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更新日:2024年2月15日

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2 寸又川層群砂岩泥岩互層の褶曲

褶曲の一部の写真

A 構成・特徴・状態

東俣林道沿いの寸又川帯の地層は、他の分布域と同様に地層の成層状態が保存された海溝を充填した乱泥流堆積物(タービダイト)起源の砂岩泥岩互層からなる。ここでは、この砂岩泥岩互層(単層10cm前後)が作る軸面が北西に急傾斜し、ほぼ水平な褶曲軸を持つ。半波長数m~10数m程度の閉じた山型の非対称褶曲が、露頭の幅100m以上,高さ10m前後にわたってほぼ連続的に観察できる。褶曲波面は北西に緩く傾斜している。
【状態】この露頭は見通しの良い直線的な林道区間にあるので、車両の通行に対して配慮しやすい。露頭周辺からの崩落も少ないので、危険度も少ない。ただし、夏期には草や木の枝葉によって隠され、褶曲は断続的にしか見られなくなる。この時期に多人数で観察する場合には、邪魔となる草・枝葉を刈り払う必要がある。露頭規模の褶曲構造が観察できる教科書的場所なので、道路法面保護工事などで覆われることなく保存したい。

B 周辺環境

登山基地椹島に向かう途中にある林道沿いの好適なジオサイト。林道入り口からここまで距離があるので、徒歩で到達するには時間がかかりすぎる。椹島の送迎バスに一時停車してもらうことになる。椹島からは徒歩で約1時間。赤崩や椹島周辺のジオサイト群と組み合わせて、ジオツァーコースを設定すると良い。

C 価値

付加体の地質構造の特徴の一つは、種々の褶曲構造が認められることである。寸又川帯の砂岩泥岩互層中には、局所的に露頭規模の褶曲が発達しているのが各所で観察できる。しかしながら、この規模の褶曲構造が林道沿いに簡単かつ連続的に観察できる場所は多くはなく、ここは東俣林道では最善の場所である。南アルプス林道、蕎麦粒山付近の褶曲と同様に、貴重な場所といえる。

D 場所

【位置】静岡市葵区田代,大井川赤石渡と赤石ダムサイトのほぼ中間の東俣林道沿いの露頭
【緯度・経度】褶曲帯中部(N35゜24’36”,E138゜12’04”)

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