水質汚濁防止法の手引き 印刷用ページ

最終更新日:
2023年7月24日

採水風景

水質汚濁防止法について

1 目的

この法律は、工場及び事業場から公共用水域に排出される排出水及び地下に浸透する排出水を規制することによって公共用水域及び地下水の水質汚濁を防止し、国民の健康の保護及び生活環境の保全を図ること、並びに健康被害者の保護を図ることを目的としています。

 

2 用語の定義

この法律で使われている主な用語の定義は、次のとおりです。

(1) 「公共用水域」

河川、湖沼、港湾、沿岸海域その他公共の用に供される水域及びこれらに接続する都市下水路、かんがい用水路その他公共の用に供される水路(下水処理場に接続している公共下水道と流域下水道は除く)

(2) 「特定施設」

人の健康や生活環境に係る被害を生ずるおそれがある汚水又は廃液(汚水等)を排出する施設で政令で定められたもの

 ※ 「静岡県生活環境の保全等に関する条例」においても同条例に基づく特定施設が定められています。

(3) 「特定事業場」

特定施設を設置している工場又は事業場

(4) 「排出水」

特定事業場から公共用水域に排出される水。特定施設から排出される汚水等だけではなく、生活排水、冷却水、雨水等も含まれます。

(5) 「生活排水」

炊事、洗濯、入浴等の人の生活に伴い公共用水域に排出される水

(6) 「生活環境項目」

化学的酸素要求量その他の水の汚染状態(有害物質を除く)を示す項目として政令で定める項目

(7) 「有害物質」

カドミウム等、人の健康に被害を生じるおそれのある物質として政令で定める物質(28物質)

有害物質一覧(PDF56KB)

(8) 「有害物質使用特定施設」

有害物質を製造、使用又は処理する特定施設

(9) 「有害物質使用特定事業場」

有害物質使用特定施設を設置している工場又は事業場

(10) 「特定地下浸透水」

有害物質使用特定事業場から地下に浸透する水で有害物質使用特定施設に係る汚水等(これを処理したものを含む。)を含むもの

 ※ 有害物質が検出された排出水を地下に浸透させることはできません。

(11) 「指定物質」

有害物質及び油以外の物質であって公共用水域に多量に排出されることにより人の健康若しくは生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質として政令で定めるもの(60物質)

指定物質一覧(PDF26KB)

(12) 「指定施設」

 有害物質を貯蔵し若しくは使用する施設、及び指定物質を製造し、貯蔵し、使用し、若しくは処理する施設

 ※ 特定施設以外の指定施設としては、例えば有害物質を貯蔵のみしている施設や指定物質のみを製造している施設があり、農耕地や土木工事現場、タンクローリーなどは施設ではないため指定施設には該当しません。

(13) 「指定事業場」

指定施設を設置している工場又は事業場

(14) 「有害物質貯蔵指定施設」

有害物質を含む液体を貯蔵する指定施設で地下に浸透するおそれがあるもの

(15) 「有害物質貯蔵指定事業場」

有害物質貯蔵指定施設を設置している工場又は事業場

(16) 「貯油施設等」

重油その他の政令で定める油を貯蔵し、又は油を含む水を処理する施設であって、以下に掲げるもの(特定施設を除く)

 ア 重油その他の政令で定める油を貯蔵する貯油施設

 イ 重油その他の政令で定める油を含む水を処理する油水分離施設

 ※ 政令で定める油:原油、重油、潤滑油、軽油、灯油、揮発油、動植物油

特定施設について

「水質汚濁防止法」及び「静岡県生活環境の保全等に関する条例」で規定されている特定施設を設置している特定事業場においては、排水基準が適用され、排水基準の遵守及び届出の義務が定められていますので、確実に履行するようにしてください。

水質汚濁特定施設一覧表(PDF344KB)

排水基準等

1 排水基準

(1)有害物質使用特定事業場は、公共用水域に排出する際、有害物質に係る排水基準を遵守しなければいけません。

有害物質に係る排水基準(PDF43KB)

 

(2)水質汚濁防止法に基づく特定事業場は、生活環境項目について全国一律排水基準が定められています。

併せて、静岡県知事により「水質汚濁防止法第3条第3項に基づく排水基準に関する条例」に基づき、排水先水域、業種、排水量等による上乗せ排水基準が定められています。

生活環境項目に係る全国一律排水基準(PDF101KB)

 

「水質汚濁防止法第3条第3項に基づく排水基準に関する条例」(静岡県)に基づく上乗せ排水基準(PDF288KB)

 

また、静岡県生活環境の保全等に関する条例に基づく特定事業場は、同条例に基づく排水基準が定められています。

「静岡県生活環境の保全等に関する条例」に基づく排水基準(PDF57KB)


(3)「ほう素及びその化合物」、「ふっ素及びその化合物」、「アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物」、「亜鉛含有量」については業種により暫定排水基準が定められています。
業種による暫定排水基準(PDF52KB)

 

2 測定項目

製造、使用及び処理する物質についての項目を測定してください。

 

3 測定頻度

排水基準が適用される特定事業場は、年1回以上の測定が義務付けられています。

なお、温泉を利用する旅館業における、砒素及びその化合物、ほう素及びその化合物、ふっ素及びその化合物、水素イオン濃度、銅含有量、亜鉛含有量、溶解性鉄含有量、溶解性マンガン含有量並びにクロム含有量については、3年に1回以上となっています。

 

4 記録の保存

測定結果等は3年間の保存義務があります。

届出について

特定事業場については、下記のような場合には届出を行う必要があります。


水質汚濁防止法 (静岡県生活環境の保全等に関する条例)に基づく届出一覧

※届出の様式はこちら

届出種類 届出が必要となる場合 提出期限
特定施設(有害物質貯蔵指定施設)設置届 新たに特定施設等を設置した場合
(例)
・事業所の新設、移転した場合
・今まで特定施設等のない事業所に新たに特定施設等を設置した場合
設置工事着手の60日前
特定施設(有害物質貯蔵指定施設)使用届 使用している施設が特定施設等に該当した場合
(例)
・法改正により特定施設等に指定された場合
特定施設等となった日から30日以内
特定施設(有害物質貯蔵指定施設)変更届 特定施設等の構造、使用の方法、処理の方法、排出水の変更した場合
(例)
・特定施設等の構造等を変更する場合
・排水処理施設、排水量及び排水経路を変更する場合
・下水道に接続し、排出水を公共用水域に排出しなくなる場合
変更等工事着手の60日前
氏名等変更届 届出者の氏名、住所、事業所の名称に変更があった場合
(例)
・事業所の所在地は変わらないが、本社が移転した場合
・法人の代表者が変更となった場合
・法人、事業所の名称に変更があった場合
変更があった日から30日以内
特定施設(有害物質貯蔵指定施設)使用廃止届 特定施設等の使用を廃止した場合(全廃でない場合は、変更届と併せて提出)
(例)
・事業所の移転、閉鎖
廃止となった日から30日以内
承継届 特定施設等を譲り受ける場合
(例)
・会社の合併により新たな法人が特定施設等の設置者となる場合
・分社化等により子会社が特定施設等の設置者となる場合
承継があった日から30日以内
事前協議(県条例第10条) 排水量2,000m3/日以上の特定事業場又は排水量50m3/日以上の有害物質使用特定事業場で、施設を新・増設する場合
※なお、ISO14001又はエコアクション21の認証を受けている事業者は、協議免除届の提出により事前協議を免除される場合があります。
設置工事着手の90日前

事故時の措置の対応

工場又は事業場による水質汚濁には、平常時における排出水によるもののほか、何らかの事故等による突発的な汚染物質の流出があります。水質汚濁防止法では、このような事故時における対応としては、下記のとおりの義務付けがなされています。


1 特定事業場の設置者(第14条の2第1項)

特定事業場の設置者は、事故により有害物質を含む水若しくは生活環境項目について排水基準に適合しないおそれがある水が公共用水域に排出され、又は有害物質を含む水が地下に浸透したことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、ただちに引き続く有害物質を含む水若しくは当該排水基準に適合しないおそれがある水の排出又は有害物質を含む水の浸透の防止のための応急の措置を講じなければなりません。


2 指定事業場の設置者(第14条の2第2項)

指定事業場の設置者は、事故により有害物質又は指定物質を含む水が公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、ただちに引き続く有害物質又は指定物質を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講じなければなりません。


3 貯油施設等を設置する工場又は事業場の設置者(第14条の2第3項)

貯油事業場等の設置者は、事故により油を含む水が公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、ただちに引き続く油を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講じなければなりません。


4 上記1~3の措置を講じた者は、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を市へ届出なければなりません。


河川等の適正な利用について

 上記のように工場又は事業場に起因する事故のほか、公共用水域に油や何らかの薬品・化学物質が流れたり、魚類等がへい死することがあります。このような水質汚濁事故が発生した場合、被害の拡大を防ぐため、流出防止措置等を早急に行う必要があります。流出原因者は、すぐに流出の防止を図るとともに、環境保全課まで御連絡くださいますようお願いします。
 また、市民の皆様におかれましては、公共用水域に油や薬品・化学物質等を流さないようお気を付けいただくとともに、公共用水域において魚類等が大量にへい死しているのを発見した場合は、すぐに環境保全課まで御連絡くださいますようお願いします。

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