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更新日:2024年2月15日
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平成26年度 南アルプス環境調査の概要
静岡市では、南アルプスユネスコエコパーク地域内で計画されている中央新幹線建設事業の工事実施にあたり、現在の自然環境の状況等を調査しました。
水資源影響調査は、南アルプスの水循環モデルを構築し、トンネル掘削による表流水、地下水への影響を予測しました。この解析では、トンネル掘削による湧水量が1秒あたり約1.5tと予測され、大井川流域の表流水や地下水の流量が減少する可能性があります。
大気質、水質、動植物調査は、南アルプスユネスコエコパーク地域内の大気汚染物質濃度、河川水質、希少動植物の生息、生育状況を調査し、現状を把握しました。結果として、大気質については汚染が少ないこと、水質については極めて清澄であることが確認されました。動植物については、46種の重要な種を確認しました。その内、中央新幹線環境影響評価手続きでは確認されなかった13種を確認しました。(※)関係機関等の指摘を受け、調査内容を再度確認し、確認種数を修正しました。(27年6月11日修正)これらの調査結果を踏まえ、中央新幹線建設事業の環境保全措置が適切に実施されるよう注視していきます。
調査結果は以下のとおりです。 (1)水資源影響調査 (2)大気質・水質・動植物調査
(1)水資源影響調査
南アルプスの水循環モデルを構築し、トンネル掘削による表流水、地下水への影響を予測しました。
(担当:環境創造課)
- (1)調査項目:水循環モデルの構築、現況再現解析、トンネル掘削によるシミュレーション
- (2)調査領域:南アルプス主要部(中央新幹線建設事業早川~小渋川間トンネル約25km含む)
- (3)調査結果:現時点で得られる情報をもとに2010年~2012年の気象条件で行った解析では、トンネル掘削による湧水量は、1秒あたり約1.5tと予測され、大井川流域の表流水や地下水の流量が減少する可能性があります。
ただし、現時点で得られる情報による解析であり、斜坑や工事用道路等の情報は組み込まれていません。
(3次元格子モデルによる解析格子の地表面標高表示)
(2)大気質・水質・動植物調査
南アルプス地域の現在の自然環境の状況を把握するため、大気質、水質、動植物の調査を実施しました。
1 大気質調査(担当:環境保全課)
- (1)調査項目:二酸化硫黄、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、風向・風速ほか
- (2)調査地点及び時期:井川支所(5月、8月、11月)、二軒小屋(8月)
- (3)調査結果:環境基準値や静岡市内の常時観測測定局等との比較により、調査地点の大気汚染は少ないことが確認されました。
2 水質調査(担当:環境保健研究所)
- (1)調査項目:水素イオン濃度(pH)、生物化学的酸素要求量(BOD)、カドミウム、鉛、ほか
- (2)調査地点及び時期:大井川本流ボッチ薙付近、東俣川二軒小屋付近、西俣川二軒小屋付近(5月、7月、9月、11月)
- (3)調査結果:水質基準値や市内河川の水質データとの比較により、調査地点は極めて清澄な水質であることが確認されました。
3 動植物調査(担当:環境創造課)
- (1)調査項目:植物、哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、魚類、昆虫類、菌類(キノコ類)
- (2)調査領域:扇沢、西俣、東俣ほか(5~11月)
- (3)調査結果:全体で重要な種46種を確認しました。その内、中央新幹線環境影響評価手続きでは確認されなかった13種を確認しました。
(哺乳類2種、鳥類1種、魚類1種、昆虫類3種、植物3種、菌類3種)
(※)関係機関等の指摘を受け、調査内容を再度確認し、確認種数を修正しました。(27年6月11日修正)
調査で確認された種
(写真左:ヒナコウモリ、写真右:ウスイロオナガシジミ)
(写真左:オイケクビボソジョウカイ、写真右:ヒトツバテンナンショウ)