静岡南北道路

静岡市における交通は、古くから東海道が基軸とされ、人やモノが行き交い、日本経済を支えてきました。このため、東西軸の道路網が発達し、今では、新東名高速道路、東名高速道路、国道1号のほか、多くの道路が整備されています。
一方で、これら東西軸を結節する南北軸は脆弱であり、ネットワークとしての効果を最大限に発揮するためには、南北軸の強化が必要となります。
このページでは、静岡市の主要な南北軸である「静岡南北道路」と、令和3年7月に静岡県道路交通渋滞対策推進協議会にて立体化の方向性が示された「静岡南北道路長沼立体」について紹介します。

静岡南北道路とは

静岡南北道路は、北は新東名高速道路（新静岡IC）から、南は国道150号までを連絡する延長約10kmの路線であり、人流・物流の円滑化や活性化によって経済活動を支えるとともに、激甚化、頻発化、広域化する災害から迅速な復旧・復興を図るための極めて重要な道路＝「高規格道路※」として位置付けています。
この静岡南北道路のうち、新東名高速道路（新静岡IC）～（都）流通センター中央線の間約3kmについては、平成23年3月に暫定2車線にて開通しています。

※高規格道路：主要な都市や重要な空港・港湾を連絡するなど、高速自動車国道を含め、これと一体となって機能する、もしくはこれらを補完して機能する広域的な道路ネットワークを構成する道路。地域の実情や将来像（概ね20～30年後）に照らした事業の重要性・緊急性や地域の活性化や大都市圏の機能向上等の施策との関連性が高く、十分な効果が期待できる道路で、求められるサービス速度が概ね60km/h以上の道路。

静岡南北道路整備により期待される効果

道路ネットワークの強化

静岡南北道路は、東名・新東名高速道路を結ぶ市内唯一の南北軸であり、これに高規格道路としての定時性・速達性が付加されることで、ネットワークの強化が図られ、さらには東西軸との連携により、人・モノの移動の更なる活発化が期待されます。

災害時の代替機能

平成29年の台風21号では、東名高速道路と国道1号バイパスの薩埵峠区間において通行止めが発生しました。これにより、新東名高速道路へ迂回しようとした交通が清水連絡路に集中し、大規模な渋滞が発生しました。
静岡南北道路が高規格道路として整備されることで、清水連絡路の代替の役割を果たし、新東名高速道路へ向かう交通の分散効果が期待されます。

長沼地区周辺における交通課題

長沼交差点の渋滞

国道1号と静岡南北道路が交差する長沼交差点では慢性的な渋滞が発生しており、長沼交差点の渋滞損失時間は、静岡県内の国道1号の渋滞対策が未計画の箇所でワースト1となっています。また、この渋滞損失時間を県内の国道1号における平均値と比較すると、長沼交差点では、6倍以上の損失となるなど、経済活動や市民生活に多大な影響を与えていることが分かります。
さらに、長沼交差点の渋滞を回避しようと、生活道路に迂回車両が入り込み、地域住民の安全・安心にも悪影響を及ぼしています。

長沼大橋の老朽化・耐震性の課題

長沼交差点と接続する長沼大橋は昭和41年の竣工から、60年弱が経過し、老朽化が進行するとともに、一部の橋脚が、熊本地震で落橋したロッキング橋脚※であり、大地震時に落橋に至る可能性があるため、迅速に補強するなどの対応が必要となっています。

※ロッキング橋脚：上下端の橋梁を支える部分が回転可能な構造の柱で構成され、単独では自立できない特殊な橋脚

静岡南北道路長沼立体

これら長沼地区周辺の課題を背景に、国、県、市で構成される静岡県道路交通渋滞対策推進協議会長沼ワーキンググループにて議論し、課題解消策として、立体化の方向性を決定しました。
この静岡南北道路長沼立体は、静岡鉄道踏切と長沼交差点を跨ぐ立体化事業と長沼大橋の橋梁架け替え事業を一体的に実施する事業で、長沼立体が実現することにより、長沼交差点の渋滞解消だけでなく、長沼大橋の老朽化や耐震性の課題解消、さらには、静岡市における交通ネットワークの強化が期待されます。
今後、国・静岡県・静岡市が引き続き連携し、地域の合意形成を図りながら、対策案の詳細な検討を進めてまいります。

静岡県道路交通渋滞対策推進協議会　第3回長沼WG（外部サイトへリンク）

静岡南北道路長沼立体実現に向けた取り組み　～国道1号長沼交差点機能強化促進期成同盟会～

長沼交差点周辺の交通課題解消のため、地元自治会、経済界、地元選出国会議員、市議会議員で構成される「国道1号長沼交差点機能強化促進期成同盟会」を令和2年11月に設立しました。
期成同盟会では、国に対する要望活動等を通じ、静岡南北道路長沼立体の早期実現について、地域の声を届けていきます！