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更新日:2024年2月15日
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No.20 書記李鳳煥(済庵)七言律詩
- 使行年 西暦1747年~1748年
- 制作者 李鳳煥
- 形態 紙本墨書
- 制作年代 延享5年・西暦1748年
- 寸法 縦31.8cm×横53.8cm
忍上人に和す
崩れかけた崖に生える芭蕉や竹林に眼を上げると、遥かに長々と見え、清見寺の著名な住職にお会いし、沖を行く舟を見下ろしている。裏山の峰に煙雨(えんう)に洗われてくっきりと見え、香るような大気の聳(そび)える峰に中秋(ちゅうしゅう)の月が輝いている。高い松の枝には浮き雲の影がかかり、瀧の流れは海に注いでいる。この清見寺という世界の隅々まで、秀徹(しゅうてつ)した仏の眼が行き届いているのであろうし、使節で立ち寄られた先人達の遺墨(いぼく)が禅院(ぜんいん)を鎮護(ちんご)しているのである。
Lifting my eyes to the bananas and bamboo groves on the crumbling cliff, they appear vast in number, and meeting with Seikenji’s celebrated chief priest, we look down upon the boats headed to the open sea. The mountains behind appear clear, washed clean by a fine rain, and the mid-autumn moon shines over the looming pass in the fragrant air. A floating shadow of a cloud hangs over the branches of a tall pine, and the waterfall’s current pours into the sea. The clear eyes of the Buddha reach every corner of this place called Seikenji, and the calligraphy left by our predecessors who stopped here is kept ever so safely in this Zen temple.
인상인에게 화답함
절벽에는 파초와 대나무 멀리 기다랗고
이름난 중을 만나 먼 배룰 굽어본다.
자라 언덕의 기화요초는 안개비 내릴 때요
하늘 향기 축령의 달 뜨는 중추절이로다.
높은 솔엔 뜬구름 그림자 흩어지지 않고
가는 폭포는 그래도 바다로 통하여 흘러든다.
만리 시야가 밝은 제불택에는
청라의 글씨가 선루를 진압하였네.
제암
*鷲嶺・・西域を越える山岳地帯にある峠で、ここでは清見寺にある山を示す。
*諸仏宅・・諸々の仏様の家という意味で、清見寺の楼閣には螺山朴安期が揮毫した諸佛宅という扁額が掛っていたと言う。
*青螺の遺墨・・仁祖癸未年(1643年)に読祝官として参加した朴安期の号が螺山で、「諸佛宅」の懸け板の文字は螺山の揮毫。