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更新日:2025年3月19日
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静岡市下水道アセットマネジメントの取組
下水道事業におけるアセットマネジメントとは、社会ニーズに対応した下水道事業の役割を踏まえ、下水道管・施設に対し、管理に必要な費用、人員を投入し、良好な下水道サービスを継続的に提供するための事業運営と位置付けられています。(「アセットマネジメントの基礎解説」平成29年3月国土交通省)
本市では「静岡市アセットマネジメント基本方針」(PDF:47KB)を策定し、アセットマネジメントの導入を通じて、経営資源であるアセット(「モノ」、「カネ」、「ヒト」)に着目した取組を実施、効果的・効率的に事業を推進しています。
アセットマネジメントの取組については、「静岡市上下水道事業経営戦略(下水道編)【改訂版】令和5年3月」(PDF:7,894KB)の「第2章-4」「第3章-4」をご覧ください。その中から代表的な取組を以下に紹介します。
「モノ」に着目した取組
下水道は、汚水や雨水を流す「下水道管」と、生活排水をきれいにしたり、市街地に降った雨水を排除したりするための浄化センター・ポンプ場などの「施設」という大きく分けて2つの資産(モノ)から構築されていますが、本市の下水道は下水道管延長が約2,500km、浄化センターが7施設、ポンプ場が16施設あり(令和6年3月末時点)、標準耐用年数を経過した資産が増加しています。
下水道は重要なインフラであり、住民に対して継続的に下水道サービスを提供するためには、戦略的な維持管理・改築等の対応が必要です。
そこで本市では、効果的・効率的な改築を図り、計画的に老朽化対策を進めていくため、中長期的な改築計画である「静岡市公共下水道再構築基本計画(管路・施設)」を策定し、事業の平準化や、適切な改築・修繕による施設管理に取り組んでいます。
下水道では、下水道管やマンホールなどの土木施設をはじめ、ポンプなどの機械設備、それらを駆動・制御する電気設備など様々な種類の資産があり、それぞれ標準耐用年数どおりに改築を行えば、効率が悪くコストも膨大なものとなります。そのため「静岡市公共下水道再構築基本計画(管路・施設)」では、一概に標準耐用年数で改築を行うのではなく、各資産の特性等を考慮した保全方法を選択し、中長期的に見て最適な事業シナリオを設定しています。
「カネ」に着目した取組
下水道事業の目的は、生活雑排水などを衛生的に処理・再生して健全な水循環を創出するとともに、総合的な浸水対策を実施するとともに、総合的な浸水対策を推進することにより、安全・安心なまちを実現し、将来にわたって持続可能な事業を展開することです。
一方で、老朽化が進行する下水道管や施設の改築をはじめ、地震対策や浸水対策などの各事業には多額の資金が必要となり、それらの事業費を合わせた投資の見通し「投資試算」と、その支出を賄うための財源の見通し「財源資産」を均衡させることが、持続可能な下水道事業を実現させるにあたって重要な要素となります。この収支均衡のため、耐震性や老朽化の度合いを詳細に分析した上で、事業の優先順位付けを行い、中長期的な更新計画とその計画に基づいた事業の着実な実施が求められます。
そこで、老朽化対策では、「静岡市公共下水道再構築基本計画(管路・施設)」において事業シナリオの設定にあたって年間の投資額をシミュレーションしており、投資の最適化・平準化を進め、投資費用を抑えています。そしてその他の各事業についても投資額をシミュレーションし、選択と集中により限られた財源を優先度の高い事業に投資し、確実に進めていきます。
「ヒト」に着目した取組
人材育成の推進
これまで、下水道事業の業務は多岐にわたるため、各業務に係る概要や各種計画、制度などについて毎年度部内研修を実施しています。講師を職員が務める場合もあれば、外部から専門の講師を招いて実施する場合もあり、毎年度約20の研修を実施しています。
民間活力の活用について
本市では、7浄化センターと16ポンプ場の運転管理をすべて民間に委託しています。そのうち4浄化センターと10ポンプ場はPPP/PFI手法の1つである「包括的民間委託」により維持管理しています。
また平成29年1月に、これまで産業廃棄物として処理していた汚泥をエネルギー資源(炭化物)として有効利用するとともに、CO2排出量の削減を図ることができる汚泥燃料化施設を中島浄化センターに建設しました。本事業は「民間活力イノベーション推進下水道事業」を活用して、PPP/PFI手法の1つであるDB+O方式を導入したものです。これにより、平成29年1月から令和19年3月末までの間、同施設の維持・管理・運営を民間事業者に包括的に委託しています。