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更新日:2025年6月27日

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丹沢卓久議員の質問への答弁概要

目次

コメ問題と農政について

コメ問題と今後の農政

人口減少対策について

人口減少対策の目標値

質問と答弁の概要

質問:土地の利活用における今後の農地利用の考え方はどのようか

農地は、食料の安定供給を担う生産基盤であるとともに、環境保全や景観形成、さらには災害時の緩衝機能など、多面的な役割を果たしており、その保全と適切な利用は重要であると認識しています。
確かに、食料安全保障の問題というのは非常に大事な問題です。国家であるとかそういった問題から考えれば、非常に大事な問題でもありますが、その一方で、農家にとって最も大事なことは、それは収入源であるということです。

この点で、静岡市の農業の生産性を見てみたいと思います。
生産性を見る指標の一つに「反収」というものがあります。すなわち、10アール、1,000平米あたりの収入です。あくまで平均値で、試算方法にも仮定があるので、イメージを持っていただくレベルの精度となりますが、米は「反収」が約6万円、お茶は20万円、柑橘は70万円、イチゴは500万円超、トマトは300万円超です。
米やお茶の「反収」は低いのがわかりますが、とりわけ、米について、静岡市の、先ほどの6万円は、2016年調べということで古いのですが、6万円ということで、全国平均は2022年調べで12万円となっています。

なぜ、これだけ静岡の米の「反収」が低いかは、少し研究しますが、これらについては、現在公開中の「市政運営の基礎情報」の50番「経済産業」の131ページに掲載しています。このように農業を考える場合においても、データをしっかり見て、農業の生産性、そして、どのくらいの面積で、一人が耕作をしているのか、一農家あたりでどれくらいの収入があるのかということを考えたうえで、「どういう農業を進めていけばよいのか」「どういう農地利用をしていけばよいのか」ということを考える必要があると思います。

そして、今の静岡市の農業の実態というのは、農業所得等を見てみますと、静岡市では、農業所得の低下などの原因により、農業者の減少傾向が続いています。
2005年と2020年の比較では、総農家数は14,376人から7,022人と51%減少しています。65歳以上の割合は、42%から59%に上昇しています。
それに伴って耕作放棄地や荒廃農地が増えてきており、2020年では、全体の農地面積9,861ヘクタールのうち、約5,300ヘクタールの農地が未利用・低利用となっている状況です。

こうした状況を踏まえ、農業行政を適切に進めるにあたっては、「地域農業経営基盤強化推進計画」いわゆる「地域計画」を策定したうえで進める必要があり、この計画を今年の3月に策定しました。
この計画は、10年後、20年後の農地を誰が担っていくかを考え、地域農業の将来像とその担い手の在り方を地域で共有することで、必要とする農地が将来にわたって適切に維持・活用されることを目指すものです。この計画を踏まえ、市は、担い手が決まっていない農地や耕作放棄地などの未利用・低利用地が多い地域において、一団の農地への集約を進め、大規模かつ効率的な農業経営が可能となるように取組んでいます。

こうした農地集約の推進にあたっては、現在耕作している農業者の耕作地の移転が必要となります。この移転を促進するため、今年度から「静岡市農地集約化促進事業補助金」を創設しました。この制度では、農地集約に協力し耕作地を移転した農業者や、移転によって空いた農地をまとめて再生した農業者に対して、市が補助を行います。

このようにして農地を集約することで、経営規模が拡大し、作業の効率化や生産性の向上が期待され、農業者の所得向上にもつながると考えています。
さらに、所得の向上の意欲のある新たな担い手の参入を促進し、耕作放棄を防ぐとともに、農地の有効利用と継承につながるものと見込んでいます。例えば、イチゴについては非常に生産性が高いので、トレーニングファームというものを、JA静岡市と協力して進めようとしています。

これに加えて、集約された農地では、スマート農業などの先進的な農業や法人による大規模営農などの農業モデルの導入が可能となることから、収益の向上や地域における雇用の創出など、地域農業の活性化にも寄与するものと期待しています。また、地権者の意向を確認して、非農業利用地として集約した土地は、企業用地化するなどの活用により、地域経済の活性化に寄与するようにします。

今後も、一般財団法人静岡市土地等利活用推進公社とも連携しながら、農地の集約を進め、地域の貴重な資源である農地を最大限に活用し、持続可能な農業経営の実現、そして、農業の生産量の拡大や安定供給を図っていきます。

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質問:市長は人口目標を設定する考えはあるか

人口目標の設定は、今後の市政のかじ取りを行う上で、必要不可欠であると考えています。
定住人口は、行政需要量の基礎となるものですので、将来定住人口を設定しなければ、将来需要量を設定できません。そして、人口減少は、雇用の縮小や行政サービスの縮小、まちの魅力や利便性の低下、そして、それが人口減を加速することにつながります。

これまでも申し上げてきましたように、静岡市の人口減少は、すでに非常に厳しい状況にあります。市独自の人口推計によれば、このまま有効な対策を取らなければ、2050年に49.2万人まで人口が減少すると予測されています。
今は、直ちに有効な対策をとって、将来の人口減少の加速に歯止めをかけることができるのか、それとも、対策が不十分で人口減少の加速を止められないのか、その瀬戸際にある時といえます。

2050年に50万人を割るという将来を決して迎えてはいけないと私は強く思っています。この強い危機感を持って、単に目の前の課題に対応するだけではなく、将来の静岡市のあるべき姿を明確に描き、将来の人口目標を示したうえで、目標達成に向けた政策を立案し、実行に移し、人口減少を緩やかにしていく、いわゆる「緩和策」をとらなければなりません。

静岡市の厳しい人口減少の原因は様々ですが、その一つに、市内大学の定員が多いという恵まれた状況にあるものの、大学卒業後に市外に流出してしまうという現実があり、それは市内に若者向けの魅力ある仕事が不足していることに起因していると考えられます。このような状況を解消するためには、若い世代を惹きつける仕事と雇用の創出に向けた政策が必要です。そのため、就職や転職の適齢期にある方の人口増加を目指していきます。
魅力的と感じる仕事や雇用を創出するためには、企業立地用地を創出し、若者にとって魅力のある企業の誘致を進めていくとともに、街中へのオフィスの供給促進を図っていく必要があります。

流出防止だけではなく、流入を促進することも必要です。仕事や雇用を創出することは、流入の促進にもつながります。働く場所、商業施設、学校、娯楽施設が住む場所の近くにある、「職・住・商・学・遊近接のまちづくり」を行うことが重要です。
そこで、住宅確保への支援、子育て環境の充実など、生活全体を支える環境整備を進め、まちの魅力を高め、住んでみたい、住み続けたいと思ってもらえるようなまちにしていきます。

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質問:人口目標を設定するには、具体的な政策の積み上げを行うべきと考えるがどうか

人口減少対策は、複合的で、多様な政策が必要です。一つの政策を行えば、それによってこれだけの人口増の効果があると推定できるものではありません。様々な政策の効果が総合化されて人口増につながります。

しかし、そうではあっても政策の積み上げのためにも、個々の政策、取組の効果を試算することは重要です。例えば、総合的な政策を静岡市が持続的に推し進めることにより、20歳から24歳人口が、2025年から2050年までの25年間に、今よりも毎年1,000人、人口流入すると、1,000人×25年間で、2万5千人増となります。しかし、実際は、これによる25年後の人口増を推計すると、3万1千人と、6千人の増加になります。これは、若年層が増えることにより、静岡市の出生数が増える効果が出るからです。
したがって、いかにこの若い世代の方々の人口流入が、将来の人口増にとって大事だということがわかると思います。今の場合、毎年1,000人、20歳から24歳人口の流入が増えたとすると、その時の市独自推計の2050年の人口は、先ほどの49.2万人は52.3万人になると試算されます。

もちろん、全世代の流出防止、流入促進が極めて重要となりますが、とりわけ静岡市の弱点ともいえる若い世代の流出を防止し、流入をいかにして増やしていくかが、これからの静岡市の課題となります。

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質問:人口目標は、4次総見直しの中で明示していく考えはあるか

2050年に人口49.2万人という将来を決して迎えないためにも、2050年の人口目標は大事であり、そして10年後の2035年の人口目標を、4次総の見直しの中で明示することは非常に大事だと考えています。議員ご提案の、2035年の60万人以上というのは、参考となる重要な目標値であると認識しています。
ただ、今日は、60万人という目標を掲げるのではなく、これからの4次総の見直しの中で、政策をしっかりと積み上げ、目標の2035年の目標人口、あるいは2050年の目標人口を定めてまいりたいと考えています。

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