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更新日:2024年2月15日
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No.16 従事官曹命采(蘭谷)七言絶句
- 使行年 西暦1747年~1748年
- 制作者 曹命采
- 形態 紙本墨書
- 制作年代 延享5年・西暦1748年
- 寸法 縦36.1cm×横58.7cm
忍師の来訪を受け直ちに上使の韻に次してこれを贈る
使節である私を訪問するために、関棙主忍住職はわざわざ訪問してくれたが、海上に広がる空を眺めていると、突き詰めた思念(しねん)が解放され、帰国の事を忘れてしまいそうだ。参星と商星とが西と東に遠く離れているように、重ねて住職に親しく面会は出来ないでしょう。日本の事を思うと、夢だけがたよりになるでしょう。
In order to meet me, an envoy, chief priest Kanrei Shunin came all the way to see me. Looking out at the sky spreading over the sea, and released from my final duties, I seem to forget about returning home. Just as Orion and Antares are far apart between east and west, we shall not be able to have friendly meetings with the chief priest again, will we? When I think back about Japan, all that will remain is a dreamlike memory.
주인(主忍)스님의 내방을 받고 곧바로 상사의 운을 차운하여 증정하다.
나를 찾아 부지런히 석장을 날러오니
바다 하늘의 이별 사념 돌아가길 잊었노라.
삼성 상성 지역이 달라 다시 보기 어려우나
부상으로 고객 돌리면 꿈에서만 희미하리.
종사관 난곡 주초
*主忍・・癸未年(1763年)のときの清見寺住職だった関棙主忍。
*錫杖・・寺の僧侶が法席で使用する杖
*参商・・参星と商星。参とは冬の星座・オリオン座の三つ星で、商は夏の星座・蠍座の大火心星。お互いが東西に分かれ、同じ時期に見ることができないことから、会うことができない間柄を表す。
*扶桑・・太陽が昇る場所にあるという伝説上の大きな木。ここでは漠然と日本がある東の海を示す。
*走草・・一気に書き下ろすこと