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ページID:1609
更新日:2025年2月17日
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15.大井川中流部の曲流:家山と鵜山の七曲がり
A構成・特徴・状態
大井川の中流部の家山と鵜山の七曲がり周辺では、穿入蛇行による曲流の状態が良く観察できる。家山はかっての蛇行河川が頸部でショートカットされて廃棄された河道跡を利用した町であり、野守の池は三日月湖の名残、天王山は曲流の中央部に残された環流丘陵である。このような廃棄河川跡,環流丘陵地形は、曲流が連続する家山の上流側、鵜山の七曲がりでも認められる。ただし、この付近の大井川は幅広い河原を作る堆積域となり、現在では穿入蛇行は進行していない。
【状態】この地域周辺は比較的人工密度が大きく、土地改変も進んでおり、野守の池も三日月弧としての形態は不明瞭となっているが、大地形としての曲流の状態は残されている。ただし、鵜山の七曲がりの曲流を一望できるアクセスの良い展望地はほとんどないので、2.5万分の1地形図などと見比べながら見学すると良い。この付近の大井川は、川幅に比較して水量が極端に少ない。これはダムによる取水が原因で、自然状態ではないことを念頭にいれておく必要がある。
B周辺環境
この付近の大井川の両岸には自動車道が整備されているが、路線バスは運行されていない。したがって、見学には自家用車を利用するか、大井川鉄道を利用し、目的とする付近の各駅で下車しなければならない。高度差が少ないので、自転車を活用するのも良い。接岨峡や寸又川流域の穿入蛇行とあわせて見学すると良い。
C価値
この付近の大井川は、四国西部の四万十川とともに、日本を代表する穿入蛇行による曲流河川である。穿入蛇行の各段階の地形が連続して容易に観察でき、優れた地形教材となる。
D場所
【位置】島田市家山-川根本町塩郷間
【緯度・経度】天王山(N34゜56’28”,E138゜04’28”)