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更新日:2024年3月12日
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長田の桃
静岡市駿河区の長田(おさだ)地区は、全国一、二を誇る早出しの桃の産地。明治30年(1897年)頃から桃の栽培を始めたという記録が残っており、現在は広野の地域を中心に桃農家が軒を連ねます。
海近くの温暖な気候が育む、きれいな色づきで、ジューシーな甘い桃です。
5月下旬~7月初旬が旬!通常より早い初夏の味覚
「長田の桃」は、早い年は5月から出荷が始まり、最盛期は6月。一般的な露地物の桃の旬が7月なので、「長田の桃」はそれより1~2か月ほど早くから出荷がはじまります。
一等品のほとんどは東京・名古屋の市場へ出荷されるため、静岡市内での流通は一部のみ。静岡市内では、JA静岡市ファーマーズマーケット「長田じまん市」を中心に販売しています。
味の秘密は気候と土!温暖な静岡ならではの味
購入の際には、桃色がきれいで、整った形をしているものを選んで買うとよいそうです。
完熟前に収穫して出荷されるため、色づきがよくない場合は、数日置いて、色が濃くなってからいただきましょう。
食べる直前に、1~2時間程度冷蔵庫で冷やすとおいしくいただけます。
皮は手で簡単に剥けるので、贅沢に丸かじりしてみるのもお勧めです。
「長田の桃」の品種は、出荷が早い順に「さおとめ」、「はなよめ」、「日川白鳳(ひかわはくほう)」、「暁星(ぎょうせい)」、「白鳳」など。
他県でも栽培されている品種ではありますが、同じ品種でも「長田の桃」は、水はけがよい土壌と温暖な気候を持つ海岸線沿いで栽培されるため、色づきが美しくジューシーで甘い!
おいしく育てるために、木にも工夫あり
3月下旬、桜の開花とほぼ同じ頃、桃の花も開花します。枝にびっしりと花が咲きますが、おいしい桃を作るためには、摘蕾(てきらい。実の生育のために、余分なつぼみを摘み取ること)が必要です。枝の状態に合わせ、実が下向きになるように調整していきます。
4月中旬になると小さな実がなり始めるので、再び個数を調整。
そして、5月初旬に、実を保護するための袋を二重にかけ、出荷前の頃になると、二枚のうちの一枚の袋を外し、陽に当て、収穫の時期を待ちます。最終的には、1本の木に実が300~400個程度なるそうです。
5~7月の出荷シーズンを終えた後は、肥料や枝の剪定、病気を防ぐために木に消毒をし、次のシーズンに備えます。桃がたっぷり太陽の光を浴びられるように、枝は中心から扇型になるように剪定しています。
魅力をもっと広めたい
最近では、桃のジェラートや桃スパゲッティ、桃のスープ、桃のタルト、桃のビールなど、静岡市内の飲食業界でも「長田の桃」を使ったメニュー開発がじわじわと進んでいるそう!
「長田の桃」を見かけたら、ぜひ味わってみてくださいね。