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更新日:2025年3月6日
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宮澤圭輔議員の質問への答弁概要
目次
市長の政治姿勢について
市政運営について
- 市長が精力的に働く原動力、やりがいは何か
- 市長は、市民との対話や市民への情報発信の重要性をどのように認識しているのか
- 改めて、議会と市長の関係性について、どのような関係性が望ましいと考えているのか。また議会に期待することは何か
- 市長が市民に期待することは何か
4次総の見直しについて
- 基本構想の「世界に輝く静岡の実現」の見直しに着手するのか
- 人口減少対策として、定住人口増に向けた取組を最優先すべきと考えるが、それを踏まえ、どのように総合計画を見直そうとしているのか
- 時代認識と市政運営の方法の強化策とはどのようものか
本市のまちづくりについて
久能のまちづくりについて
質問と答弁の概要
質問:市長が精力的に働く原動力、やりがいは何か
私は、「思い切なれば必ず遂ぐるなり」という、日本における曹洞宗の開祖、道元禅師の言葉を大事にしています。
私の切なる思いは、静岡市の持つたぐいまれと言ってよいほどの「美しく豊かな自然」「温かい人のこころと絆」などの素晴らしい「美」と「人」の力を活かすということです。それを活かせば、もっともっと幸せを実感できる静岡市の明るい未来を創ることができる。それは、市民や社会と共に創っていくということによって実現します。それが私の切なる思いです。
今を生きる人が安心と幸せを実感でき、将来を担う子どもたち・若者がこのまちの未来は明るいと夢を抱き、希望がもてる静岡市にしたいという思い、すなわち何を実現したいかという思いの強さが、私の働く原動力のひとつです。
もう一つの原動力は、静岡市政の「行政執行力」には、問題がありすぎるということです。市民や社会は頑張っているのに、行政の執行力が劣るために、せっかくの静岡市の高い潜在力を活かしきれていない、それを何とか変革したいという強い思いです。
そのため、私は実務家公務員のトップとして、「政策執行」の過程や細部まで目を凝らし、政策執行力の改善に取り組んできました。
ひとつ誤解があるといけないので申し上げておきますが、静岡市職員の意欲と能力は高いと思っています。ただ、そこの一番基本となる考え方ですね、これが十分ではないために、せっかくの意欲と能力が生かされていない。したがって、市長はその実務家公務員のトップとして、その考え方をしっかり示して政策執行力を上げていく、これが大事だと思っています。
まだまだ問題は多数ありますが、この2年、政策執行力は相当改善されました。これは職員の意欲と能力は高いということですので、考え方をしっかりすれば変革はしていくということです。「市政の変革」が少しずつ形になり始めていることに手応えを感じています。それが私のやりがいになっています。
質問:市長は、市民との対話や市民への情報発信の重要性をどのように認識しているのか
私は、めざす社会の姿を、「安心感がある温かい社会」とし、その社会をみんなで一緒に、共に創っていく「共創」で実現するため、「根拠と共感に基づく政策執行」による「温かい市政」を重視しています。
地域社会や市民の皆さんに「なるほど、それならいいね」「それなら一緒に取り組んでみよう」と「共感」していただくためには、「開かれたわかりやすい市政」「市政への信頼」が重要です。そのためには、市政の政策決定の考え方や市の持つ情報をわかりやすくお伝えする必要があります。
あらゆる機会を捉えて、市民の皆様の声や思いを聴き、そして、私の考えや真意が伝わるよう、一つひとつの事柄を丁寧にわかりやすく説明することを心がけています。
「伝える」ではなく、どうすれば「伝わる」かを重視しています。
質問:改めて、議会と市長の関係性について、どのような関係性が望ましいと考えているのか。また議会に期待することは何か
議員は、市民の皆様や社会の声をお聞きし、その声を市民に代わって議会に届け、議事に携わり、議会は、市政運営に必要な条例や予算などを議決し、市政に実行させ、監視するのが大きな役割です。
一方で、市長は、行政執行機関の長です。市長は執行責任者として、市民の皆様や社会の声をお聞きし、議会の議決等を踏まえ、社会にとって望ましいありとあらゆる政策・施策・取組を考え抜き、社会の共感を得て、やり抜いて、実行しなければなりません。
議会と市民の役割には違いがあるものの、どちらも市民から選出されることから、それぞれが市民に対し責任を負っています。
そのため、議会と市長は互いの役割の違いを認識した上で、市民からの信託に応えるため、市政運営の両輪として、それぞれの職責を果たしていくのが基本の関係であると考えます。
議員の皆様には、市民の皆様や社会の声をより多く市に届けていただくとともに、議会の場において活発な議論が交わされることを期待しています。
質問:市長が市民に期待することは何か
市政運営において重視しているのは、よりよい社会を、市民の皆様、社会の皆様とともに創っていく、「共創」です。静岡市には社会の大きな力があります。温かい人の心があります。この社会の大きな力、一つひとつは小さいですけれども集まると大きな力になりますので、この社会の力が繋がるように、市政はしっかり下支えして伴走することが重要です。
ただ、社会問題は複雑に絡んでいます。行政がこれをやれば解決するというようなものではありません。市民、地域コミュニティ、企業の皆様と思いを共有し、社会の全体の力によって、新たな価値や魅力を積極的に創っていく時代です。
こうした時代における行政と市民との関係は、「行政は政策立案・執行する側」「市民はそれを受ける側」という一方向の関係ではなく、対話をしながら、目標とその実現に向けた道筋を共有し、みんなで一緒に前に進むという「共働」、ともに動き働く、こういう共働の関係であるべきと考えています。
そのためには、市は、市民の皆様に対し、目指すべき社会の姿とその実現方法について根拠をもって分かりやすく、丁寧に説明することを心がけ、「ともに取り組みましょう」と呼びかけていくことが大事です。
そして、市民の皆様におかれましては、「地域をよくしたい」「こういう社会にしていきたい」という思いを共有し、「自分たちも一緒にやろう」と地域づくりに関わってくださることをお願いしたいと考えています。
質問:基本構想の「世界に輝く静岡の実現」の見直しに着手するのか
私は、就任直後の令和5年6月定例会の答弁で、「今の静岡市の状況から見て、私には、4次総の基本構想でまちづくりの目標としている「世界に輝く静岡の実現」「都市(まち)が輝く」「市民(ひと)が輝く」が、ストンと腹落ちしないところがあります」と述べました。
多くの市民が、自分が輝くことを本当に求めているのかということです。現状、政令市の中で最も厳しい人口減少問題に直面し、そして、何の対策も講じなければ2050年には50万人を割り込むというまちが、どうしたら輝くのか、具体的な実現の道筋が見えてきません。輝くためには、その基礎となる今の暮らしの安心感、将来への安心感が重要であると思っています。
質問:人口減少対策として、定住人口増に向けた取組を最優先すべきと考えるが、それを踏まえ、どのように総合計画を見直そうとしているのか
4次総では、「社人研が公表した直近の推計人口を上回る」という定住人口の目標を掲げていますが、計画の中でその具体策は何も示していません。人口減少がこれほど厳しい状況にある、その理由・原因を分析していません。
例えば、静岡県内の他の市町とは異なって、例外と言える大学の定員、高い定員収容率104%ですけれども、この高い大学収容率という恵まれた環境、大きな強みを活かすことなく、大学卒業時の流出対策をとってきませんでした。
静岡市の中心街である「おまち」は、商業の場だけではなくて、職住の場としての魅力があるのに、「おまち」全体の魅力向上に十分な投資をしてきませんでした。新規企業立地用地創出のための土地造成を行わず、産業の新陳代謝を促してこなかったと思います。
こうした様々な原因・要因が、厳しい人口減少につながっていると考えています。
人口減少が危機的な状況にある静岡市においては、このように「若い世代の市外への流出」「婚姻率の低下」「出生率の低下や出産年齢の高齢化」といった人口減少の要因を分析した上で、定住人口の増加に向けた具体的かつ実効性のある取組を実施することが必要不可欠です。
それらを踏まえた総合計画の見直しに着手をいたします。
質問:時代認識と市政運営の方法の強化策とはどのようものか
時代認識とは今はどういう時代か、将来はどういう時代になるか、ということです。
今は、急速な人口減少社会の進行、AIの発展などといった大変革期にあり、これまでの延長上の取組の実施や、DX、GXなどの理念や流行の言葉を唱えるだけでは、結果に結びつきません。
大変革期、あるいは歴史的転換点にあるという時代認識のもと、地域課題を直視し、最新の科学技術を取り入れ、スタートアップなどの優れた技術や社会共有資産を活用しながら、社会全体での共創による課題の解決、新たな価値・魅力の創造につながる取組を強化していきます。
なお、「おまち」の再生についても、まさに歴史的転換点にありますので、これについても取り組んでいきます。
この科学技術については、具体的には、今後、世界では海洋分野の社会変革、ブルー・トランスフォーメーションが起きます。「駿河湾・海洋DX先進拠点化計画」を進めるとともに、例えば、優れた技術やサービスを活用して社会課題の解決を図る取組を推進するため、海洋分野にも対象を拡げ、出資による支援を拡大します。
最後に、もう一度、先ほど答弁したとおり、今は、まちづくりの歴史的転換点にあります。新しい時代の新しいまちづくりを主眼において、4次総の見直しに着手をいたします。
そして、今を生きる人が安心と幸せを実感でき、将来を担うこどもや若者が夢を抱き希望を持てる、ずっと住み続けたい・住んでみたい・訪れてみたいという、魅力あふれる静岡市を目指していきます。
質問:久能地区のまちづくりを今後どのように進めるのか
久能山東照宮ですけれども、これは日本平と並んで静岡市、いや、日本第一級の資源と言えます。
昨日、久能山の表参道に行き、周辺の状況を見てきました。国宝の表参道でありながら、市はほとんど投資をしてこなかったと言わざるをえません。市が投資をした姿というのは、ほとんど見えませんでした。
景観設計もなく、歩道も参道も途中で切れていて、そして、市立の駐車場は離れたところにバスの駐車場はありますけれども、東照宮の下には市立の駐車場はありません。観光農園の駐車場を活用しているような状況にあります。地域の方に話しを聞いて、おっしゃっていましたけれども、本当に何十年にわたって投資がされていないということを嘆いておられました。
このような中ですけれども、令和6年度より、地域の営農者や経営者、若い世代の住民が主体となった、仮称のようですけれども、「久能の未来を考える会」が発足し、市もオブザーバーとして参加するなど、まちづくりに関する議論が始まっています。
これから、久能のまちづくり、特に表参道のところのまちづくりについては、市として本気で取り組んでいきます。市も、今、プロジェクトチームを設置していますけれども、その中で、世界に誇る地域資源と言える久能山東照宮の表参道にふさわしい景観、そして、まち並みの姿、これをつくっていきたいと思っています。
お店がありますけれども、イチゴはしっかり売られていますけれども、それはそれで非常に大事なんですけれども、久能山東照宮に関わるものはほとんど売られていないという状況です。ちょっと信じがたいような状況にあるというのが、私の実感です。
これから市として本気で取り組んでいくということで、具体的な中身は、これからになりますけれども、本気で取り組むと言ったからには、しっかり結果を出していきたいと思います。