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更新日:2026年9月29日

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宮澤圭輔議員の質問への答弁概要

目次

大型事業の検証と今後について

海洋・地球総合ミュージアムについて

これまでの市政運営の評価と今後の展望について

質問と答弁の概要

質問:これまでの事業の総括はどのようか。総括を踏まえた次期計画への反映と、建設予定地はどのように考えるか。

この事業は駿河湾・清水港という類まれな海洋資源を持つ静岡市において、海洋に関する「教育」「研究」の拠点としての役割と、多くの人が訪れ、清水港周辺の活性化を生み出す集客施設としての役割を併せ持つ施設を目指して進めてきたものと理解をしております。
一方、市議会においては2019年2月に基本計画を策定した以降も、様々なご懸念やご指摘があったことは承知をしております。

この事業は、私が市長に就任する直前に契約が締結された事業ですが、市長就任当初からこの事業目的と契約内容については問題があると認識をしていました。
問題点を端的に言えば、民設民営の水族館がある中、公設民営でかつ、運営費の約半分を市が負担する。
かつ想定より収支が悪く、赤字となった場合は、その赤字分の一部を市が負担するロスシェアの仕組みがあることです。

既に契約が結ばれている以上、現事業契約の中で、事業実現に向けて私も取り組んでまいりました。
しかし、この間、想定を上回る物価高騰が発生するなどにより、建設費の追加負担の必要性が発生しました。
市と事業者は協議の上、契約書の規定を踏まえると、これに対処することはできないと合意し、契約解除に至りました。

事業の総括についてですが、今回、事業継続を断念する直接の原因となったのは、契約締結後に生じた想定をはるかに超える物価高騰によるものです。
しかしその根底にある原因は、本事業契約が想定を超える物価高騰に対処できない事業構造になっているということでした。

このことについて、まず説明をいたします。
この事業の事業方式は、施設の建設と管理運営をPFI事業者が一体的に行う「公設民営型」の事業方式です。
一般的には、この事業方式では、施設の建設と管理運営が一体なため、建設費がある程度増嵩しても、それを運営の工夫により利益を上げ、建設費の増嵩
分を補っていくことができます。
しかし、本事業契約においては、想定を上回る物価高騰分について、市が十分に負担する契約内容となっていませんでした。
この内容を十分にご理解をいただくためには、事業契約書についての詳細な説明が必要となりますが、それには相当の時間がかかってしまいますので、ここでは契約内容の詳細は省略します。

結果だけ申し上げれば、当初の建設費約93.8億円に対し、事業者試算の建設費増嵩分は約68.2億円になります。
増嵩分に対する市の支払額は、市の主張によれば、約32.5億円です。
事業者がこの市の主張を受け入れると、市が建設費を原則負担する「公設」でありながら、事業者は建設費として約35億円を負担しなければなりません。

一方、管理運営については、入館料収入等では運営支出を補えないため、運営費の約半分を市が負担する「差引きサービス型」を採用していました。
また、運営収支に赤字が生じた場合には、その一部を市が負担する「ロスシェア」を設定していました。
逆に、想定を上回る収益が得られた場合には、その収益の一部を市と事業者で分配する「プロフィットシェア」が設定されていました。

この契約内容・事業方式においては、公設民営のため、もともと建設部分と運営部分は、費用負担が実態として分離されているとともに、運営によって大きな収益を上げることは想定されていませんでした。

このように、建設費の増嵩分を運営収入で補うことが元々想定されておらず、加えて運営で収入増としてもプロフィットシェアの設定により、例えば収入増が契約時の設定収入の10%を超えて40%以下の場合、想定以上に儲かった場合ということですが、その儲かった部分の収入増分の50%を市が受け取るという契約内容になっています。
このため、事業者は一生懸命運営をしていて、運営収入を上げても、この約30億円の建設費負担を運営収入増によって補うということは、極めて困難な事業構造になっています。
さらに、建設費を下げようとしても、契約上あらかじめ定めていた要求水準等を確保する必要があるため、大幅な建設事業費の圧縮が困難になっています。
その結果、双方合意のもと、これ以上事業は進められないということで、契約解除とせざるを得なくなりました。

静岡市としては、この公設民営方式で良いのかも含め、今回の契約解除に至ったこうした構造的な課題や要因を深く受けとめ、教訓としてしっかりと次期計画へ反映させていく必要があると考えています。

次に、次期計画についてですが、私は今回の契約解除に至っても、海洋文化施設を整備する必要性はあると考えています。
静岡市には、清水港・駿河湾を始めとする海洋資源があり、東海大学やJAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)ですが、などの教育研究機関との繋がりがあります。
これらの強みを生かして、海洋に関する情報を楽しみながら学べる場を作ることによって、次世代の人材育成と地域経済の活性に繋げていくということは、静岡市政が担うべき重要な役割と考えています。

一方で、前計画は「教育」と「研究」を担うことにしていました。
しかし、「研究」については、駿河湾・海洋DX先端拠点化計画で、国の交付金である地方大学・地域産業創生交付金を得て、別の形で本格的に実施しています。
よって、次の計画においては、海洋文化施設における研究機能は最小限でよいと考えます。

その上で、適正な施設規模、需要見込み、建設費と維持管理・運営費、収益性、市と民間事業者の役割分担及びリスク分担などについて、しっかりと事業方針を検討していく必要があります。

これまでの、市が運営費の半額を負担する計画ではなく、事業者が入館料や魅力ある付帯事業等によって、しっかりと収益を上げられる「運営独立採算」の事業方式とするべきと考えています。

この方式であれば、前契約では市が15年間負担することとしていた運営費約75.8億円の市負担額をゼロとすることができます。
事業計画案を早期に固めた後、市民や議会にお示しをして、ご意見を伺いながら、次期計画を策定できるよう、決定できるように進めてまいります。

次に、建設予定地についてですが、これまで策定してきた基本構想、基本計画及びこれまで実施してきた調査や設計は、いずれも日の出地区を対象にしているものです。
それについては、次期計画にもしっかりと生かしていきたいと思っております。
そのため、今後の検討に当たっても、日の出地区を前提とし、建設予定地として進めていきます。

ただし、建設費の増嵩により、新施設の規模は大幅に縮小せざるを得ません。
よって、土地の面積については、今の敷地約1万平方メートルを使う必要はないと考えています。
また、クルーズ船の寄港数増加や、民間施設の設置も計画されており、駐車場機能の確保についても考慮が必要であると考えております。

なお、計画が定まるまでの、あるいは建設が始まるまでの用地の活用については、将来の施設整備に支障が生じないことを前提に、クルーズ船寄港時のツアーバスの待機場や各種イベントスペースとして活用をしてまいります。

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質問:これまでの市政運営をどのように評価しているのか。5次総に基づくこれからの静岡市政についてどのように考えているか。

私が市長に就任して以来早いもので、まもなく3年半を迎えようとしていますが、市政運営に関する方針や考え方は、市長就任当時から一貫して変わっておりません。

私は市政運営を行政経営と捉えています。行政経営においては、政策形成と政策執行の二つの段階に大別できます。
市という基礎自治体では、いかに適切な政策形成を行っても、それを着実に執行し、良い結果を出さなければ、市民生活の向上、あるいは市民の幸せには繋がりません。

市長就任以来、静岡市政は「政策執行力」に大きな課題があると認識し、その改善に努めてきました。
その結果、政策の執行に当たり、「難しい」「検討します」として、何もしない、あるいは先送りするということは非常に少なくなりました。
問題を解決することが私たちの仕事であるとの認識のもと、良い結果を出すために、課題の発生原因を根底まで探り、その上でどうすれば解決できるのかを考え抜き、意思決定を行い、具体的に前進させる、そういう姿勢が定着しつつあると認識をしております。

「根拠と共感に基づく政策執行」EEPI(Evidence and Empathy based Policy Implementation)と言っていますが、このEEPIも定着してきました。
例えば、データ分析をし、高度な解析を行い、根拠に基づいて実行方法を考え抜き、それを皆様に提示して、「なるほどそれならわかる」「それなら仕方ない」あるいは「一緒にやろう」との社会の共感を得ながら、政策を着実に実行に移すことです。
現清水庁舎の耐震性の検討に基づく、新庁舎整備の決定はその一例です。

また社会の共感を得るといっても、社会全員の共感が得られることはまずありません。
今までのやり方を変えると、必ずと言っていいほど、何らかの不利益が発生します。

また価値観の違いは必ずあります。
異論の存在を十分に理解した上で、それに配慮しつつ、社会全体や多くの人の利便に繋がるものは実施していかなければなりません。

このような考え方のもと、政策執行力の向上と職員の意識改革を進めたことにより、これまでの3年間で結果を出すための市政運営の土台を築くことはできたと評価をしております。
実際に、具体的に何ができたのかというご質問でしたが、結構いろんなことが動かしてきているつもりですので、一つ一つは省略をいたします。
この例えば、先ほどご質問があったような清水駅東口のENEOS用地のようなものは目立ちがちですけども、私が非常に嬉しく思っているのは、例えば「安心感がある温かい社会推進課」が行っているような「エンディングサポート」のような取り組みです。
これは、市民の1人1人の相談にですね、何十回となく対応しながらエンディングサポートをしていくわけですけども、そういう姿勢がですね、市の職員に定着をしているということはですね、本当に嬉しく思っております。

次に5次総に基づく、これからの静岡市政についてですが、5次総の策定過程を通じて、政策形成力に関しても、課題に対して現実を直視し、その原因をなぜなぜなぜと根底まで深掘りして分析する意識や行動が根付いています。
それが根拠に基づく政策形成力に繋がりました。

5次総の策定によって政策形成の骨格が固まったと考えています。
しかし、5次総も固定的に捉えず、適時適切に見直していきます。
その上で重要なことは、計画に掲げた政策を実行し、市民の暮らしの中に具体的な成果を生み出していくことです。
そのためには二つの重要な力が必要です。

一つ目は、プロジェクトマネジメント力です。
職員1人1人が自ら考えて良い結果を出すために、より適切な解決方法を考え抜くという、このプロジェクトマネジメント力を高めていく必要があります。
これまでの執行力の変革によって、プロジェクトマネジメント力は確実に高まっていますが、まだ十分ではありません。
プロジェクトマネジメントと言うとわかりにくいんですけど、言い換えるとうまく動くように運転するということですが、これは短期では身に付きません。

実際にプロジェクトを動かすと、成功も失敗もあります。
その経験を積んだ結果、プロジェクトマネジメントの力が身に付いてきます。
しかし、多くの職員は自らプロジェクトを動かしていくという経験を十分に積んでいません。
このため、まだまだ各部局、各職員にこのプロジェクトマネジメント力が十分定着しているとは言えない状況で、地道な改善が必要と考えております。

このため、職員の育成には、経験を積んだプロジェクトマネージャー、マネジメント人材による指導助言が不可欠です。
例えば、DX政策監のように、長年プロジェクトマネジメント、いわゆるプロマネ、プロジェクトマネージャーですね。
長年プロジェクトマネージャー、プロマネとして経験を積んだ方に活躍をしていただいております。
私自身も、プロジェクトのマネジメントの経験を積んだものとして、そのやり方ではうまくいかない、こうしたらうまくいくということを具体的に示しながら、庁内全体、職員1人1人に新しい仕事のやり方が定着し、どの分野においても適切に実行し、結果を出す状態にしていきます。

もう一つ重要なことは、「共創力」、共に創る力です。
私は社会問題の解決における協働共創の重要性を、25年ほど前から認識をして仕事をしてきましたが、市長就任後も市政運営方針として、この「共創」の重要性を示してきました。

行政だけで地域の課題を解決していくことは限界があります。
5次総でも示しているとおり、複雑化、深刻化、多様化する課題の解決には、市民、地域社会、企業、教育機関など、社会全体の力による「共働・共創」が不可欠です。

行政は、社会の思いと行動が十分に発揮されるよう、下支えし、伴走するとともに、社会との共働・共創を進めながら、その力を成果に繋げていくことが重要です。
この共創する力も、プロジェクトマネジメント力の一つといえるかもしれません。

もう一つ付け加えるとですね、やはり心を込めて仕事をする姿勢というのがですね、ずいぶん定着をしてきたと思います。
先ほどご紹介したエンディングサポートですけども、相手方の心に寄り添ってですね、一つひとつ丁寧にお話を聞いて、「こうやってはどうですか」ということを何回も繰り返すというのは心が込めた仕事だと思いますが、やはり論理だけでは駄目で、「根拠と共感」と言ってるとかそういうところなんですけども、根拠という論理だけで持っていくんではなくて、やはり心を込めて、共感を得るという、あるいは共感をするということですね、相手の困ったことに共感するとそういう姿勢が大事だと思っております。

今後も、社会全体の力を生かした共働・共創を進めながら、5次総に掲げた政策を着実に実行し、誰もが安心して暮らし、幸せを実感し、住み続けたいと感じられるまち、こういうまちの実現に向け成果を一つひとつ積み重ねていきます。

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