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更新日:2024年2月15日

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12 千頭周辺の犬居帯の構造性メランジュ

12 千頭周辺の犬居帯の構造性メランジュの写真

A構成・特徴・状態

千頭周辺には犬居帯に属するメランジュが広域的に分布している。このメランジュの岩石組織を観察するには、河床部の露頭が良い。犬居メランジュの主体は、泥質基質中に大小の砂岩岩塊が不規則に散在した混在岩である。岩塊の一部に緑色岩を含む。泥岩基質の多くは光沢と条線をもつ剥離性に富んだ劈開を持ち、その劈開と平行にレンズ状岩塊の長片が配列している。組織の非対称性から、地層とほぼ平行な剪断作用によって形成された構造性(テクトニック)メランジュであると推定されている。また、広域的な分布と剪断方向が一定方向を向くことから、これらの岩石組織は、沈み込む海洋プレートと陸側のブレートの境界付近で形成されたものであると指摘されている。
【状態】河川沿いに走る道路から簡単に河床におりられる場所が多く。増水さえしていなければ、河床は比較的安全に歩くことができる。車で移動しながら、観察適地を探せば良い。河床沿いの露頭の大部分は水流によって磨かれ新鮮なので岩石組織の観察に適している。好露頭としては、池ノ谷の蛇行切断部のほかに、寸又峡温泉猿並橋付近、千頭北方両国橋右岸側上流付近、同南方の三盃付近の大井川河床などである。ただし、三盃露頭は大井川の網状流の流路変化によっては中州状態となる。

B周辺環境

寸又峡温泉猿並橋付近と組み合わせてジオツァーコースを設定すると良い。

C価値

メランジュは付加体を特徴づける岩石であり、その中で緑色岩やチャート岩塊を持つ構造性メランジュは、プレート沈み込みに関する様々な情報を保存している。この犬居メランジュはチャート岩塊を含んではいないが、構造性メランジュの特徴を有する模式的な地層である。岩石組織の観察からプレート沈み込み方向を解析した先駆的な例でもある。

D場所

12 千頭周辺の犬居帯の構造性メランジュの場所

【位置】静岡県川根本町千頭付近の大井川河床および寸又川河床
【緯度・経度】三盃露頭(N35゜06’36”,E138゜07’29”)

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