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更新日:2024年6月21日
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重層的支援体制整備事業
このページでは、地域共生社会実現のための施策である、重層的支援体制整備事業について紹介します。
静岡市では、令和6年度から本格的に事業を開始しております。
事業実施の背景
近年の社会構造の変化や、個人のライフスタイルの変化、それに伴う地域の共同体の変化などにより、制度や分野にまたがり複合化・複雑化した課題や、制度の狭間にある課題も顕在化し、福祉ニーズは多様化を極めています。
これまでの社会構造を変化させる必要が生じていることから、今、“地域共生社会”の実現が目指されています。
”地域共生社会”とは、これまでの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて『丸ごと』つながる社会のことを指します。
そういった”地域共生社会”では、誰もが役割を持ち、ある日は誰かに支えられ、ある日は誰かを支える、そのような関係性が生まれ住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域がつくられていきます。
重層的支援体制整備事業は、このような”地域共生社会”を実現するために行われる事業の1つです。
重層的支援体制整備事業とは
重層的支援体制整備事業とは、簡単に表現をすると、一つの支援機関だけでは解決に導くことが難しいような複雑な、複合的な課題を持つ方(家族)をサポートするための体制を作る事業です。
社会福祉法第106条の4に規定されています(令和3年4月1日施行)。
重層的支援体制整備事業では、以下の取組を実施し、どのような生きづらさ、困難さ、問題を抱える場合であっても、支援ができるような体制を目指します。
1.包括的相談支援事業
相談に来る人の属性や世代、相談内容に関わらず、包括的に相談を受け止め、寄り添い、抱えている課題の解きほぐしや整理を行います。相談を受けた機関で解決が難しい場合は、他の機関と連携して対応するほか、他の支援機関へのつなぎなども行う。(社会福祉法第106条の4第2項第1号)
2.参加支援事業(社会福祉法第106条の4第2項第2号)
本人の希望やニーズに合わせて、社会とのつながりづくりを支援する事業です。すでに地域で実施されている参加の場(就労場所、ボランティア、地域活動など)へのマッチングを行います。今ある場では、本人や家族の希望やニーズと合わない場合は、今ある参加の場に働きかけ新たな参加の形を模索し、創り上げたり、全く新しい参加の場を創ることもあります。
社会参加の場が見つかったら、本人の状態や活動の状況を見守り、本人が活動を続けられるよう支援を行います。
3.地域づくり事業(社会福祉法第106条の4第2項第3号)
人と人、人と地域がつながり支え合うような取組が生まれやすい環境を整える事業です。地域の中で、属性や世代を問わない居場所づくりに取り組んだり、地域で行われている事業や活動を把握し、必要とする人や地域とつなげるなどのコーディネートを行っていきます。
地域の中で、人と人がつながることで、緩やかな見守り機能がはたらき、課題を抱える本人やその家族を、課題が大きくなりすぎないうちに見つけ、支援につなげるといったセーフティネットとしての役割が広がることも期待されます。
4.アウトリーチ等を通じた継続的支援事業(社会福祉法第106条の4第2項第4号)
分野がまたがるような複雑化・複合化した課題を抱えつつも、支援が届いていない方や、支援につながることに拒否的な人に対して支援を届ける事業です。本人とのつながりを作り、その関係性を続けていくことを目的としています。本人と関係性が構築ができたら、本人の希望やニーズを聞き取り必要な支援へとつなげていきます。
5.多機関協働事業(社会福祉法第106条の4第2項第5号)
重層的支援体制整備事業に携わる関係者の連携がよりスムーズになるように、相談支援機関をサポートする事業です。つまり、相談者に対する直接的な支援ではなく、相談を受ける相談支援機関を支援する役割を持ちます。重層的支援体制整備事業の中心となるような事業です。それぞれの相談支援機関で受けた相談の中で、1つの支援機関だけでは支援が難しい場合などに、その事例の支援に関係する機関を集めての会議(重層的支援会議)を開き、課題の整理や、各機関の役割分担、支援の方向性の共通認識づくりなどの調整を行い、その後、どのように支援していくのかをまとめた支援プラン(社会福祉法第106条の4第2項第6号)を立てます。
重層的支援体制整備事業イメージ図