負担の詳細

七 業務の全部又は一部を委託する場合の委託先及び委託内容(施設の警備業務など入居者の処遇と直接関わらない業務を除く)

八 介護を行う場合の基準

九 医療を要する場合の対応

十 緊急やむを得ず身体拘束を行う場合の手続

十一 やむなく入居者の金銭等の管理を行う場合の具体的な管理方法、入居者又は身元引受人等への定期的報告等

十二 入居者及びその家族等からの苦情に対する対応

十三 緊急時、非常災害時の対応

十四 運営懇談会の設置・運営

十五 その他施設の運営に関する重要事項

(2)名簿の整備

緊急時において迅速かつ適切に対応できるようにする観点から、入居者及びその身元引受人等の氏名及び連絡先を記載した名簿を整備しておくこと。

(3)帳簿の整備

老人福祉法第29条第6項の規定を遵守し、次の事項を記載した帳簿を作成し、2年間保存すること。

一 老人福祉法第29条第9項に規定する前払金、利用料その他の入居者が負担する費用の受領の記録

二 入居者に供与した次のサービス(以下「提供サービス」という。)の内容

イ 入浴、排せつ又は食事の介護

ロ 食事の提供

ハ 洗濯、掃除等の家事の供与

ニ 健康管理の供与

ホ 安否確認又は状況把握サービス

ヘ 生活相談サービス

三 緊急やむを得ず入居者に身体的拘束を行った場合にあっては、その態様及び時間、その際の入居者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由

四 提供サービスに係る入居者及びその家族からの苦情の内容

五 提供サービスの供与により入居者に事故が発生した場合は、その状況及び事故に際して採った処置の内容

六 提供サービスの供与を委託により他の事業者に行わせる場合にあっては、当該事業者の名称、所在地、委託に係る契約事項及び業務の実施状況

(4)関係書類の整備

次の関係書類を整備し、保存すること。

一 職員に関する書類

履歴書、雇用契約書、職員勤務表、給与明細書、給与支払台帳、源泉徴収報告書

二 入居者に関する書類

入居者との契約書、重要事項説明書(契約者及び説明者が署名したもの)、入居者の入居時における心身の状況等の記録、居室の変更に関わる同意書、入居者や家族等からの要望等に関する記録、入居者の金銭等の管理に関する記録等

三 施設の管理・運営に関する書類

協力医療機関との契約書、保健衛生管理(食中毒対策、感染症対策等)に関する書類、消防計画に関する書類、サービスマニュアル(食事・排せつ・入浴、身体拘束、高齢者虐待防止、健康管理基準等を含む)、緊急時(事故、災害、急病・集団感染等)対応マニュアル、苦情・要望等対応マニュアル、職員研修計画、運営懇談会の記録等、修繕及び改修の実施状況

四 会計に関する書類

出納簿、領収書、払込通知書等

(5)個人情報の取り扱い

(2)の名簿、(3)の帳簿及び(4)の関係書類における個人情報に関する取り扱いについては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び同法に基づく「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン(平成16年12月24日・厚生労働省)」を遵守すること。

(6)緊急時の対応

一 事故・災害及び急病・負傷・集団感染等の緊急時に迅速かつ適切に対応できるよう具体的な計画を立て、対応方法等に関するマニュアル等を備えるとともに、職員の業務分担を明確にし、これらの周知を徹底すること。

二 火災や地震等の災害に備え、消防計画等に基づき所轄の消防署と連携を図りながら、避難等必要な訓練を定期的に行うこと。

三 「社会福祉施設における地震防災応急計画の作成について」(昭和55年1月16日厚生省社会局施設課長及び児童家庭局企画課長通知)及び静岡県作成の「高齢者福祉施設における災害対応マニュアル」を参考に、「地震防災応急計画」を作成すること。なお、消防計画を作成することが必要とされている有料老人ホームにあっては消防計画中に地震防災応急計画に相当する事項を定めるものとし、所轄消防署長に届け出ること。

(7)医療機関等との連携

一 入居者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、近距離(移送に要する時間がおおむね20分以内)で、かつ、内科・整形外科・精神科等の診療科目を標榜している医療機関と協力する旨及びその協力内容(健康相談・健康診断及び受診・治療等の協力、入院加療が必要となった場合の協力、夜間等における病状急変時等の協力)を取り決めておくこと。

二 あらかじめ、歯科医療機関と協力する旨及びその協力内容を取り決めておくよう努めること。

三 協力医療機関及び協力歯科医療機関との協力内容、協力医療機関及び協力歯科医療機関の診療科目等について入居者に周知しておくこと。

四 入居者が適切に健康相談や健康診断を受けられるよう、協力医療機関による医師の訪問や、嘱託医の確保などの支援を行うこと。なお、健康相談や診察の機会は週1回以上確保することが望ましい。

五 入居者が、医療機関を自由に選択することを妨げないこと。協力医療機関及び協力歯科医療機関は、あくまでも、入居者の選択肢として設置者が提示するものであって、当該医療機関における診療に誘引するためのものではないこと。

六 医療機関から入居者を患者として紹介する対価として金品を受領することその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を受けることにより、入居者が当該医療機関において診療を受けるように誘引してはならないこと。

(8)介護サービス事業所との関係

一 近隣に設置されている介護サービス事業所について、入居者に情報提供すること。

二 入居者の介護サービスの利用にあっては、設置者及び当該設置者と関係のある事業者など特定の事業者からのサービス提供に限定又は誘導しないこと。

三 入居者が希望する介護サービスの利用を妨げないこと。

(9)施設の衛生管理

一 入居者が使用する食堂等の什器、備品その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じるとともに、医薬品及び医療用具の管理を適正に行うこと。

二 感染症が発生し又はまん延しないように、保健所の指導のもとに必要な措置を講じること。

イ 食中毒及び感染症の発生を防止するための措置等について、必要に応じて保健所の助言、指導を求めるとともに、常に密接な連携を保つこと。

ロ 特にインフルエンザ対策、腸管出血性大腸菌(O-157)感染症対策、レジオネラ症対策等については、その発生及びまん延を防止するため、厚生労働省から発出されている通知等に基づき、適切な措置を講じること。

ハ 定期的に調理に従事する者の検便を行うこと。

ニ 空調設備等により施設内の適温の確保に努めること。

三 洗面設備並びに医務室又は健康管理室等においては、共用タオルを使用しないこと。

(10)家族や地域との連携・交流

一 施設の運営において、常に入居者の家族と連携を図るとともに、入居者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めること。

二 地域住民又はボランティア等の自発的な活動との連携又は相互の協力を行うよう努めること。

三 地域との交流スペースを設け、地域住民や、子ども会、老人クラブ等地域の団体も含めた行事等を実施するなど、入居者と地域住民等との交流に積極的に取り組むこと。

(11)運営懇談会の設置等

有料老人ホーム事業の運営について、入居者の積極的な参加を促し、かつ、外部の者等との連携により透明性を確保する観点から、運営懇談会を設置し、その運営に当たっては、次の事項について配慮すること。ただし、入居定員が少ないなどの理由により、運営懇談会の設置が困難なときは、地域との定期的な交流が確保されていることや、入居者の家族との個別の連絡体制が確保されていることなどの代替となる措置があり、かつ、当該措置が運営懇談会の代替になるものとして入居者への説明を行っている場合にあっては、この限りでない。

一 運営懇談会は、管理者、職員、入居者及びその家族等によって構成されること。

二 運営懇談会の開催に当たっては、入居者(入居者のうちの要介護者等についてはその身元引受人等)に周知し、必要に応じて参加できるように配慮すること。

三 有料老人ホーム事業の運営について外部からの点検が働くよう、職員及び入居者以外の第三者的立場にある学識経験者、民生委員などを加えるよう努めること。

四 運営懇談会では、次に掲げる事項を定期的に報告し、説明するとともに、入居者の要望、意見を運営に反映させるよう努めること。

イ 入居者の状況

ロ サービス提供の状況

ハ 管理費、食費その他の入居者が設置者に支払う金銭に関する収支等の内容

ニ 貸借対照表や損益計算書等の財務諸表に基づいた経営状況

五 入居者が関係する入居契約及び管理規程の変更については、必ず運営懇談会で説明した上で、所要の手続きをとること。

六 施設運営及び入居者処遇について、重大な影響が生じる恐れがある場合は、臨時に運営懇談会を開催し、入居者及びその家族等に説明すること。

七 運営懇談会を開催した際には、議題(審議内容)とともに、入居者からの意見及び施設が説明した内容等について議事録を作成し、入居者及びその家族等に配布すること。

八 運営懇談会の設置及び審議事項等について、入居契約書及び管理規程において規定すること。

9 サービス等

(1)設置者は、入居者に対して、契約内容に基づき、次に掲げるサービス等を提供する場合にあっては、それぞれ、その心身の状況に応じた適切なサービスを提供すること。サービスの提供に当たっては、懇切丁寧を旨とし、入居者及びその家族に対してサービスの提供上必要な事項について、理解しやすいように説明すること。

また、サービスマニュアル等を策定することにより、サービスの内容を標準化・明確化し、これに基づいて適切なサービスを実施すること。

一 食事サービス

イ 栄養及び入居者の心身の状況を考慮し、高齢者に適した食事を一般の家庭生活に準じた適切な時間に提供すること。

ロ 入居者の嗜好調査を実施するなどして、入居者の希望に配慮した献立とするとともに、事前に栄養士による献立表を作成し、入居者の目に触れやすい場所に掲示すること。

ハ 入居者の健康状態並びに咀嚼能力及び摂取能力等に応じた食事(半粥・全粥、刻み食、ミキサー食等)を提供すること。

ニ 糖尿病等により治療食の提供が必要な入居者に対しては、医師や栄養士の指導により治療食を提供すること。

ホ 要介護者等についても、可能な限り離床して、食堂で食事をすることを支援すること。ただし、食堂において食事をすることが困難であるなど、入居者の希望に応じて、居室において食事を提供するなど必要な配慮を行うこと。

二 生活相談・助言等

イ 入居時には、心身の健康状況等について調査を行うこと。

ロ 入居後は常に入居者の心身の状況や置かれている環境等の把握に努め、入居者及びその家族等の各種の相談に応ずるとともに適切な助言その他援助を行うこと。

三 健康管理と治療への協力

イ サービスマニュアル等において健康管理基準を定め、定期健康診断、医師の訪問による健康相談や診察、看護職員による体温・脈拍・血圧の測定等の健康管理について、頻度、方法及び内容等を規定すること。

ロ 入居時及び定期的に健康診断(歯科に係るものを含む。)の機会を設けるなど、入居者の希望に応じて健康診断が受けられるよう支援するとともに、常に入居者の健康の状況に注意し、医師の指導のもとに、必要に応じて健康保持のための適切な措置をとること。

ハ 入居者の意向を確認した上で、入居者の希望に応じて、健康診断、健康管理及び健康保持のための措置の記録を適切に保存しておくこと。

ニ 入居者が一時的疾病等のため日常生活に支障がある場合には介助等日常生活の世話を行うこと。

ホ 医療機関での治療が必要な場合には適切な治療が受けられるよう医療機関への連絡、紹介、受診手続、通院介助等の協力を行うこと。

四 介護サービス

イ 介護サービスを提供する有料老人ホームにあっては、契約に定めるところにより、当該有料老人ホーム又はその提携有料老人ホーム(一定限度以上の要介護状態になった場合に入居者が住み替えてそこで介護サービスを行うことが入居契約書に明定されているものに限る。)において行うこととし、当該有料老人ホームが行うべき介護サービスを介護老人保健施設、病院、診療所又は特別養護老人ホーム等に行わせてはならないこと。なお、この場合の介護サービスには、医療行為は含まれないものであること。また、介護サービスを提供しない有料老人ホームにあっては、当該有料老人ホームの居室において、入居者が介護保険による訪問介護等の居宅サービスの適切な利用が可能となるよう配慮すること。

ロ 契約内容に基づき、入居者を居室又は一時介護室において入居者の自立を支援するという観点に立って処遇するとともに、常時介護に対応できる職員の勤務体制をとること。

ハ 入居者の自立の支援及び日常生活の充実に資するよう、入居者の心身の状況に応じて、医師や看護職員との連携を十分に図りながら、適切な技術をもって介護サービスを行うこと。また、サービスマニュアル等において、個々の介護方法についての具体的な作業手順、留意事項、介護サービスを提供する場所及び職員の配置体制等を定め、職員に周知徹底すること。

ニ 食事の介護が必要な場合には、健康状態や摂取能力等に十分留意するとともに、必要に応じて医師や看護職員の指導を受け、適切な方法で行うこと。

入浴の介護が必要な場合には、週2回以上入浴できる機会を確保するとともに、健康状態等により入浴が適切でないときは、必要に応じて清拭を行うこと。

排せつの介護が必要な場合には、できる限り自立排せつに向けて援助を行うとともに、おむつを使用せざるを得ないときは、適切に取り替えること。

ホ 介護サービスの内容及び入居者の生活状況等について、介護記録を作成し、保管すること。

五 安否確認又は状況把握

入居者の安否確認又は状況把握については、安全・安心の確保の観点のみならず、プライバシーの確保について十分に考慮する必要があることから、その方法等については、運営懇談会その他の機会を通じて入居者の意向の確認、意見交換等を行い、できる限りそれを尊重したものとすること。

六 機能訓練

介護サービスを提供する有料老人ホームにあっては、要介護者等の自立の支援を図る観点から、その身体的、精神的条件に応じた機能訓練等を実施すること。

七 レクリエーション

入居者の要望を考慮し、運動、娯楽等のレクリエーションを実施すること。入居者の生活が健康で明るいものとなるよう必要に応じて助言を行うとともに、入居者が自主的に趣味、教養娯楽、交流行事等を行う場合には協力すること。また、地域の行事や地区老人クラブ活動等へ参加できるよう配慮するなど、地域との交流の機会の確保に努めること。

八 身元引受人への連絡等

イ 入居者の生活において必要な場合には、身元引受人等への連絡等所要の措置をとるとともに、本人の意向に応じ、関連諸制度、諸施策の活用についても迅速かつ適切な措置をとること。

ロ 要介護者等については、入居者の生活及び健康の状況並びにサービスの提供状況を身元引受人等へ定期的に報告すること。

九 金銭等管理

イ 入居者の金銭、預金等の管理は入居者自身が行うことを原則とすること。ただし、入居者本人が特に設置者に依頼した場合、又は入居者本人が認知症等により十分な判断能力を有せず金銭等の適切な管理が行えないと認められる場合であって、身元引受人等の承諾を得たときには、設置者において入居者の金銭等を管理することもやむを得ないこと。

ロ 設置者が入居者の金銭等を管理する場合にあっては、依頼又は承諾を書面で確認するとともに、金銭等の具体的な管理方法、本人又は身元引受人等への定期的報告等を管理規程等で定めること。

十 家族との交流・外出の機会の確保

常に入居者の家族との連携を図り、入居者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めるとともに、入居者の外出の機会を確保するよう努めること。

十一 サービスの向上

職員による会議を定期的に開催し、入居者の個々のサービス内容の検証及び向上に努めるとともに、サービスの提供を通じて、入居者の介護予防及び要支援・要介護状態の改善又は進行防止を図ること。

(2)設置者は、(1)各号に掲げるサービス等の提供に係る入居者との契約を締結する場合、その職員に対して、提供するサービス等の内容を十分に周知徹底すること。

(3)有料老人ホームの職員が、介護保険サービスその他の業務を兼ねる場合にあっては、各職員について、それぞれが従事する業務の種別に応じた勤務状況を明確にする観点から、適切に勤務表の作成及び管理を行うこと。

(4)設置者は、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)に基づき、次の事項を実施すること。

一 同法第5条の規定に基づき、高齢者虐待を受けた入居者の保護のための施策に協力すること。

二 同法第20条の規定に基づき、研修の実施、苦情の処理の体制の整備その他の高齢者虐待の防止等のための措置を講ずること。

(5)入居者に対するサービスの提供に当たっては、当該入居者又は他の入居者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入居者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならないこと。

(6)緊急やむを得ず身体的拘束等を行う場合には、「身体拘束ゼロへの手引き」(厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」発行)において示された「緊急やむを得ない身体拘束に関する説明書」を参考にして、あらかじめ非代替性、一時性、切迫性の3つの要件についてそれぞれ検討の上、その態様及び時間、その際の入居者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録するとともに、事前に家族等に説明すること。また、「緊急やむを得ない身体拘束に関する経過観察・再検討記録」を参考にして、観察記録等を作成し保存するとともに、身体拘束廃止に向けた検討を適宜行うこと。

(7)身体的拘束等の適正化を図るために、次に掲げる措置を講じなければならない。

一 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を三月に一回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業員に周知徹底を図ること。

二 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

三 介護職員その他の従業員に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

10 事業収支計画

(1)市場調査等の実施

構想段階における地域特性、需要動向等の市場分析や、計画が具体化した段階における市場調査等により、相当数の者の入居が見込まれること。

(2)資金の確保等

初期総投資額の積算に当たっては、開設に際して必要となる次に掲げる費用を詳細に検討し積み上げて算定し、必要な資金を適切な方法で調達すること。また、資金の調達に当たっては主たる取引金融機関等を確保しておくこと。

なお、資金の調達に当たっては、原則として自己資金や自己名義の借入金により全額賄うこととし、前払金の建設資金等への直接充当を予定した資金計画としないこと。

一 調査関係費

二 土地関係費

三 建築関係費

四 募集関係費

五 開業準備関係費

六 公共負担金

七 租税公課

八 期中金利

九 運転資金

十 予備費

(3)資金収支計画及び損益計画

次の事項に留意し、長期の資金収支計画及び損益計画を策定すること。なお、資金収支計画が損益の状況を反映したものとなっている場合には、損益計画の策定を省略することができることとする。

一 長期安定的な経営が可能な計画であること。

二 最低30年以上の長期的な計画を策定し、少なくとも3年ごとに見直しを行うこと。

三 借入金の返済に当たっては、資金計画上無理のない計画となっていること。

四 適切かつ実行可能な募集計画に基づいていること。

五 長期推計に基づく入居時平均年齢、男女比、単身入居率、入退去率、入居者数及び要介護者発生率を勘案すること。

六 人件費の積算については、地域の状況に応じた給与額が職種ごとに設定され、また、勤務表等を踏まえて必要な職員数が十分に確保されていること。

七 人件費、物件費等の変動並びに建物の修繕費及び設備・備品の更新費等を適切に見込んでいること。

八 前払金(入居時に老人福祉法第29条第9項に規定する前払金として一括して受領する利用料)の償却年数は、入居者の終身にわたる居住が平均的な余命等を勘案して想定される期間(以下「想定居住期間」という。)とすること。

九 常に適正な資金残高があること。

(4)開設後の経営

一 資金収支計画及び損益計画を見直した結果、見直す前の計画と比較して収支等が悪化することが見込まれる場合には、その原因を分析し、必要な措置を講じること。

二 法人会計の信頼性を確保するために、会計監査人(公認会計士又は監査法人)による外部監査の導入に努めること。

(5)経理・会計の独立

有料老人ホーム以外にも事業経営を行っている経営主体については、当該有料老人ホームについての経理・会計を明確に区分し、他の事業に流用しないこと。

また、当該有料老人ホーム事業に係る資産等を、特定の企業等に対する融資又は債務保証等に当てないこと。

11 利用料等

(1)有料老人ホームは、契約に基づき入居者の負担により賄われるものであり、その支払方法については、月払い方式、前払い方式又はこれらを組み合わせた方式等多様な方法が考えられるが、いずれの場合にあっても、次に掲げる費用の区分を明確にするとともに、設置者が受領する場合の取扱いについては、それぞれ次によること。

一 家賃(賃貸借契約以外の契約で受領する利用料のうち、部屋代に係る部分を含む。)

当該有料老人ホームの整備に要した費用、修繕費、管理事務費、地代に相当する額等を基礎として合理的に算定したものとし、近傍同種の住宅の家賃から算定される額を大幅に上回るものでないこと。

二 敷金

敷金を受領する場合には、その額は6か月を超えないこととし、退去時に居室の原状回復費用を除き全額返還すること。なお、原状回復の費用負担については、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(平成23年8月国土交通省住宅局)を参考にすること。

三 介護等その他の日常生活上必要な便宜の供与の対価(以下「サービス費用」という。)

イ 入居者に対するサービスに必要な費用の額(食費、介護費用その他の運営費等)を基礎とする適切な額とすること。

ロ 介護保険対象部分との区分を明確にした上で、算定方法や改定方法等を定めること。

ハ 多額の前払金を払えば毎月の支払は一切なく生涯生活を保証するという終身保証契約は、その後において入居者の心身の状況や物価、生活費等の経済情勢が著しく変化することがあり得るので、原則として好ましくないこと。

ニ 設置者が、サービスを提供した都度個々にそのサービス費用を受領する場合については、提供するサービスの内容に応じて人件費、材料費等を勘案した適切な額とすること。

ホ 介護付有料老人ホームにおいて、手厚い職員体制又は個別的な選択による介護サービスとして介護保険外に別途費用を受領できる場合は、「特定施設入所者生活介護事業者が受領する介護保険の給付対象外の介護サービス費用について」(平成12年3月30日付け老企第52号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)の規定によるものに限られていることに留意すること。

(2)前払い方式(終身にわたって受領すべき家賃又はサービス費用の全部又は一部を前払金として一括して受領する方式)によって入居者が支払を行う場合にあっては、次の各号に掲げる基準によること。

一 受領する前払金が、受領が禁止されている権利金等に該当しないことを入居契約書等に明示し、入居契約に際し、入居者に対して十分に説明すること。

二 老人福祉法第29条第9項の規定に基づき、前払金の算定根拠を書面で明示するとともに、前払金に係る銀行の債務の保証等の「厚生労働大臣が定める有料老人ホームの設置者等が講ずべき措置」(平成18年厚生労働省告示第266号)に規定する必要な保全措置を講じなければならないこと。

なお、平成18年3月31日までに届け出がされた有料老人ホームについては、平成30年4月1日から3年間は保全措置の法的義務付けの経過期間となっているが、前払金の算定根拠を書面で明示するとともに、適切な保全措置を講じるよう努めること。

三 前払金の算定根拠については、想定居住期間を設定した上で、次のいずれかにより算定することを基本とすること。

イ 期間の定めがある契約の場合

(1ヶ月分の家賃又はサービス費用)×(契約期間(月数))

ロ 終身にわたる契約の場合

(1ヶ月分の家賃又はサービス費用)×(想定居住期間(月数))+(想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えて受領する額)

四 サービス費用の前払金の額の算出については、想定居住期間、開設後の経過年数に応じた要介護発生率、介護必要期間、職員配置及び人件費の変動等を勘案した合理的な積算方法によるものとし、各費用に相当する分の内訳を明確にすること。ただし、介護費用に相当する分について、介護保険の利用者負担分を、設置者が前払金により受け取ることは、利用者負担分が不明確となるので不適当であること。

五 前払金の算定根拠とした想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えて受領する額については、具体的な根拠により算出された額とすること。

六 老人福祉法第29条第10項の規定に基づき、前払金を受領する場合にあっては、前払金の全部又は一部を返還する旨の契約を締結することになっていることから、その返還額については、入居契約書等に明示し、入居契約に際し、入居者に対して十分に説明するとともに、3月以内程度の適切な返還期間を定め、前払金の返還を確実に行うこと。

七 入居契約において、入居者の契約解除の申し出から実際の契約解除までの期間として予告期間等を設定し、老人福祉法施行規則(昭和38年厚生省令第28号)第21条第1項第1号に規定する前払金の返還債務が義務づけられる期間を事実上短縮することによって、入居者の利益を不当に害してはならないこと。

八 着工時において、相当数の者の入居が見込まれない場合については、十分な入居者を確保し安定的な経営が見込まれるまでの間については、前払金の返還金債務について銀行保証等が付されていること。

(3)入居契約前に入居契約を前提として申込金(前払金又は月額利用料に全て充当され、権利金等には該当しないもの)を受領する場合は、受領が禁止されている権利金等に該当しないこと及び入居契約に至らなかった場合は全額返還することを入居希望者に的確に説明するとともに、書面により明確に提示すること。

12 契約内容等

(1)契約締結に関する手続等

一 入居希望者(代理人等が契約する場合には当該代理人等。以下同じ。)が契約に際して、設置者の概要、有料老人ホームの類型、契約手続、利用料等の支払方法などについて契約内容を十分理解した上で契約を締結できるよう、事前に十分説明すること。特定施設入居者生活介護等の指定を受けた設置者にあっては、入居契約時には特定施設入居者生活介護等の提供に関する契約を締結しない場合であっても、入居契約時に、当該契約の内容について十分説明すること。また、当該契約を締結する際には、再度説明すること。

二 契約に際して、家族、保証人、身元引受人が立ち会うよう努めること。家族等の立ち会う者がいない場合には、第三者が立ち会うことが望ましいこと。

三 設置者は、事務手数料等を入居時初期費用と称して受領することはできないこと。

四 前払金の内金は、前払金の20%以内とし、残金は引渡し日前の合理的な期日以降に徴収すること。

五 入居開始可能日前の契約解除の場合については、既受領金の全額を返還すること。

六 入居契約締結後に、入居契約書の共通事項を変更する場合には、必ず運営懇談会で説明した上で、所要の手続きをとること。

七 住宅型有料老人ホームにあっては、入居者の要介護度が重くなれば、介護保険の支給限度額を超える居宅介護サービスが必要となる場合も想定されることについて、入居希望者に対して十分説明を行うこと。

(2)契約内容

一 入居契約書において、次に掲げる事項等が明示されていること。

イ 有料老人ホームの類型(サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けていないものに限る。登録を受けている場合はその旨を記載すること。)及び表示事項

ロ 利用料等の費用負担の額、支払い方法及び改定ルール並びにこれによって提供されるサービス等の内容

ハ 前払金の返還金の有無、返還金の算定方式及びその支払時期並びに前払金の保全措置の内容

ニ 入居開始可能日

ホ 身元引受人等の権利・義務

ヘ 契約当事者の追加

ト 契約解除の要件及びその場合の手続

チ 入居者を一時介護室においてサービスを提供する場合、現在の居室から他の居室若しくは提携有料老人ホームに住み替える場合の手続

リ 入居者及びその家族等からの苦情に対する対応

ヌ 運営懇談会の設置及び審議事項

ル 管理規程で定める事項及び管理規程を変更する場合の手続

二 介護サービスを提供する場合にあっては、心身の状態等に応じて介護サービスが提供される場所、介護サービスの内容、頻度及び費用負担等を入居契約書又は管理規程上明確にしておくこと。

三 利用料等の改定のルールを入居契約書又は管理規程上明らかにしておくとともに、利用料等の改定に当たっては、その根拠を入居者に明確にして同意を得ること。

四 入居契約書に定める設置者の契約解除の条件は、信頼関係を著しく害する場合や、施設が相当の努力をしてもそれを防ぐことができない場合に限るなど入居者の権利を不当に狭めるものとなっていないこと。また、入居者、設置者双方の契約解除条項及びその場合の手続を入居契約書上定めておくこと。

イ 設置者の契約解除の条件は、原則として次の事由のいずれかに該当し、かつ、そのことが契約をこれ以上将来にわたって維持することが社会通念上著しく困難と認められる場合に限定すること。

① 入居申込書に虚偽の事項を記載する等の不正手段により入居したとき

② 月額の利用料その他の支払いを正当な理由なく一定期間以上連続して遅滞するとき

③ 施設の利用において入居者に禁止又は制限をしている規定に違反し是正しないとき

④ 入居者の行動が他の入居者に危害を及ぼすおそれがあり、かつ、入居者に対する通常の介護方法等ではこれを防止することができないとき

ロ 設置者の契約解除の手続は、原則として次によることとし、当該手続は書面により行うこと。

① 契約解除の通告に90日程度の十分な予告期間をおくこと。

② 契約解除の通告に先立ち、入居者及び身元引受人等に弁明の機会を設けること。

③ 契約解除通告の予告期間中に、入居者の移転先の有無について確認し、移転先がない場合には、入居者や身元引受人等と協議し、移転先の確保に協力すること。

④ イ④の事由により契約を解除する場合には、加えて医師の意見を聴くとともに、一定の観察期間を設けること。

ハ 入居者からの契約解除の条件に予告期間を設ける場合は、長くとも30日程度とすること。

五 要介護状態になった入居者を一時介護室において処遇する場合には、医師の意見を聴いて行うものとし、その際本人の意思を確認するとともに、身元引受人等の意見を聴くなどの手続を入居契約書又は管理規程上明らかにしておくこと。

六 一定の要介護状態になった入居者が、現在の居室から他の居室若しくは提携有料老人ホームに住み替える契約の場合、入居者が一定の要介護状態になったことを理由として契約を解除する契約の場合、又は、入居者の心身の状況に著しい変化があり居室を変更する契約の場合(以下「住み替え等」という。)にあっては、次の手続を含む一連の手続を入居契約書又は管理規程上明らかにしておくこと。また、住み替え等によって利用料等の差額が発生した場合の取扱いについても考慮すること。

イ 医師の意見を聴くこと。

ロ 本人及び身元引受人等の同意を得ること。

ハ 一定の観察期間を設けること。

(3)消費者契約の留意点

消費者契約法(平成12年法律第61号)第二節(消費者契約の条項の無効)の規定により、事業者の損害賠償の責任を免除する条項、消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項及び消費者の利益を一方的に害する条項については無効となる場合があることから、入居契約書の作成においては、十分に留意すること。

(4)重要事項の説明等

老人福祉法第29条第7項の規定に基づく情報の開示において、老人福祉法施行規則第20条の5第14号に規定する入居契約に関する重要な事項の説明については、次の各号に掲げる基準によること。

一 入居契約に関する重要な事項を説明するため、別紙様式に基づき「重要事項説明書」を作成するものとし、入居希望者に誤解を与えることがないよう「有料老人ホームに関する不当な表示」(平成16年公正取引委員会告示第3号)及び「『有料老人ホームに関する不当な表示』の運用基準」(平成16年公正取引委員会事務局長通達第11号)を遵守し、必要な事項を実態に即して正確に記載すること。なお、同様式の別添1「事業者が運営する介護サービス事業一覧表」及び別添2「入居者の個別選択によるサービス一覧表」は、重要事項説明書の一部をなすものであることから、重要事項説明書に必ず添付すること。

二 重要事項説明書は、老人福祉法第29条第7項の規定により、入居相談があったときに交付するほか、求めに応じ交付すること。

三 入居希望者が、次に掲げる事項その他の契約内容について十分理解した上で契約を締結できるよう、契約締結前に十分な時間的余裕をもって重要事項説明書及び実際の入居契約の対象となる居室に係る個別の入居契約書について説明を行うこととし、その際には説明を行った者及び説明を受けた者の署名を行うこと。また、署名した重要事項説明書は、設置者もその写しを保管すること。

イ 設置者の概要

ロ 有料老人ホームの類型(サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けていないものに限る。登録を受けている場合はその旨を記載すること。)

ハ 有料老人ホームの設置者又は当該設置者に関係する事業者が、当該有料老人ホームの入居者に提供することが想定される介護保険サービスの種類

ニ 入居者が希望する介護サービスの利用を妨げない旨

四 有料老人ホームの設置時に老人福祉法第29条第1項に規定する届出を行っていない場合や、本指針に基づく指導を受けている場合は、重要事項説明書にその旨を記載するとともに、入居契約に際し、入居希望者に対して十分に説明すること。

(5)体験入居

既に開設されている有料老人ホームにおいては、体験入居を希望する入居希望者に対して、契約締結前に1週間程度の体験入居の機会の確保を図ること。また、提携有料老人ホームへの住み替えが契約書に定められている場合は、提携有料老人ホームにおける体験入居の機会の確保も図ること。

なお、体験入居に関しても、入居前に十分なアセスメントを行うなど、事故防止に必要な措置を講じること。

(6)入居者募集等

一 入居募集に当たっては、パンフレット、募集広告、インターネットのホームページ等において、有料老人ホームの類型(サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けていないものに限る。登録を受けている場合はその旨を記載すること。)、表示事項及び特定施設入居者生活介護等の種類等を明示することにより、提供するサービスの内容、居住の権利形態及び入居時の要件等をわかりやすく表示すること。

二 誇大広告等により、入居者に不当に期待を抱かせたり、それによって損害を与えたりするようなことがないよう、実態と乖離のない正確な表示をするとともに、「有料老人ホームに関する不当な表示」及び「『有料老人ホームに関する不当な表示』の運用基準」を遵守すること。特に、介護が必要となった場合の介護を行う場所、介護の内容及びそれに要する費用の負担、介護を行う場所が入居している居室でない場合の当該居室の利用権の存否、有料老人ホームの土地・建物の権利形態、施設・設備の構造及び仕様、介護・看護職員の配置体制、終身介護についての表示、業務の全部又は一部の委託、入居契約の解除条件等については、入居者及び入居希望者に誤解を与えるような表示をしないこと。

三 1七で定義する特定施設入居者生活介護等の指定を受けていない有料老人ホームにあっては、パンフレット、募集広告、インターネットのホームページ等において「介護付き」、「ケア付き」等の表示を行ってはならないこと。

(7)苦情解決の方法

一 入居者及びその家族等からの苦情に対し、迅速かつ誠実に対応し、円滑な解決を図るため、設置者において相談しやすい環境の整った苦情相談窓口を設け、責任者を明確化するとともに、職員が適切な対応を行うための留意点等を定めた苦情処理マニュアル等を作成するなど、苦情処理体制を整備すること。

二 静岡市高齢者福祉課及び公益社団法人全国有料老人ホーム協会等の外部の苦情処理機関について、名称及び電話番号を重要事項説明書等に記載するとともに施設内の見やすい場所に表示し、入居者及びその家族等に周知すること。また、介護付有料老人ホームにあっては、静岡市介護保険課及び静岡県国民健康保険団体連合会も併せて周知すること。

三 入居者及びその家族等から苦情を受け付けた場合には、迅速かつ誠実に対応し、的確に苦情を解決するとともに、当該苦情の内容及び対応の状況等について、記録して保存すること。また、苦情申出を行った入居者及びその家族等に対して、処遇その他において差別的取扱いを一切しないこと。

四 入居者及びその家族等から相談を受けた苦情相談機関が当該経過状況の聴取等を求めた場合には、誠実に回答すること。

五 入居者及びその家族等からの苦情申立に関する対応について、入居契約書及び管理規程において規定すること。

(8)事故発生の防止の対応

有料老人ホームにおける事故の発生又はその再発を防止するため、次の措置を講じること。

一 事故が発生した場合の対応、次号に規定する報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整備すること。

二 事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、当該事実が報告され、その原因の多角的分析を通した改善策について、職員に周知徹底を図る体制を整備すること。

三 再発防止について検証を行い、記録を保存するとともに、運営懇談会において報告すること。

四 事故発生の防止のための委員会及び職員に対する研修を定期的に行うこと。

(9)事故発生時の対応

有料老人ホームにおいて事故が発生した場合にあっては、次の措置を講じるとともに、事故の状況及び事故に際して採った処置について記録すること。

一 災害、食中毒及び集団感染等の事故が発生した場合は、消防署、保健所及び協力医療機関等と連携しながら直ちに必要な措置を講じること。

二 事故が発生した場合は、速やかに静岡市及び入居者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じること。

三 賠償すべき事故が発生した場合は、入居者に対しての損害賠償を速やかに行うものとすること。

(10)行政への報告

次の事故等が発生した場合には、静岡市高齢者福祉課に直ちに報告すること。なお、報告後も事故が継続している場合には、適宜報告を行うこと。

一 施設から提供されたサービスにより発生した事故(死亡又は医療機関での受診を要することとなった場合)

二 災害、食中毒及び集団感染等の事故

三 設置者及び職員等の法令違反並びに不祥事

四 その他有料老人ホームの運営に関わる重大な事故

13 情報開示

(1)有料老人ホームの運営に関する情報

設置者は、老人福祉法第29条第7項の情報開示の規定を遵守し、入居者又は入居しようとする者に対して、重要事項説明書を書面により交付するとともに、パンフレット、重要事項説明書、入居契約書(特定施設入居者生活介護等の提供に関する契約書を含む。)、管理規程等を公開するものとし、求めに応じ交付すること。

(2)前払金を受領する有料老人ホームに関する情報

前払金を受領する有料老人ホームにあっては、次の事項に留意すること。

一 前払金が将来の家賃、サービス費用に充てられるものであることから、貸借対照表及び損益計算書等の財務諸表又はそれらの要旨についても、入居者及び入居希望者の求めに応じ閲覧に供すること。

二 有料老人ホームの経営状況・将来見通しに関する入居者等の理解に資する観点から、事業収支計画についても閲覧に供するよう努めるとともに、貸借対照表等の財務諸表について、入居者等の求めがあればそれらの写しを交付するよう配慮すること。

(3)有料老人ホーム情報の報告

設置者は、老人福祉法第29条第11項の規定に基づき、有料老人ホーム情報を市長に対して報告すること。

(4)有料老人ホームの類型の表示

サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けていない有料老人ホームの設置者は、有料老人ホームの類型を、別表「有料老人ホームの類型」のとおり分類し、パンフレット、新聞、インターネットのホームページ等において広告を行う際には、施設名と併せて表示することとし、同別表中の表示事項についても類型に併記すること。ただし、表示事項については、同別表の区分により難いと特に認められる場合には、同別表の区分によらないことができること。

(5)介護の職員体制に関する情報

有料老人ホームの類型の表示を行う場合、介護に関わる職員体制について「1.5:1以上」、「2:1以上」又は「2.5:1以上」の表示を行おうとする有料老人ホームにあっては、介護に関わる職員の割合を年度ごとに算定し、表示と実態の乖離がないか自ら検証するとともに、入居者等に対して算定方法及び算定結果について説明すること。

14 設置後の報告等

(1)事業開始報告

設置者は、事業を開始した際には、事業開始報告書に関係書類を添えて、速やかに市長に報告すること。

(2)定期報告

設置者は毎年7月1日現在の重要事項説明書及び介護サービス一覧表を同年7月末までに次の書類を添付して市長に報告すること。

ア 入居契約書

イ 管理規程

ウ 入居案内パンフレット

エ 商業登記簿謄本

オ 役員名簿及び職員配置が確認できる書類

カ 直近の事業年度の貸借対照表、損益計算書等の財務諸表

キ 他業を営んでいる場合は、他業に係る直近の事業年度の貸借対照表、損益計算書等の財務諸表

ク 親会社がある場合には、親会社における直近の事業年度の貸借対照表、損益計算書等の財務諸表

ケ その他市長が指定する書類

附 則

1 この指導指針は、平成15年4月1日から施行する。

2 この指導指針施行の日に、既に設置されている有料老人ホーム並びに、事前協議及び届出等の手続を行っている有料老人ホームについては、立地条件並びに建物の規模及び構造を除き、この指導指針に適合するよう継続的に指導するとともに、立地条件並びに建物の規模及び構造に関しても、契約の更新時や建物の改築・修繕時等において、できる限りこの指導指針に適合するよう指導するものとする。

附 則

1 この指導指針は、平成18年4月1日から施行する。ただし、入居後おおむね90日以内の契約解除の場合の一時金の返還及び類型に係る規定については、平成18年7月1日から適用する。

2 この指導指針施行の日に、既に設置されている有料老人ホーム並びに、事前協議及び届出等の手続を行っている有料老人ホームについては、立地条件並びに建物の規模及び構造を除き、この指導指針に適合するよう継続的に指導するとともに、立地条件並びに建物の規模及び構造に関しても、契約の更新時や建物の改築・修繕時等において、できる限りこの指導指針に適合するよう指導するものとする。

附 則

1 この指導指針は、平成22年5月1日から施行する。

2 この指導指針施行の日に、既に設置されている有料老人ホーム、事前協議及び届出等の手続を行っている有料老人ホーム並びに平成22年度までの整備計画として静岡市保健福祉子ども局福祉部介護保険課との事前協議を終了している介護付有料老人ホームについては、立地条件並びに建物の規模及び構造を除き、この指導指針に適合するよう継続的に指導するとともに、立地条件並びに建物の規模及び構造に関しても、契約の更新時や建物の改築・修繕時等において、できる限りこの指導指針に適合するよう指導するものとする。

附 則

この指導指針は、平成24年7月1日から施行する。

ただし、この指導指針の施行日において、既に設置されている有料老人ホーム並びに設置届出の手続を行っている有料老人ホームについては、この指導指針の11に定める権利金その他の金品の受領禁止規定は、平成27年3月31日までは努力義務とする。

附 則

1 この指導指針は、平成27年7月1日から施行する。

2 この指導指針の施行日において、既に設置されている有料老人ホーム並びに設置届出又は事前協議(「静岡市内において有料老人ホームを設置運営するに際しての必要な事項を定める要領」に規定する有料老人ホーム設置計画事前協議書が提出されているものに限る。)の手続を行っている有料老人ホームについては、立地条件並びに規模及び構造設備に係る規定を除き、この指導指針に適合するよう継続的に指導するとともに、立地条件並びに規模及び構造設備に係る規定に関しても、土地・建物の賃貸借契約の更新時や改築・修繕時等において、できる限りこの指導指針に適合するよう指導するものとする。

附 則

1 この指導指針は、平成30年7月1日から施行する。

2 この指導指針施行の日において、既に設置されている有料老人ホーム並びに事前協議及び届出等の手続を行っている有料老人ホームについては、立地条件並びに建物の規模及び構造設備を除き、この指導指針に適合するよう継続的に指導するとともに、立地条件並びに建物の規模及び構造設備に関しても、土地・建物の賃貸借契約の更新時や建物の改築・修繕時等において、できる限りこの指導指針に適合するよう指導するものとする。

附 則

この指導指針は、令和3年4月1日から施行する。

別表 有料老人ホームの類型

類型 類型の説明

介護付有料老人ホーム

(一般型特定施設入居者生活介護)

介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設である。

1七で定義する特定施設入居者生活介護等の指定を受けており、介護が必要となっても、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護等を利用しながら当該有料老人ホームの居室で生活を継続することが可能である。(介護サービスは有料老人ホームの職員が提供する。特定施設入居者生活介護等の指定を受けていない有料老人ホームについては介護付と表示することはできない。)

介護付有料老人ホーム

(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護)

介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設である。

1七で定義する特定施設入居者生活介護等の指定を受けており、介護が必要となっても、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護等を利用しながら当該有料老人ホームの居室で生活を継続することが可能である。(有料老人ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施し、介護サービスは委託先の介護サービス事業所が提供する。特定施設入居者生活介護等の指定を受けていない有料老人ホームについては介護付と表示することはできない。)

住宅型有料老人ホーム(注)

生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設である。

介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら当該有料老人ホームの居室での生活を継続することが可能である。

健康型有料老人ホーム(注)

食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設である。

介護が必要となった場合には、契約を解除し退去しなければならない。

注)1七で定義する特定施設入居者生活介護等の指定を受けていない有料老人ホームにあっては、広告、パンフレット等において「介護付き」、「ケア付き」等の表示を行ってはならない。

有料老人ホームの表示事項

表示事項 表示事項の説明
居住の権利形態
利用権方式 建物賃貸借契約及び終身建物賃貸借契約以外の契約の形態で、居住部分と介護や生活支援等のサービス部分の契約が一体となっているものである。
建物賃貸借方式 賃貸住宅における居住の契約形態であり、居住部分と介護等のサービス部分の契約が別々になっているものである。入居者の死亡をもって契約を終了するという内容は有効にならない。
終身建物賃貸借方式 建物賃貸借契約の特別な類型で、都道府県知事から高齢者の居住の安定確保に関する法律の規定に基づく終身建物賃貸借事業の認可を受けたものである。入居者の死亡をもって契約を終了するという内容が有効である。
利用料の支払い方式(注1・注2)
全額前払い方式 終身にわたって受領する家賃又はサービス費用の全部を前払金として一括して受領する方式
一部前払い・一部月払い方式 終身にわたって受領する家賃又はサービス費用の一部を前払いとして一括受領し、その他は月払いする方式
月払い方式 前払金を受領せず、家賃又はサービス費用を月払いする方式
選択方式 入居者により、全額前払い方式、一部前払い・一部月払い方式、月払い方式のいずれかを選択できる。どの方式を選択できるのかを併せて明示する必要がある。
入居時の要件
入居時自立 入居時において自立である方が対象である。
入居時要介護 入居時において要介護認定を受けている方(要支援認定を受けている方を除く)が対象である。
入居時要支援・要介護 入居時において要支援認定又は要介護認定を受けている方が対象である。
入居時自立・要支援・要介護 自立である方も要支援認定・要介護認定を受けている方も入居できる。
介護保険
静岡県(静岡市)指定介護保険特定施設(一般型特定施設) 介護が必要となった場合、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護等サービスを利用することができる。介護サービスは有料老人ホームの職員が提供する。(注3)
静岡県指定介護保険特定施設(外部サービス利用型特定施設) 介護が必要となった場合、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護等サービスを利用することができる。有料老人ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施し、介護サービスは委託先の介護サービス事業所が提供する。(注3)
在宅サービス利用可 介護が必要となった場合、介護保険の在宅サービスを利用する有料老人ホームである。
居室区分(○には1~4の数字を表示)
全室個室

居室がすべて個室である有料老人ホームである。(注4)

なお、個室は夫婦等で専用の契約により同一の居室に居住する場合を含む。

相部屋あり(○人部屋~○人部屋) 居室はすべてが個室ではなく、相部屋となる場合がある有料老人ホームである。
一般型特定施設である有料老人ホームの介護にかかわる職員体制(注5)
1.5:1以上

現在及び将来にわたって要介護者3人に対して職員2人(要介護者1.5人に対して職員1人)以上の割合(年度ごとの平均値)で職員が介護に当たる。

これは介護保険の特定施設入居者生活介護等の基準(3:1以上)の2倍以上の人数である。

2:1以上

現在及び将来にわたって要介護者2人に対して職員1人以上の割合(年度ごとの平均値)で職員が介護に当たる。

これは介護保険の特定施設入居者生活介護等の基準(3:1以上)の1.5倍以上の人数である。

2.5:1以上

現在及び将来にわたって要介護者5人に対して職員2人(要介護者2.5人に対して職員1人)以上の割合(年度ごとの平均値)で職員が介護に当たる。

これは介護保険の特定施設入居者生活介護等で、手厚い職員体制であるとして保険外に別途費用を受領できる場合の基準以上の人数である。

3:1以上

現在及び将来にわたって要介護者3人に対して職員1人以上の割合(年度ごとの平均値)で職員が介護に当たる。

介護保険の特定施設入居者生活介護等のサービスを提供するために少なくとも満たさなければならない基準以上の人数である。

外部サービス利用型特定施設である有料老人ホームの介護サービス提供体制(○に職員数、○○○○○に介護サービス事業所の名称を入れて表示)(注6)

有料老人ホームの職員○人

委託先である介護サービス事業所

訪問介護 ○○○○○○

訪問看護 ○○○○○○

通所介護 ○○○○○○

有料老人ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施し、介護サービスは委託先の介護サービス事業所が提供する。
その他(該当する場合にのみ表示。○○○に提携先の有料老人ホームを入れて表示)
提携ホーム利用可(○○○ホーム)

介護が必要となった場合、提携ホーム(同一設置者の有料老人ホームを含む)に住み替えて特定施設入居者生活介護等を利用することができる。(注7)

なお、提携ホームに住み替える際、追加費用を徴収する場合は、その旨を必ず併記すること。

注1)老人福祉法の改正を受けて、従来は「一時金」「一時金方式」と記載していた項目については「前払金」「前払い方式」と修正しているが、当面の間、広告、パンフレット等において「一時金」「一時金方式」という表現を使用することも可能である。なお、「前払金」については、家賃又はサービス費用の前払いによって構成されるものであることから、その実態を適切に表現する名称として、広告、パンフレット等の更新の機会に応じて、順次、「前払金」という名称に切り替えるようにすることが望ましい。

注2)「前払金方式(従来の一時金方式)」については、「家賃又はサービス費用の全額を前払いすること」と、「家賃又はサービス費用の一部を前払いし、一部を月払いすること」では、支払方法に大きな違いがあることから、前者を「全額前払い方式」とし、後者を「一部前払い・一部月払い方式」とする。当面の間、広告、パンフレット等において、従来どおり「一時金方式」という表現を使用することも可能であるが、その場合であっても、入居希望者・入居者への説明にあっては、家賃又はサービス費用の全額を前払いする方式なのか、一部を前払いする方式なのかを、丁寧に説明することが望ましい。

注3)入居者が希望すれば、当該有料老人ホームの特定施設入居者生活介護等サービスに代えて、訪問介護等の介護サービスを利用することが可能である。

注4)個室とは、建築基準法第30条の「界壁」により隔てられたものに限ることとしているため、一の居室をふすま、可動式の壁、収納家具等によって複数の空間に区分したものは個室に該当しない。

注5)介護にかかわる職員体制は、当該有料老人ホームが現在及び将来にわたって提供しようと想定している水準を表示するものである。従って、例えば、現在は要介護者が少なく1.5:1以上を満たす場合であっても、要介護者が増えた場合に2.5:1程度以上の介護サービスを想定している場合にあっては、2.5:1以上の表示を行うことになる。なお職員体制の算定方法については、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第175条第1項第2号イ及び同第2項の規定による。なお、「1.5:1」、「2:1」又は「2.5:1」の表示を行おうとする有料老人ホームについては、年度ごとに職員の割合を算定し、表示と実態の乖離がないか自ら検証するとともに、入居者等に対して算定結果及びその算定方法について説明することが必要である。

注6)訪問介護、訪問看護及び通所介護以外のサービスについて、委託先のサービス事業所がある場合には、サービス区分及びサービス事業所の名称を表示すること。

注7)提携ホームには、介護老人保健施設、病院、診療所、特別養護老人ホーム等は含まれない。

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?