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ページID:1561
更新日:2024年2月15日
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27 ブナ・ミズナラ・ツガ
A構成・特徴・状態
特徴
- 20m×20mの調査区内に、ブナ8本(直径:平均30cm~35cm・最大60cmの巨木あり)、ツガ3本,ミズナラ2本(直径80cmの巨木あり)が生育する。
- 最も生育数の多いブナの実生はあまり見られない。
- アオダモ・オオイタヤメイゲツは樹高が5m前後で、低木層を構成する。
- 林床は高さ1.5m~1.8mにスズタケに覆われている。
状態
- 調査区内では、ブナはほぼ満遍なく分布し、ツガは1ヶ所にまとまって分布する傾向がある。
- スズタケが林床を密に覆っているため、樹木の実生や草本植物はあまり見られなかった。
- 最も生育数の多いブナはほとんどが直径30cm以上の大木であり、実生や小径木があまり見られない。
B周辺環境
- 直径30cm以上のブナやツガなどが分布する針広混交林が山頂付近まで広がる。
- 林床がスズタケに覆われ、草本植物などはあまり見られない。
C価値
一般に、太平洋側のブナ林は日本海側に比べ分布域が狭く、ブナの優占度が低いと言われている。本地域ではブナが最も生育数が多いが、ツガやミズナラ・アオダモなどが分布し、針広混交林となっている。
また、このブナはほとんどが直径30cm以上の大木で、その実生や小径木はあまり見られない。これは、現在生育する大木が枯死するとこの場所からブナが消滅することを意味する。環境が激変しつつある今日において、分布域の狭い太平洋側に見られるブナ林として、さらに今後どのようにこのブナ林が変遷するのかを知る上でも非常に貴重な存在であると言える。
D場所
【位置】
蕎麦粒山北東面の標高1570m付近
【GPS】
北緯 35°07′40.0″
東経 138°02′ 9.5″