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更新日:2024年2月15日

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静岡市消防局救急業務感染防止対策実施要綱

(趣旨)

第1条 この要綱は、静岡市消防局救急業務取扱規程(平成15年静岡市消防本部訓令第18号)第32条及び第52条第2項の規定に基づき、救急業務等に関する感染防止に必要な事項を定める。

(感染防止の基本)

第2条 救急業務等に関しての感染防止対策は、事前対策及び事故発生時の対応を基本とする。

(感染防止の事前対策)

第3条 救急業務等の活動に従事する救急隊員及びその他の隊員(以下「救急隊員等」という。)における感染防止に関する事前対策の要点は、次のとおりとする。

(1)救急隊員等又は救急資器材等が感染の媒介とならないように手洗いの励行及び救急資器材等の滅菌、消毒を徹底し、救急救助活動等に係わる救急隊員等の感染を防止するため、ゴム手袋等を着装するものとする。

(2)救急救護に関する救命講習の指導者は、講習の実施に当たって応急手当普及啓発用資器材の消毒、滅菌等の処置及び感染防止の指導を行うものとする。

2 救急隊員等の感染防止要領は、次のとおりとする。

(1)救急活動時の観察及び応急処置上の留意事項は、別記1による。

(2)救急救助活動時の感染防止処置及び処置内容基準は、別記2による。

(3)救急自動車、回転翼航空機及び救急資器材(応急手当普及啓発用資器材を含む。)(以下「救急自動車等」という。)の消毒基準は、別記3により行い、救急自動車及び回転翼航空機の内部(以下「救急車内等」という。)の消毒については、定期消毒を毎月1回実施する。なお、救急車内等の消毒の実施結果は、消毒実施記録簿を作成記録するとともに、救急車内等に標示する。

(4)滅菌、消毒の区分及び実施要領は、別記4による。

(5)前各号に掲げるもの以外の感染防止要領は、感染症の患者の移送の手引きについて(平成16年3月31日健感発第0331001号厚生労働省健康局結核感染症課長通知。以下「感染症患者移送の手引き」という。)を準用する。

(感染事故発生時の対応基本)

第4条 署長及び消防局警防部警防課長(以下「署長等」という。)は、救急隊員等が救急業務等の実施に際し、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年10月2日法律第114号)第6条に規定する感染症、ウイルス性疾患等の病原体により感染し、又は感染のおそれが生じた場合には、消防局警防部救急課長(以下「救急課長」という。)へ速報するとともに、別記5により消防局長(以下「局長」という。)に報告するものとする。

(感染の危険が生じた場合の応急処置等)

第5条 救急隊員等の感染危険発生時における応急処置は、次のとおりとする。

(1)救急隊員等の皮膚が血液で汚染された場合は、速やかに大量の流水で十分に洗い流し、石けんを使用してよく洗う。

(2)針刺しや切創事故が生じたり、結膜又は粘膜が血液又は体液で汚染された場合は、次により処置する。

ア 受傷後直ちに大量の流水で十分に洗い流し、石けんを使用してよく洗う。

イ 0.1%次亜塩素酸ナトリウム液に2分から3分間浸す。

ウ 粘膜には10%ポピドンヨード液を用いる。

(3)前2号に掲げるもの以外の応急処置要領は、感染症患者移送の手引きを準用する。

2 感染危険発生時における状況報告等は、次により行うものとする。

(1)署長等は、速やかに救急課長を経由して局長に報告するとともに、産業医又は保健所に事故発生状況を説明し助言を受けるものとする。

(2)署長等は、収容医療機関の医師に、当該傷病者の感染の有無の連絡を依頼するとともに、その結果を救急課長に報告するものとする。

(3)救急課長は、当該傷病者が診断の結果、前条に該当する感染症の疑いが生じた場合は、産業医又は保健所の指導により必要な処置を行うものとする。

(雑則)

第6条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、別に定める。

附則

この要綱は、平成15年4月1日から施行する。

附則

この要綱は、平成17年4月1日から施行する。

附則

この要綱は、平成18年4月1日から施行する。

附則

この要綱は、平成19年11月1日から施行する。

附則

この要綱は、平成20年4月1日から施行する。

附 則

この要綱は、平成22年1月27日から施行する。

附則

この要綱は、平成22年4月1日から施行する。

附則

この要綱は、平成28年4月1日から施行する。

附則

この要綱は、令和4年4月1日から施行する。

別記1(第3条関係)

救急活動時の観察及び救急処置上の留意事項

1 観察の結果、血液、嘔吐物、排泄物等がある場合又は海外から帰国して下痢、嘔吐、急な熱、呼吸困難等(以下「下痢等」という。)の症状がある場合は、感染防止に十分配慮して行動する。

2 感染の危険がある傷病者に対しては、可能な限り直接接触を避ける。

3 下痢等の症状がある傷病者に対しては、飛沫感染等に注意する。

4 応急処置等を行う場合は、感染防止用資器材を使用する。

5 応急処置等に使用した資器材で血液等に触れて汚染されたものは、他の資器材と接触しないように配慮するとともに、使用資器材はすべて滅菌消毒を行う。なお、使い捨ての資器材については、感染性医療ごみとして廃棄処理する。

6 搬送中の救急車内等における嘔吐物、排泄物等は、汚物袋に収納し、感染性医療ごみとして廃棄処理する。

7 出血又は血液等の付着した傷病者の搬送等に際し、付近にいる者に協力を依頼する場合は、感染防護衣及び手袋を着用させるなど、救急隊員と同様な感染防止上の処置をとるとともに、協力後の手洗い等について適切な指示を与える。

別記2(第3条関係)

救急救助活動時の感染防止処置及び処置内容基準

感染防止処置

応急処置等の内容の基準

感染防護衣及び使い捨て手袋の着装

1 観察を行う場合

2 気道確保、酸素吸入、人工呼吸処置等を行う場合

3 止血又は創傷処置を行う場合

4 吐物又は汚物処理を行う場合

5 その他必要と認める場合

滅菌手袋の着装

1 分娩介助処置を行う場合

2 その他必要と認める場合

アームカバーの着装

1 出血及び嘔吐物等により汚染が予測される場合

2 その他必要と認める場合

マスク(N95マスク等)、ゴーグル等の着装

1 使い捨て手袋又は滅菌手袋を着装して応急処置を実施する場合で、感染防止を図る必要があると認められる場合

2 咳等から感染防止を図る必要があると認められる場合

3 活動性の出血がある場合

4 その他必要と認める場合

靴カバーの着装

1 出血及び嘔吐物等により汚染が予測される場合

2 現場保存の必要がある場合

3 その他必要と認める場合

別記3(第3条関係)

救急自動車等の消毒基準

1 救急自動車等(心肺蘇生訓練用人形を除く。)の消毒方法

(1)救急自動車等は、使用の都度消毒するなど清潔に努めること。

(2)救急車内等は、毎月1回定期消毒を実施するとともに、消毒実施記録簿を作成し記録すること。

(3)救急自動車等の消毒手順は、次の表によること。

区分

血液、吐物等による汚染を受けた場合

左記以外の場合

救急資器材

1 消毒剤による清拭

2 流水による洗浄

3 消毒及び滅菌

1 流水による洗浄

2 消毒及び滅菌

救急車内等

1 消毒剤による清拭

2 流水による洗浄

3 消毒及び滅菌

1 流水による洗浄

2 消毒剤による清拭

 

備考

1 救急車内等で、水濡れを避けなければならない場所は、消毒剤による清拭を行うものとする。

2 消毒実施時には、使い捨て手袋を着装すること。

2 心肺蘇生用訓練人形の消毒方法

救急資器材のうち、心肺蘇生訓練用人形の消毒手順は、次の表によること。ただし、コンピューター付訓練人形にあっては、表中の「次亜塩素酸ナトリウム」を「消毒用エタノール」と読み替えるものとする。

消毒時期

実施要領

使用前

顔面及び口腔内を消毒用エタノールで清拭し、その後乾いたガーゼで拭き取る。

救命講習等実施時

人工呼吸の実施者が終了の都度、消毒用エタノールを浸したガーゼ等で口唇部周囲を清拭する。

使用後

1 頭部気道部

(1)頭部を外し、次亜塩素酸ナトリウムで気道内を消毒する。

(2)清水で消毒剤を洗い流し、乾燥させる。

2 胴体内気道部

次亜塩素酸ナトリウムで消毒実施後、清水で洗い流し、乾燥させる。

3 外皮

アルコール等で清拭する。

4 肺

講習毎に交換する。

別記4(第3条関係)

滅菌、消毒の区分及び実施要領

区分

薬品名等

適用(濃度)等

使用上の注意

薬液消毒法

塩化ベンザルコニウム

  • 手指、皮膚…0.05~1%
  • 器具類…0.1%
  • 結核菌に対しては有効ではない。
  • 石けん類は殺菌効果を弱めるので、クレゾール石けん等との併用は避ける。
  • 血清、汚物等の存在下では著しく効果が減少するので、器具類に付着している場合は本剤を用いて清拭後、流水により十分に洗い落としてから消毒すること。
  • 合成ゴム製品、合成樹脂製品、塗装カテーテル等への使用は避けることが望ましい。

クレゾール石けん液

  • 手指、皮膚…0.05~1%
  • 器具類…0.5%~1%
  • 排泄物…1.5%
  • 希釈しないで使用する。
  • 広範囲又は長期間使用する場合には、直ちに拭き取り、石けん水と水でよく洗い落とす。
  • ウイルスに対しては有効でない。

消毒用エタノール

  • 手指、皮膚
  • 器具類
  • 希釈しないで使用する。
  • 広範囲又は長期間使用する場合は、蒸気の吸入に注意する。
  • 血清、膿汁等のたんぱく質を擬固させ内部にまでは浸透しないことがあるので、これらが付着している器具等に用いる場合は、本剤を用いて清拭後流水により十分に洗い流してから消毒すること。
  • 手指、皮膚に使用した場合には、脱脂等による皮膚荒れを起こすことがある。
  • 合成ゴム製品、合成樹脂製品、塗装カテーテル等の器具は長時間浸漬しないこと。
  • 結核菌に対しては有効である。

薬液消毒法

次亜塩素酸ナトリウム

  • 手指、皮膚…0.01~0.05%
  • 器具類…0.02~0.05%
  • 排泄物…0.1~1%
  • B型肝炎ウイルス等

(1)汚染…1%

(2)汚染の疑い…0.1~0.5%

  • 血清、膿汁等は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している器具等に用いる場合は、本剤を用いて清拭後流水により十分に洗い流してから消毒すること。
  • 金属を腐食させるので、器具等に使用する場合には注意すること。
  • 濃厚液が皮膚に付着した場合には、直ちに拭き取り石けん水でよく洗い落とす。
  • 結核菌に対しては有効でない。

高圧蒸気滅菌器

高圧蒸気

  • 滅菌対象

救急活動で嘔吐、失禁、出血、分べん介助等により汚染された救急資器材で再使用するもの。

  • 滅菌物を事前に消毒剤で清拭した後、水道水で洗浄し乾燥させてから滅菌バックに入れること。
  • 扉を開ける時は、圧力計の針が「0」の位置にあるかを確認する。
  • 作業行程終了後、チャンバー内に滅菌物を長時間放置しておくと、蒸気の逆戻りで湿る場合があるので、終了後は取出す。

紫外線消毒法

紫外線殺菌器

  • 衣類、毛布、敷物等で上記の消毒法が実施できないもの。
  • 殺菌線照度の分布が均一になるほど殺菌効果が得られる。

日光消毒

  • 衣類、毛布、敷物等で上記の消毒法が実施できないもの。
  • 季節や天候時間に左右されることが多くあまり確実な方法とはいえない。

その他、消毒対象物及び対象微生物に適応する消毒薬を選択し、消毒する。

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消防局警防部救急課 

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