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更新日:2024年3月25日
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路線バスの維持について
路線バスは、生活を支える移動手段であり、道路渋滞を軽減させる重要な交通インフラです。このページでは、静岡市内を走る路線バスの現状と維持するための取り組みについてご紹介します。(2023年3月31日時点)
市内を走行するバス会社
静岡市内では、3つのバス会社が路線バスを運行しています。不特定多数の乗客の命を乗せて走る路線バスは、道路運送法の規定により、国土交通大臣の許可を受けたバス会社によって運行されています。
しずてつジャストライン株式会社
しずてつジャストラインは、静岡市内全域の路線バスを担うバス会社です。「静鉄バス」の名称で親しまれており、静岡市内では、市街地バス41路線・山間地バス2路線を運行しています。
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日本平自動車株式会社
日本平自動車は、東静岡を中心に、「大谷線」、「東豊田線」、「動物園に行こう!!線、行ってきました!!線」の市街地バス3路線を運行しています。
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山梨交通株式会社
山梨交通は、山梨県甲府市に本社を置くバス会社です。静岡市内では、清水区蒲原地区で「大北・蒲原中学校線」の市街地バス1路線を運行しています。
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路線バスの課題
現在、多くの路線バスにおいて、減便や廃線の危険があります。その主な原因は次の2つです。
乗客数の減少
路線バスの乗客数は、昭和44年をピークに減少を続けており、現在の乗客数はピーク時の5分の1にまで減少しました。特に近年は、コロナ禍による外出自粛やリモートワーク普及等により、乗客数が大きく落ち込みました。乗客数の減少は、運賃収入の減少、採算性の悪化、サービス水準の低下を招き、更なる乗客数の減少に繋がります。採算が取れない赤字路線は、民間のバス会社単独では運行を維持することが困難となり、減便や廃線の可能性があります。一方で、近年は高齢ドライバーの運転免許証自主返納が進み、路線バス維持の重要性は高まっています。
運転手不足
路線バスを運転できる大型二種免許取得者数は、全国的に年々減少傾向、高齢化傾向があります。また、平成31年4月の労働基準法改正(自動車運転業務については令和6年4月から適用)により、運転手の残業時間の上限が定められ、これまで以上に運転士不足が加速しています。各バス会社では、労働環境の改善、女性運転士の積極的な採用、養成運転士の採用、研修の充実、路線やダイヤの再編など、運転手不足解消に向けて様々な取り組みを行っています。
路線維持に向けた取り組み
減便や廃線を最小限にとどめ路線バスを安定的に維持するため、静岡市では主に次の取り組みを行っています。
赤字路線への支援
不採算でも生活に欠かすことができない路線を維持していくため、静岡市は補助金を支出することで、バス会社を支援しています。
静岡市バス路線維持費補助金
バス会社が運行する市内47路線のうち、半数にあたる23路線が赤字を抱える不採算路線となっています。不採算路線は、民間のバス会社単独では運行継続が困難なため、静岡市が運行経費の一部を補助金にて補填しています。静岡市が1年間に支出するバス路線維持費補助金の額は、およそ3.4億円です。
補助金交付先 | 補助路線数・年間補助額 | ||
---|---|---|---|
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
|
しずてつジャストライン 市町単独補助系統 |
18路線 32,687万円 |
18路線 36,187万円 |
20路線 33,246万円 |
しずてつジャストライン 地域間幹線系統 |
1路線 271万円 |
1路線 289万円 |
1路線 743万円 |
山梨交通 市町単独補助系統 |
1路線 124万円 |
1路線 119万円 |
1路線 126万円 |
富士急静岡バス 市町単独補助系統 |
1路線 371万円 |
路線廃止により補助終了 | |
合計 |
21路線 33,454万円 |
20路線 36,596万円 |
22路線 34,115万円 |
- 万円未満切り捨て
- 市町単独補助系統:静岡市が単独で補助
- 地域間幹線系統:広域的幹線的な路線のため、国土交通省・静岡県・静岡市が共同で補助
- 補助対象路線図(PDF:873KB)
- 過去の補助額(エクセル:73KB)
交通空白地への対応
バス会社が廃線した地域や参入できない地域、いわゆる「交通空白地」の生活交通を確保するため、NPO法人や静岡市が路線バスを運行しています。
NPO法人による路線バスの運行
従来路線バスはバス会社のみ運行可能でしたが、平成18年10月の道路運送法の一部改正により、地元地域のNPO法人等が主体となり自家用車でバスを運行する「自家用有償旅客運送」が可能となりました。静岡市では、交通空白地有償運送事業費補助金により、NPO法人のバス運行費や車両購入費の一部を補助しています。現在、葵区の清沢地区において、NPO法人フロンティア清沢による予約制バス「やまびこ号」が、静岡市の補助を受けて運行しています。
補助金交付先 | 補助路線数・年間補助額・年間乗客数 | ||
---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
特定非営利活動法人フロンティア清沢 |
1路線 150万円 1,402人 |
1路線 23万円 1,429人 |
1路線 36万円 1,065人 |
表データに関する注釈・資料
- 万円未満切り捨て
- 過去の補助額(エクセル:55KB)
静岡市による路線バスの運行
バス会社、NPO法人等による路線バスが提供されない地域については、静岡市が運営主体となって自主運行バスを運行しています。現在静岡市では、葵区井川地区、清水区両河内地区、清水区由比地区、清水区蒲原地区において、4路線を運行しています。
自主運行 | 年間収支額・年間乗客数 | ||
---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
-3,232万円 3,637人 |
-3,079万円 3,705人 |
-3,159万円 3,374人 |
|
-5,072万円 26,158人 |
-5,044万円 26,394人 |
-5,213万円 19,353人 |
|
-1,102万円 5,853人 |
-1,245万円 5,425人 |
-1,256万円 5,630人 |
|
-1,290万円 9,035人 |
-1,281万円 9,715人 |
-1,404万円 11,403人 |
|
合計 |
-3,232万円 3,637人 |
-3,232万円 3,637人 |
-3,232万円 3,637人 |
表データに関する注釈・資料
- 万円未満切り捨て
- 年間収支額:運行収入から運行経費を差し引いた額で、赤字分は静岡市が負担
- 過去・詳細の収支は、各ホームページへ
- 自主運行バスの運行は、バス会社やNPO法人へ委託
他市と連携した路線バスの運行
現在、葵区小布杉地区の生活交通は、藤枝市が運営する自主運行バスの朝比奈線によって確保されています。静岡市は藤枝市に対して、朝比奈線の運行経費の一部を負担しています。
自主運行バス | 年間収支額・年間乗客数 | |||
---|---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | ||
藤枝市:朝比奈線 |
-2,536万円 18,716人 |
-2,830万円 18,076人 |
-2,747万円 23,889人 |
|
うち静岡市負担分 | -98万円 | -107万円 | -102万円 |
表データに関する注釈・資料
- 年間収支額:運行収入から運行経費を差し引いた額で、赤字分は藤枝市と静岡市が各市域走行距離按分により負担
- 過去の静岡市負担額(エクセル:55KB)
路線バスの利用促進
路線バスを利用することは、公共交通を作り、守り、育てることに繋がります。また、環境配慮、道路渋滞緩和、交通事故軽減などが期待できます。
C&BR(サイクル&バスライド)の整備
バス会社と連携してバス停の近くに駐輪場を作り、バスが使いやすい環境を整備しています。
葵区 瀬名新田、東部団地、瀬名川、千代田小学校前、麻機、麻機北、美和中学校前、美和団地前、安倍口団地北、安倍口新田、秋山町、山崎、羽鳥 |
駿河区 |
清水区 |
ノンステップバスの導入
子どもや高齢者でも乗りやすい、段差のないバス車両の導入を進めるため、バス会社に対して、ノンステップバス購入費の一部を補助しています。
2020年3月末 | 2021年3月末 | 2022年3月末 | 2023年3月末 |
---|---|---|---|
73.2% | 75.1% | 77.0% | 80.3% |
市内の路線数と分布
上記の取り組みを踏まえ、現在静岡市内では、4つの運営主体により53路線が運行を維持しています(2023年3月31日時点)。引き続き、生活に必要な路線バスの維持に努めていきます。
運行主体 | 運行している地域 | 路線数 |
---|---|---|
バス会社 | 市街地バス:市内全域 | 45路線 |
山間地バス:葵区梅ヶ島・大川地区 | 2路線 | |
NPO法人 | 葵区清沢地区 | 1路線 |
静岡市 | 葵区井川地区 | 1路線 |
清水区両河内地区 | 1路線 | |
清水区由比・蒲原地区 | 2路線 | |
藤枝市 | 葵区小布杉地区 | 1路線 |
合計 | 53路線 |