民俗

 年の初めに一年の安泰・豊作を願い、盆に先祖を迎え、そして収穫の秋には豊かな実りに感謝する。静岡市内には、四季折々の様々な民俗芸能や行事が伝承されています。それらの多くは中世や近世の時代から地域の人々によって脈々と受け継がれてきたものです。
 
 ところが、戦後の高度成長期以降は急激に生活環境が変化し、人々の価値観も多様化したために、後継者不足など多くの問題を抱えるようになりました。しかし、「伝統を絶やしてはいけない」「親が大好きだったこの踊りを自分たちも何とか受け継いでいきたい」といった地元の人々の想いが、多くの民俗文化財を今日まで大切に守り伝えてきました。

 私たちは各地の民俗文化財を観賞することで、その地域の歴史ばかりでなく、人々が抱いてきた自然観、人生観といったものまでうかがい知ることが出来ます。また、何より長い間愛され続けてきた芸能や行事ですから、芸術的にも娯楽的にも優れたものばかりといえます。ぜひ皆さんも現地へ足をお運びいただき、わがまちの伝統文化を肌で感じてみてください。