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更新日:2025年6月26日
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長沼滋雄議員の質問への答弁概要
目次
市長の政治姿勢について
市長の政治姿勢について
リニア中央新幹線建設事業に係る環境影響評価について
水資源の問題について
葵区雑居ビル火災殉職事故について
「消防を管理する市長としての最終考察」について
質問と答弁の概要
質問:今後の市政変革をどのように進めていくか
政策執行力の改善は進めつつ、これからは政策形成力の変革をしていかなければならないと認識しています。
適切な政策形成には、根拠に基づく政策形成、いわゆるEBPMが不可欠です。例えば、静岡市の人口減少の原因の根底の根底は「土地生産性の限界」の問題にあると考えられますが、これについて、しっかりした分析をした上で政策形成が必要だと思います。
そして、政策立案時におけるEBPMの考え方をしっかり浸透させて、「原因と根底にある原因をなぜなぜと追究すること」と「原因の根底から解決する方策を考え抜くこと」を進めているところです。
このようなことから、今後着手する4次総の見直しにおいては、職員のEBPM、根拠に基づく政策形成を習慣化して、根拠に基づく政策の見直しとなるようにしていきたいと思います。
なお、政策執行については、根拠と共感に基づく政策執行、EEPIが必要だということを職員に述べているところです。
静岡市は、少子高齢化や経済格差、気候変動により激甚化、頻発化する風水害などへの対応に直面しています。こうした厳しい状況下において、これまでの延長の市政による対応では、このまちの明るい未来はありません。
これまでの2年間と同様、地道に、ときには大胆に根底からの変革を進め、時代に即した対応をしていく必要があります。
市民の皆様に、静岡市に暮らす幸せを感じてもらい、とりわけ、これからの社会を担う若い世代に、いつまでも住み続けたいと思ってもらえるよう、引き続き、結果を出す市政への変革を進めていきます。
質問:県とJR東海の水資源に関する項目の対話の完了をどのように受け止めているか
リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川中下流域の水資源への影響に関して、県は専門部会を設け、JR東海と対話を進めてきました。
対話が始まった当初は、環境リスクに関するJR東海の対応姿勢に問題があったことから、なかなか対話が進展しませんでした。しかし、国が設置した有識者会議での議論や指導を通じ、科学的・工学的な視点からの議論が進展しました。
今月2日に行われた県専門部会で「田代ダム取水抑制案」について技術的な最終確認がとれたことにより、県が整理した「今後の主な対話項目」のうち、水資源に関する項目がすべて対話完了となりました。
リスク管理も含めた技術的議論が行われ、想定どおり取水抑制ができない状態が発生した場合は、先進坑の掘削を一時中断し、掘削スケジュールを再検討するなど、順応的管理の考え方に基づき進めることも明示されています。
水資源への影響予測や保全措置の検討、リスク管理の方法などについて、科学的根拠をもとに、社会からの不安にも耳を傾け、対話が完了したことに対し、関係者の皆様の長年のご尽力の賜物と敬意を表します。
トンネル掘削工事による大井川中下流域の水資源への影響に関して、説明するためには、まずトンネル掘削が地中、地表面の水の流れにどのような変化を及ぼし、それが中下流域の水資源にどのように影響するのかを理解していただく必要があります。
ただ、これについては、非常に詳細な説明が必要となりますので、ここで私が短い時間で申し上げてもなかなか説明しにくいということがあります。こういった問題については、本来は事業者であるJR東海がしっかりと説明すべき問題であると思いますので、この場での私の説明は控えたいと思います。
水資源に関する対話の完了については、国の有識者会議における最高峰の知見を有する方々の長期間の検討の結果を踏まえて、水利用の大井川流域8市2町の首長の理解も得られたと認識しています。
今回、対話が完了した水資源の項目は、中下流域の水資源への影響についてであり、上流域の生態系に及ぼす影響はまた別の問題です。これから県と連携して、市協議会で引き続き適切な議論を進めていきます。
なお、水資源の問題については、中下流域の問題についてもこれですべてが解決したわけではありません。工事着手前の評価としては完了したということです。
今後は工事の実施段階になったときは、順応的管理によって何かあった場合、例えば、想定を超える湧水量があった場合は、一時工事を止めて対策を考えることが必要となります。
質問:最終考察において、どのような記載内容の見直しを行ったのか
3月17日に記者会見で発表した「消防を管理する市長としての最終考察」は、令和5年8月の事故調査報告書と6年2月の行政的検証報告書を一体として、事実の経緯から課題、再発防止策までの全体が把握できるよう整理したものです。
見直した記載内容については、最終考察をまとめるため、関係者などからいただいた、さまざまな意見等があった部分について、改めて事実確認を行いました。
その結果、事実認定に誤っているものはなかったものの、主として次の事項について事実関係として新たに追加して記載すべきと判断したものがありました。
具体的には、活動初期の情報収集が効率的でなかったことや火点付近にいた3人の退出時にホースが動いたかどうかについて、時系列で整理したものなどです。
これらについて、改めて追記又は部分変更をし、事実関係をより明確にするために整理し直しました。
質問:事故発生後の消防隊員への聴き取り調査の課題はどのようなものがあったのか
最終考察においては、次のように記載しています。
- 事故発生直後に当日の出動隊22隊のうち4隊を対象に部隊活動の内容に限った調査を実施していること
- 聴き取りの内容や対象など調査の範囲を広げ、より多くの情報を収集する必要があったと考えられること
- 同じ出動隊の隊員を一堂に集めて聴き取ったことや同じ消防局の職員が聴き取ったことにより、周りの隊員や聴き取りを行う職員に配慮した意見になったり、意見を言わなかったりという状態が生じたと考えられること
このように聴き取り調査の範囲と方法に課題がありました。その根本的な原因は、聴き取り調査を消防局の内部調査に任せきりにしてしまった市の体制に問題があったと考えます。
今後、万一、重大な事故が起きた場合は、消防を管理する市長として、事故調査を消防局の内部調査に任せきりにせず、初動において適切な聴き取り調査ができる体制を作る必要があります。
具体的には、まずは消防局内で調査チームを編成し、責任者を決め、聴取対象や統一した聴取方法、聴取する順序等を設定した上で進める体制とします。
ただし、この調査チームは、調査の客観性・公平性の観点から、事故に直接関わりのない職員による第三者的なものとします。
そのうえで、市の事務事業に係る事故等に迅速かつ適正に対処するための組織である「事務事業危機管理本部」、これは市長部局にあるわけですが、と緊密に連携し専門家の助言を得て調査を実施していくことが必要だと考えています。