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更新日:2025年9月29日
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福地健議員の質問への答弁概要
質問と答弁の概要
質問:10年先を見据えたまちづくり
- オーストラリアのモートンベイ市訪問の経緯と視察内容及び受け止めはどのようなものか。 また、今後どのように関係構築を進めていくのか。
答弁概要
まず、今回訪問したモートンベイ市について、ご紹介します。
モートンベイ市は、オーストラリア東部、クイーンズランド州にあります。その州都で人口約136万人のブリスベンの北側に、モートンベイ市は隣接しています。モートン湾に面した自然豊かな、人口約52万人の都市です。
面積は2,045平方キロメートルと静岡市の約1.5倍です。人口は今後30年で100万人に増加し、また域内総生産は今後15年で約4兆円規模になることが見込まれる、今まさに急成長している都市です。
今回の訪問に至った経緯ですが、在ブリスベン日本国総領事館の方がモートンベイ市に対し、人口や地理的条件が似ている静岡市を交流先として紹介しでくださったことが一つのきっかけです。その後、静岡市内の経済団体の方々がモートンベイ市の関係者と活発に交流を深めたことから、2024年にピーター・フラナリー モートンベイ市長が静岡に来られました。
その際の意見交換で、私は、経済交流をはじめとする幅広い都市間交流の可能性を強く感じ、モートンベイ市長ともその考えを共有しました。
その後、市内の経済団体が30名を超える訪問団を派遣する機会にあわせ、本年8月にモートンベイ市を訪問することとしました。行政関係者、議員もあわせて39名になりました。
主な視察内容についてですが、まず、海洋分野では、様々な方法で養殖を行う、ブライビー・アイランド・リサーチ・センターを訪問しました。クイーンズランド州政府から約22億円もの大規模投資を受け、モートンベイ市ではこの施設を中心とした水産養殖を主産業として確立していました。
教育分野では、サンシャインコースト大学を訪問し、モートンベイ市周辺の大学関係者等と意見交換を行い、教育ワークショップに参加しました。このなかで特に印象的だったのは、サンシャインコースト大学の先進的な海洋研究やボンド大学の積極的な留学生受け入れの取組でした。
モートンベイ市は観光にも力を入れており、観光誘客を専門とする非営利団体と連携し、「観光客数の増加と観光客の滞在期間の延長」を主な目標に、マーケティングに基づく戦略的な観光促進を行っているとのことでした。静岡市も、今、観光客数の増加と観光単価の増大を目指しており、非常によく似ているということです。
2032年にはブリスベン・オリンピック・パラリンピックが開催されます。モートンベイ市はその会場の一つになります。したがって、今後スポーツ・ツーリズムなどを通じた大きな経済効果がオリンピック・パラリンピックで見込まれるとのことでした。
また、海洋分野では、特定の地区を、住宅、マリーナ、商業施設などと一体的に開発し、国内外の海洋産業関連企業を積極的に誘致することで、新たな雇用を生み、地域経済の活性化、人口増加を促進していくとのことでした。
3日間の滞在で、産業、教育、観光、人口増加のあらゆる分野において、モートンベイ市の政策を推し進める活力を感じ、伸びているまちを実感しました。両市の友好関係をさらに深めるとともに、互いの都市に共通する特徴を活かして、前向きに連携していくことができると、それが静岡市の発展につながると確信しました。
私をはじめこの訪問団の皆さんと、モートンベイ市の関係者とは、共有したことがあります。それは、静岡市とモートンベイ市はツインシティ、双子のような都市と言えるほど共通点も多く、似た環境にあるということです。したがって、このモートンベイ市と静岡市との交流が強く望まれているところです。このことは、モートンベイ市の関係者も、同じ認識を共有しているところです。
モートンベイ市とは、これまでの静岡市の姉妹都市とは異なる形、経済交流を中心とした関係を構築していくことがよいのではないかと考えています。
また、経済市場を拡大するための両市の企業を繋ぐ支援、海洋開発の相互研究、大学間や学生交流の支援、観光誘客などについて、具体的な取組をこれからモートンベイ市と協議していきます。