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更新日:2024年2月27日
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大気汚染防止法、水質汚濁防止法の一部改正について(H23年4月1日改正)
平成23年4月1日から、次のように、大気汚染防止法、大気汚染防止法施行規則、水質汚濁防止法、水質汚濁防止法施行規則が改正されました。
1:大気汚染防止法関係の改正の概要
(1)ばい煙に係る改善命令等の発動要件の見直し
改善命令等の発動要件のうち「人の健康又は生活環境に係る被害を生ずると認めるとき」が削除され、ばい煙排出者が、「排出基準等に適合しないばい煙を継続して排出するおそれがあると認めるとき」は、ばい煙発生施設の構造の改善等を命ずることができることとなりました。(大気汚染防止法第14条第1項及び第3項)
(2)ばい煙量等の測定結果の未記録等に対する罰則の創設
ばい煙排出者に対し、ばい煙量等の測定結果の記録に加え、その記録の保存を義務付けるものです。意図的にこれらの義務に違反して、記録をせず、虚偽の記録をし、又は記録を保存しなかった者に対しては罰則(30万円以下の罰金)が設けられました。(大気汚染防止法第16条及び第35条第3号並びに大気汚染防止法施行規則第15条)
ア:測定の対象
測定の対象となるのは、排出基準が定められたばい煙発生施設です。
このため、排出基準を「当分の間、適用しない」とされている施設(小型ボイラー、非常用施設等に該当するものがあります。)については、測定の対象になりません。(大気汚染防止法施行規則第15条第1項)
イ:測定結果の記録及び保存
測定結果は、ばい煙量等測定記録表に記録し3年間保存する必要があります。また、計量法の登録を受けた計量証明事業者から交付されたばい煙濃度等の計量証明書がある場合は、これをばい煙量等測定記録表の記録に代えることができます。(大気汚染防止法施行規則第15条第2項第1号)
測定回数等は、次のとおりで変更はありません。
自主測定項目
測定対象 | 測定回数 |
---|---|
硫黄酸化物排出量10m3N/h以上の施設 | 2か月を超えない作業期間ごとに1回以上 |
測定対象 | 測定回数 |
---|---|
硫黄酸化物に係るばい煙発生施設 | 随時(硫黄含有率の測定は、石油メーカーの燃料成分表に代えることができます。適時、燃料成分表を入手し硫黄含有率を確認してください。) |
測定対象 | 測定回数 |
---|---|
1ガス専焼ボイラー、ガスタービン、ガス機関、ガス発生炉のうち燃料電池用改質器 | 5年に1回以上 |
2排出ガス量4万m3/h以上の施設(廃棄物焼却炉は焼却能力が4000kg/h以上のもの)※1以外 | 2か月を超えない作業期間ごとに1回以上 |
3排出ガス量4万m3/h未満の施設(廃棄物焼却炉は焼却能力が4000kg/h未満のもの)※1以外 | 年2回以上(継続して休止する期間が6か月以上の施設については年1回以上) |
測定対象 | 測定回数 |
---|---|
排出ガス量4万m3/h以上の施設 | 2か月を超えない作業期間ごとに1回以上 |
排出ガス量4万m3/h未満の施設 | 年2回以上(継続して休止する期間が6か月以上の施設については年1回以上) |
測定対象 | 測定回数 |
---|---|
1ガス発生炉のうち燃料電池用改質器 | 5年に1回以上 |
2排出ガス量4万m3/h以上の施設※1以外 |
2か月を超えない作業期間ごとに1回以上 |
3排出ガス量4万m3/h未満の施設※1以外 |
年2回以上 (継続して休止する期間が6か月以上の施設については年1回以上) |
ばい煙測定方法については日本産業規格(JIS)により定められています。
ばい煙測定業者は、静岡県経済産業部計量検定所(外部サイトへリンク)の「計量証明事業者一覧(環境証明)」または、一般社団法人日本環境測定分析協会(外部サイトへリンク)を参考にしてください。
ウ:ばい煙量等測定記録表(様式第7)
記録表の様式が次のように変更されます。
硫黄酸化物の量の測定を大気汚染防止法施行規則別表第1備考2の方法で行う場合は、「排出ガス量」、「硫黄酸化物の濃度」欄は記入不要ですが、代わりに備考欄に「燃料の硫黄含有率」、「燃料の使用量」の測定方法、測定結果を記載してください。
エ:硫黄酸化物関係
これまで、大気汚染防止法施行規則第15条第2号で、硫黄酸化物に係るばい煙発生施設において使用する燃料の硫黄含有量の測定が定められていましたが、これが削除されて測定の対象外になりました。
しかし、排出基準を遵守するために、引き続き、必要に応じて燃料の硫黄含有率を把握されるようにお願いします。
(3)事業者の責務規定の創設
大気汚染防止法第17条の2に「事業者は、この章に規定するばい煙の排出の規制等に関する措置のほか、その事業活動に伴うばい煙の大気中への排出の状況を把握するとともに、当該排出を抑制するために必要な措置を講ずるようにしなければならない。」と定められました。この措置は、事業者の自主的な判断の下に実施されるもので、例えば、次のような事が考えられます。
- ばい煙量等の自主的な常時測定の実施
- 排出基準よりも厳しい自主目標値の設定
- 施設の適切な維持管理の励行
- 施設更新時の低ばい煙排出型施設への転換
2:水質汚濁防止法関係の改正の概要
(1)事故時の措置の範囲の拡大
事故時の措置の対象を、従来の有害物質(26物質)及び油に加え、新たに「指定物質※」が追加され範囲が拡大されました。これらの物質を含む排水が、事故等により排出された場合は、応急の措置及び市(環境保全課)への届出が義務付けられました。※「指定物質」多量に排出されることにより人の健康若しくは生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質として、ホルムアルデヒド等52物質が政令で定められています。
(2)排出水の測定項目及び測定頻度について
ア:排出水の測定項目及び測定頻度
特定施設を設置している事業者は、年1回以上、排水基準が定められている項目について測定を実施し、その結果を3年間保存することが義務付けられました。なお、温泉を利用する旅館業における、砒素及びその化合物、ほう素及びその化合物、ふっ素及びその化合物、水素イオン濃度、銅含有量、亜鉛含有量、溶解性鉄含有量、溶解性マンガン含有量並びにクロム含有量については、3年に1回以上とします。(水質汚濁防止法第14条及び水質汚濁防止法施行規則第9条)
イ:罰則の創設
排出水の汚染状態の測定について、記録をせず、虚偽の記録をし、又は記録を保存しなかった者に対し、罰則(30万円以下の罰金)が設けられました。(水質汚濁防止法第33条第3項)
(3)事業者の責務について
水質汚濁防止法第14条の4に「事業者は、その事業活動に伴う汚水等の公共用水域への排出等の状況を把握するとともに、当該汚水等による公共用水域等の汚濁の防止のために必要な措置を講ずるようにしなければならない。」と定められました。この措置は、事業者の自主的な判断の下に実施されるもので、例えば、次のようなことが考えられます。
- 当該汚水等の排出先の把握
- 汚濁負荷を低減させる施設の整備
- 施設の適切な維持管理の励行