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更新日:2024年8月23日
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個人市民税・県民税の所得控除の種類
納税義務者の実情に応じた税負担を求めるために、配偶者や扶養親族の有無、病気・災害などによる臨時的な支出の有無など、それぞれの生活事情を考慮して、所得金額から一定の額を控除します。
所得控除の種類は以下のとおりです。
雑損控除
納税義務者または生計を一にする配偶者や親族が、前年中に災害や盗難、横領により住宅や家財等に損害を受けた場合、所得控除を受けられます。
控除額
次のいずれか多い方の金額
- (損失額-保険金等により補てんされた額)-(総所得金額等×10%)
- 損失額のうち災害関連支出の金額-5万円
詳細は「災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」
医療費控除
納税義務者または生計を一にする配偶者や親族のために、前年中に医療費を支払った場合、所得控除を受けられます。
控除額
医療費支払額-保険金等で補てんされる金額-(総所得金額等×5%または10万円のいずれか少ない方の金額)
控除額が200万円を超える場合は200万円が限度となります。
前年中に支払った医療費とは、現実に支払ったものとなります。未払い分は実際に支払った年の控除の対象となります。
保険金等で補てんされる金額とは、生命保険契約等に基づき支払いを受ける各種給付金、社会保険等から支給される給付金、出産一時金などが該当します。
医療費の範囲
診療費、治療費、入院費用などその病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額が対象となります。(次のものも対象に含まれます。)
- 医師、歯科医師に支払った診療費、治療費、治療や療養のための医薬品の購入費
- 病院、診療所、助産所や指定介護老人福祉施設へ支払った入院費、入所費
- 治療のためにあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師に支払った施術費
- 保健師や看護師等に療養上の世話を受けるために支払った費用
- 助産師による分べんの介助を受けた費用
- 介護福祉士等が診療の補助として行う喀痰吸引等に係る費用の自己負担分
- 診療や治療等を受けるために直接に必要な次の費用
- (1)通院の費用
- (2)入院の対価として支払う部屋代、食事代
- (3)義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯などの購入費用
医療費の対象とならないものの例
- 健康診断や美容整形手術のための費用(ただし、健康診断により重大な疾病が発見され、かつその診断に引き続きその疾病の治療をした場合は、健康診断の費用も対象となります。)
- 疾病の予防や健康増進のための医薬品の購入費、親族に支払う付添費用
- 通院のための自家用車のガソリン代や駐車場代
- 医師等の診療等に関係なく購入した補聴器の購入費
医療費控除の特例(平成29年1月1日から令和8年12月31日まで)
適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、国が定める健康診査などを受けている者が、平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に、スイッチOTC医薬品を年間12,000円を超えて購入した場合には、その購入費用(年間100,000円を限度)のうち12,000円を超える額について、所得控除の適用を受けることができます。
なお、本特例の適用を受ける場合は、現行の医療費控除の適用を受けることができません。
平成30年度から令和9年度の個人市民税・県民税について適用されます。
スイッチOTC医薬品とは、要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品(類似の医療用医薬品が医療用保険給付の対象外のものを除きます。)をいいます。
社会保険料控除
納税義務者または生計を一にする配偶者や親族が負担することになっている社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金、国民年金等)を前年中に支払った場合、所得控除を受けられます。
控除額
前年中に支払った金額
控除の対象となる社会保険料は、本人が支払ったものに限られますので、生計を一にする配偶者や親族が受け取る公的年金等から直接差し引かれている介護保険料や後期高齢者医療制度の保険料等は、その親族自身の社会保険料控除の対象となります。
小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済法に規定する共済契約に基づく掛金、確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金または心身障害者扶養共済制度の掛金を前年中に支払った場合、所得控除を受けられます。
控除額
前年中に支払った金額
生命保険料控除
納税義務者または生計を一にする配偶者や親族を受取人とする生命保険契約などに基づいて前年中に保険料を支払った場合、所得控除を受けられます。
控除額
支払金額 | 控除額 |
---|---|
15,000円以下 | 支払金額の全額 |
15,001円から40,000円まで | 支払金額×50%+7,500円 |
40,001円から70,000円まで | 支払金額×25%+17,500円 |
70,001円以上 | 一律35,000円 |
支払金額 | 控除額 |
---|---|
12,000円以下 | 支払金額の全額 |
12,001円から32,000円まで | 支払金額×50%+6,000円 |
32,001円から56,000円まで | 支払金額×25%+14,000円 |
56,001円以上 | 一律28,000円 |
旧制度・新制度共に合計の控除限度額は70,000円です。
旧制度・新制度の両方を契約されている場合は、「一般生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」について、各控除ごとに次のいずれかを選択できます。
- 旧制度適用契約のみで申告
- 新制度適用契約のみで申告
- 旧制度適用契約と新制度適用契約の両方で申告
地震保険料控除
納税義務者または生計を一にする配偶者や親族の住んでいる家屋や家財などを対象とした地震保険契約などに基づいて前年中に保険料を支払った場合、所得控除を受けられます。
控除額
支払金額 | 控除額 |
---|---|
50,000円以下 | 支払金額×50% |
50,001円以上 | 一律25,000円 |
支払金額 | 控除額 |
---|---|
5,000円以下 | 支払金額の全額 |
5,001円から15,000円まで | 支払金額×50%+2,500円 |
15,001円以上 | 一律10,000円 |
地震保険契約、旧長期損害保険契約の両方ある場合は合計の控除限度額は25,000円です。
障害者控除
納税義務者または同一生計配偶者や扶養親族が障害者である場合、所得控除を受けられます。
控除額
- 1人あたり26万円
- 特別障害者に該当する場合30万円
- 同居特別障害者に該当する場合53万円
特別障害者とは、重度の知的障害者、精神障害者保健福祉手帳1級の方、身体障害者手帳1級・2級の方、常に就床を要し複雑な介護を要する方などが該当します。
同居特別障害者とは、同一生計配偶者または扶養親族が特別障害者に該当し、かつ納税者または配偶者や生計を一にする親族のいずれかとの同居を常況としている場合が該当します。
寡婦・ひとり親控除
寡婦控除
寡婦とは、原則として前年の12月31日の現況で、下記「ひとり親」に該当せず、次のいずれかに当てはまる場合に寡婦控除を受けられます。
- (1)夫と離婚した後婚姻をしておらず、(子以外の)扶養親族を有し、合計所得金額が500万円以下で、事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる方がいない場合
- (2)夫と死別した後婚姻をしていない方又は夫の生死が明らかでない一定の方で、合計所得が500万円以下で、事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる方がいない場合
控除額
寡婦控除:26万円
ひとり親控除
ひとり親とは、原則として前年の12月31日の現況で、婚姻をしていないこと又は配偶者の生死の明らかでない一定の方のうち、次の三つの要件の全てに当てはまる場合に受けられます。
- (1)その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の方がいないこと
- (2)生計を一にする子がいること
この場合の子は、前年の総所得金額等が48万円以下で、他の方の同一生計配偶者や扶養家族になっていない方に限られます - (3)合計所得金額が500万円以下であること
控除額
ひとり親控除:30万円
勤労学生控除
納税義務者が勤労学生である場合、所得控除を受けられます。
控除額
26万円
勤労学生とは、大学、高等学校等の学生または生徒であり、自身の前年の合計所得金額が75万円以下で、自己の勤労によらない所得が10万円以下である方が該当します。
配偶者控除
納税義務者に控除対象配偶者がある場合、所得控除を受けられます。
控除対象配偶者とは、同一生計配偶者のうち、前年の合計所得金額が1,000万円以下である納税義務者の民法の規定による配偶者をいいます。
同一生計配偶者とは、納税義務者の夫または妻で、その納税義務者と生計を一にするもの(青色事業専従者に該当するもので青色事業専従者給与の支払いを受けるもの及び事業専従者に該当するものを除く。)のうち、前年の合計所得金額が48万円以下である者をいいます。
控除額
納税義務者の 前年の合計所得金額 |
配偶者控除額 | 老人控除対象配偶者 (年齢70歳以上の者) の控除額 |
---|---|---|
900万円以下 | 33万円 | 38万円 |
900万円超950万円以下 | 22万円 | 26万円 |
950万円超1,000万円以下 | 11万円 | 13万円 |
扶養控除
納税義務者に扶養親族がある場合、所得控除を受けられます。
扶養親族とは、納税義務者と生計を一にする配偶者以外の親族(16歳未満の扶養親族または事業専従者を除く)であり、前年の合計所得金額が48万円以下である方が該当します。
なお、扶養親族は6親等以内の血族、3親等以内の姻族をいいます。
控除額
- 一般の控除対象扶養親族:1人あたり33万円
- 特定扶養親族(年齢19歳以上23歳未満)に該当する者:1人あたり45万円
- 老人扶養親族(年齢70歳以上)に該当する者:1人あたり38万円
- 同居老親等扶養親族(老人扶養親族のうち、納税義務者または納税義務者の配偶者の直系尊属で、納税義務者または納税義務者の配偶者のいずれかとの同居を常況としている者)に該当する者:1人あたり45万円
配偶者特別控除
納税義務者に控除対象配偶者に該当しない生計を一にする配偶者があり、次の条件を全て満たす場合、所得控除を受けられます。
納税義務者本人の所得要件
- 適用を受けようとする年分の合計所得金額が1,000万円以下であること(合計所得金額が1,000万円を超える場合には、配偶者控除及び配偶者特別控除の適用を受けることができません)。
- 合計所得金額900万円を超える場合、配偶者控除・配偶者特別控除の控除額が徐々に減り、合計所得金額1,000万円を超えると配偶者控除・配偶者特別控除の控除対象外となります。ただし、配偶者の合計所得金額が48万円以下であれば「同一生計配偶者」となり、当該配偶者が(特別)障害者に該当する場合は、(特別)障害者控除を受けることができます。
配偶者の所得の範囲
- 前年の合計所得金額が133万円以下であること(前年中の給与収入金額が1,030,001円から2,105,999円までであること)。
- 配偶者控除との重複適用はありません。
- 配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与収入金額が103万円以下)のときには配偶者特別控除は受けられません。
配偶者に関する要件
- 事業専従者(青色・白色)や他の納税義務者の扶養親族でないこと。
- 納税義務者と配偶者の両方が、配偶者特別控除の適用を受けないこと。(一方のみ控除の適用が受けられます)
配偶者特別控除の控除額
配偶者特別控除の控除額については、配偶者の合計所得金額に応じて次の表のとおり定められています。
なお、配偶者の前年の収入が給与所得のみの場合は、前年の給与収入金額を次の表の「【参考】配偶者の給与収入金額」に当てはめて、控除額を求めてください。
納税義務者の合計所得金額 (給与所得のみの場合の納税義務者の給与収入金額) |
【参考】 (給与所得のみの場合の配偶者の給与収入金額) |
|||
---|---|---|---|---|
900万円以下 (1,095万円以下) |
900万円超950万円以下 (1,095万円超1,145万円以下) |
950万円超1,000万円以下 (1,145万円超1,195万円以下) |
||
配偶者の合計所得金額 48万円超100万円以下 |
33万円 | 22万円 | 11万円 | (1,030,000円超 1,550,000円以下) |
100万円超105万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 | (1,550,000円超 1,600,000円以下) |
105万円超110万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 | (1,600,000円超 1,667,999円以下) |
110万円超115万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 | (1,667,999円超 1,751,999円以下) |
115万円超120万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 | (1,751,999円超 1,831,999円以下) |
120万円超125万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 | (1,831,999円超 1,903,999円以下) |
125万円超130万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 | (1,903,999円超 1,971,999円以下) |
130万円超133万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 | (1,971,999円超 2,015,999円以下) |
133万円超 | 0円 | 0円 | 0円 | (2,015,999円超) |
所得金額調整控除の適用がある場合には、括弧内の各金額に15万円を加えてください。
基礎控除
納税義務者の合計所得金額が2,500万円以下の場合、基礎控除を受けられます。
控除額
納税義務者の前年の合計所得金額 | 基礎控除の控除額 |
---|---|
2,400万円以下 | 43万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 29万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 15万円 |
2,500万円超 | 基礎控除の適用なし |