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更新日:2026年3月4日
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井上智仁議員の質問への答弁概要
総合計画について
4次総の見直しと5次総の策定について
個別の政策を見直すのではなく、総合計画そのものを見直さなければならないと判断した最大の理由はなにか。
4次総のままでは不十分な理由は、今、井上議員が列記いただいたように多々あります。その中で、4次総の最大の問題は、静岡市が人口減少の加速期に入っているという現実を、直視していなかったことにあります。
4次総では、将来人口の見通しとして、国立社会保障・人口問題研究所、いわゆる社人研が国勢調査を基に推計した将来人口を用いて目標を設定していました。
しかし、静岡市の人口は、2024年6月末時点で、すでに2020年の国勢調査を基にした社人研の推計を3,000人以上下回っており、想定よりも早いペースで人口減少が進行しています。
さらに、2050年の人口については、社人研推計では54.6万人と見込まれている一方、市独自の将来人口推計では49.5万人です。社人研推計よりも約5万人下振れすることが想定されます。
人口増の時代においては、社会全体の経済力が自然に拡大する、あるいは需要が自然に拡大するため、現状を起点として将来を見るフォアキャスティング思考のもと行政経営をしたとしても、多少の見込み違いや失敗は需要増で消し去られ、目立つことはありませんでした。
しかし、今、静岡市が直面しているのは、人口減少の加速期です。この局面で、フォアキャスティング思考を前提にすれば、どうしても将来人口の減少への認識が甘くなりがちで、行政需要の縮小を見込んだ政策も不十分となりがちです。結果として、将来に過剰な施設を残すことになり、それが財政負担の重荷になり続けます。
そのため、人口減少加速期に入った静岡市においては将来どのような人口規模・人口構造になるのかという将来時点を思考の起点とし、それから現時点に立ち返って将来と現状を比較して何をなすべきかを考えるバックキャスティング思考でなければ、適切な市政運営はできません。
例えば、給食センターの整備を例にします。4次総では、現状の給食センターの調理や配送といった既存の仕組みを前提に、老朽化している東部給食センターを廃止し、新たな給食センターを建設する計画としています。
これが、現在の需要や体制を前提に、その延長上で将来を考えるフォアキャスティング型の思考方法です。
これに対し、5次総では、バックキャスティング思考により、静岡市独自の将来人口推計方法により、小中学校単位で小中学生の将来人口を算出し、それを基に、市全体の給食の将来必要な供給量を推計しました。
その結果、小中学生の人数の減少を踏まえると、新たな給食センターを建設しなくても、既存の他の給食センターによる総供給量によって、需要を上回る給食供給が可能であることが分かりました。
さらに、給食の調理・配送システムに民間の最新技術を導入することで、現在よりも低コストでかつ高品質な給食供給が可能であることも明らかになりました。
このように施設供給において将来人口規模や人口構造を見誤った政策形成、あるいは将来の技術革新を考慮に入れない政策形成は、施設の供給過剰と、その施設の中長期的な維持管理費の両面で未来に負担を残します。
静岡市は今、人口減少の加速に歯止めをかけられるかどうかの瀬戸際にあり、将来の方向性を誤ることが許されない、極めて重要な局面に立っています。
この観点から4次総を振り返ると、人口減少の加速期に入っているという現実を直視した計画とは言えません。4次総の問題は個々の政策の内容の問題ではなく、計画の前提となる人口減少への認識の甘さにあると考えています。
そのため、政策を部分的に修正するのではなく、静岡市の厳しい人口減少、とりわけ加速期に入ったこの現状を直視した市政運営へ転換しなければなりません。
このような認識により、総合計画そのものを見直す必要があると判断し、5次総を策定をいたしました。