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更新日:2024年3月4日
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しずまえ・用宗産アカモク
鮮度・品質ともに抜群と称され、市場評価も高い静岡市の桜えびとしらす。しかし、近年不漁が続き、しずまえ(※1)の水産業は、先行きが不安視されています。代わる水産資源としてワカメの養殖に挑戦していますが、思うような成果が出ていません。
そこで、しずまえ振興協議会を設立、静岡市駿河区にある用宗部会では、アカモクに注目しました。
※1 しずまえ・・・静前。静岡市の前浜のことで、駿河区石部~清水区蒲原を指す。この間にある用宗漁港、清水港、由比漁港の3つの港で水揚げされる鮮魚のことを、しずまえ鮮魚という
邪険にされていた海藻がスーパーフードだった?!
アカモクは、全国に生息している海藻で、漁師から漁の妨げになることから「じゃまモク」と呼ばれ、長く邪険にされていた海藻です。
しかし、モズクやメカブのようにポリフェノールやミネラル、食物繊維を豊富に含み、健康によいスーパーフードとして注目を集め始めています。
様々な協力を得て、商品開発が進む
2019年秋に「アカモクを活用できないか」という思いから、2020年春にはアカモクを使った特別メニューを満喫できるグルメイベントを実現。
そして「用宗港青壮年部」の斉藤さんはSNSで、静岡市内にある「(株)GOLDBLUE」が静岡県産のアカモクを探していることをたまたま見つけました。「(株)GOLDBLUE」はもともと県外のアカモクを取り扱うなど既に実績がある会社でした。
アカモクは、採ったそのままの状態で食べることができません。小エビなどの不要物を取り除き、洗浄、湯通しをしてから刻む必要があります。「(株)GOLDBLUE」では、そこからさらに粉末にする技術を持っており、また、同じく静岡市内にある「(株)おいしい産業」では、冷凍にする技術を持っています。粉末になれば、そばやパスタに練り込んだり、スイーツにも転用できたりします。また、粉末・冷凍することで、年間を通して、供給することが可能になります。
水産資源を守り続けていくために
静岡県水産技術研究所によると、アカモクは同じ駿河湾内の伊豆などでも確認されていますが、用宗が一番アカモクが多いのではとのこと。用宗の海水浴場は水質検査で最高ランクに選出されるなど、もともと海がきれいと言われるところで、アカモクに付いている不純物も少ないようです。
アカモクは冬場に成長し、収穫は3月のみと意外にも旬が短い海藻です。採りすぎてしまうと、枯渇してしまう可能性も否めません。需要が高まっている中、今後は収穫量を考え、持続可能な取り組みにしていく必要があります。
アカモクを食べるには?
用宗・丸子地区での飲食店での提供のほか、用宗のしらす直売所や静岡県中部地区の一部のスーパーの海鮮コーナーでもアカモクを購入することができます。しずまえ自慢の用宗産アカモクを、ぜひ皆さんもご賞味ください!