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更新日:2026年6月25日

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尾崎行雄議員の質問への答弁概要

目次

生涯学習のサービス及び提供場所の最適化について

パブリックコメントの結果について

生涯学習のサービス及び提供場所に関する見直しの方向性について

清水区の市立・公的病院の機能維持のための取組について

これまでの経緯と地域医療への影響につ いて

病院職員や患者及び地域に対する説明責任について

質問と答弁の概要

質問:4月に実施したパブリックコメントの結果についてどのように受け止めているのか。

まず、尾崎議員のパブリックコメントの結果の受け止めについてのご質問にお答えするにあたっては、パブリックコメントの目的や注意点をしっかり認識しておく必要があります。
私の考えを述べると、私見にすぎないと言われる可能性があるため、有識者の見解を紹介します。

事業構想大学院大学出版部が発刊している「月刊事業構想」は、市政運営において大変参考になります。
その2026年6月号の70から71ページに「パブリックコメント(意見公募)の注意点」に関する、牧瀬稔教授の論説が掲載されているため、そこから引用します。
牧瀬教授は、「行政がパブリックコメントを実施する意義は、透明で開かれた行政を推進する点にある。特に、住民の多様な意見を行政運営に反映させるとともに、住民に対する責任を果たす役割も有している」とした上で、「筆者の個人的な見解ではあるが」と前置きし、次の三つの問題点を指摘しています。
一つ目は、自治体がパブリックコメントの回答件数にこだわりすぎていることです。例えば、「数千件の意見が寄せられたとしても、その大半が同一内容の転載や定型文で占められているのであれば、政策形成への実質的な寄与は限定的」であり、また、「重要なのは、提示された条例案や行政計画案について、住民がどれだけ考え、議論し、熟議を深めたか」と指摘しています。
二つ目は、パブリックコメントに関し、「多くの案件については、内容に納得できるため、あえて意見を提出する必要性を感じず、結果として提出していない」と指摘しています。
三つ目は、「より大きな問題は、多くの住民がパブリックコメントそのものを認知していない点にある」、そして「制度の存在を知らないために、そもそも意見を提出する機会すら得られないことこそ問題である」と指摘しています。

静岡市は、静岡市市民参画の推進に関する条例において、市民が市政に参画するための基本的な事項を定めています。
条例第7条には、市民参加手続の内容として、実施機関は、施策の立案、実施及び評価の一連の過程において、市民と協働して市政運営を行うことを目的として、施策に対する市民の関心及び市民に与える影響等を勘案し、市民参画が必要であると認める場合には、市民の意見等を施策へ反映するための手続、すなわち市民参画手続を実施するものとされています。
そして、その条例第7条第2項に、市民参画手続の方法が3つ規定されていますが、その一つが「広く意見等を募集するための手続」で、これがパブリックコメントに当たると思います。

私が市長になってからは、静岡市は、案件によりますが、二段階のパブリックコメントを実施することがあります。
一段階目は、政策案や計画案の方向性、あるいは素案の段階のパブリックコメント。二段階目は、政策案・計画案の策定の最終段階のパブリックコメントです。
3月から4月に実施した「生涯学習のサービス内容及び提供場所に係る最適化の方向性(案)」に関するパブリックコメントは、この一段階目の「政策案の方向性」の段階のパブリックコメントです。
このパブリックコメントについては、二つの点で反省すべき点がありました。
一つ目は、「計画案の方向性」のパブリックコメントであるにもかかわらず、それを十分に説明していないため、「計画案の最終段階」のパブリックコメントと受け止められたことです。この結果、市民の皆さまは、直ちにこの案に基づき、生涯学習施設の集約化を実施するとの懸念・心配をお持ちになりました。
二つ目は、周知の問題です。今回のパブリックコメントでは、生涯学習サービスの内容や提供場所に関わる、市全域のサービス提供に関することでした。結果として寄せられた意見は564件でした。

これらは、先ほどの牧瀬教授の論説で指摘された三つの問題点に通ずるところがあります。
一つ目は、意見の件数の捉え方です。今回寄せられた意見は564件でしたが、牧瀬教授が指摘しているとおり、その中には同一内容の転載と思われるものが多数見られました。
二つ目は、意見の表明者の偏りです。清水区在住の60歳以上の方からの意見が68%を占めていました。
これは、清水区在住の60歳以上で、現在施設を利用されている方にとって、現在の施設配置は利便性が高いため、その維持を望んでおられる結果と考えられます。
一方で、駿河区のように、現在より利便性の向上が見込まれる地域からの意見は極めて少なかったです。このことから、意見は見直しによる利便性の低下の影響を受ける層に偏っている可能性があります。
三つ目は、パブリックコメントを行っていることを知らなかった人が多いと思われることです。
この「静岡市の生涯学習のサービス内容及び提供場所に係る最適化の方向性(案)」に係るパブリックコメントは、静岡市全体として、市民の一人ひとりが、将来にわたり公平に、かつ利用しやすい形でサービスを受けられるようにすることを目的として、今後の講座や貸室の生涯学習サービスの集約、最適化の方向性について意見を伺うため実施しました。

それにもかかわらず、先ほど述べたとおり、意見を提出した方の地区と年代は、偏りがあることも想定していたとおりです。
なぜなら、パブリックコメントで示した内容は、清水区の生涯学習交流館を頻繁に利用されている方にとっては、利便性の低下につながる面があるからです。

この他に、意見を紹介しますと、市民活動センターと生涯学習施設の集約については、集約された結果、市民活動の支援に関する専門知識や技能を持たない事業者による運営となる可能性を指摘したうえで、市民活動の相談支援体制の弱体化を懸念する声が寄せられました。
一方で、世代を問わず利用しやすい施設や、世代間交流の場を求める声など、従来の施設の枠を超えた新たなニーズについてもご意見をいただきました。

静岡市としましては、これらのご意見を通じて、生涯学習交流館や市民活動センターが地域を支える重要な拠点であることを再認識するとともに、利便性の向上や世代間交流の促進などの改善が求められているものと受け止めました。「静岡市といたしましては」というよりも、「私がしっかりと受け止めた」と言うべきだと思います。
このような政策検討段階の意見公募でいただいた貴重な意見を参考にして、政策決定段階に進みます。

現在、利用されている方の利便性の低下への懸念を考慮しつつ、現在の施設を有効活用し、サービス内容や運用の見直し、機能の連携強化により、市民の皆さまがより利用しやすく、かつ多様なニーズに対応できる形へ計画を変更します。そして、政策決定段階の市民意見公募を行います。

なお、パブリックコメントには、先ほど述べましたように、様々な実施上の課題があります。このことを認識し、市民参加の方法を再考しているところです。

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質問:生涯学習施設の役割をどのように認識しているか。

静岡市の生涯学習施設は、主に日常生活圏の市民を対象とする生涯学習交流館27館と、広い区域の市民を対象とする生涯学習センター11館があります。
これらは、いずれも学びの機会を提供する場としての役割を果たしています。
その中でも、清水区の生涯学習交流館21館は、その名のとおり、学習の場であるとともに、自治会や地域団体の集会所、すなわち交流の場として長年利用されてきた施設です。
そのため、学習の拠点としての性質だけではなく、防災や地域づくりといった、地域コミュニティ活動の拠点としての性質を兼ね備えている施設だと認識しています。

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質問:今後、市としてどのような見直しを行っていこうとしているのか。

まず、生涯学習のサービス及び提供場所の最適化については、生涯学習等の講座の重複を解消し、市全体としてより効果的、効率的なサービス提供を実現するため、生涯学習交流館や生涯学習センターをはじめ、市民活動センターや老人福祉センターなど、主に市民向けの講座を提供している施設を対象に、サービスの内容や提供方法の見直しを一体的に進めていきます。

今回のパブリックコメントの結果を踏まえて、生涯学習サービスの内容及び配置場所に係る方向性について、現在見直しを行っていることを二つ述べます。
一つ目は、施設配置の考え方です。
当初お示しした中学校区単位での配置の原則については、地域における自治会活動やコミュニティの拠点として、各施設が担ってきた役割や施設の維持を求める声を踏まえ、当面の間は現行の施設配置を維持していきます。
二つ目は、サービス内容及び利用条件の見直しです。
現在、制度上、施設ごとに利用対象や運用が異なっているとともに、一部施設では利用が特定の対象者に限定されているなど、誰もが気軽に利用しやすい施設とはなっていない状況です。
この状況を踏まえ、年齢や属性による利用者制限の見直しや運用の統一化を進めるとともに、施設ごとの役割の整理や連携の強化により、市全体として講座や貸室の生涯学習サービスの公平性と利便性の向上に取り組んでいきます。
その具体的な取組の一つとして、13の高齢者関係福祉施設と3つの勤労者福祉施設については、福祉機能と交流機能をあわせ持つ施設としてサービス内容と名称を統一し、年齢や属性にとらわれず、誰もが利用することのできる施設への転換を進めていきたいと考えています。
この見直し案については、政策の最終段階になりますので、市民意見を公募することとし、近日中に改めて市民意見公募を実施し、市民の意見を反映しながら、そのお伺いした上で、政策の最終決定を行いたいと考えております。

今後は、こうした個別の制度見直しを進めるとともに、講座内容の再整理や民間事業者との役割分担、予約システムの統一など、生涯学習サービス全体の質の向上に向けた取組を段階的に実施し、誰もが身近な場所で学びや活動に参加できる環境の実現につなげていきます。
また、講座や貸室の生涯学習サービスについては、集約、最適化を進める一方で、交流機能や自治会活動については、引き続きこれまでの場所での実施を基本とし、全体としてサービスの最適化を行っていきます。

引き続き、市民の皆さまのご意見や地域の実情を踏まえながら、より利用しやすく、持続可能なサービス体系の構築に取り組んでまいります。

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質問:今回の再編にあたり、これまでの検討過程における議論の内容、関係機関との調整状況、さらには意思決定の時期と経緯はどのようか。

今回の一体的運用を方針決定した背景には、市立清水病院における赤字の構造的な問題と危機的な状況があります。これについては、尾崎議員にも、状況をご認識いただきました。

全国的に、公立病院の経営状況は厳しい状況にあります。
その中でも、市立清水病院の経営状況は、突出して悪い状況にあります。2006年度から20年連続で赤字が続いています。いわゆる赤字率、総収入に対する赤字額ですが、これは約21%にのぼります。

ご質問の検討経緯をお答えするためには、2013年度まで遡る必要があります。
静岡市は、2013年度、市立清水病院と市立静岡病院の、地方独立行政法人化を目指すことを方針決定しました。
市立静岡病院は、当時から自律的な経営ができていたため、準備期間を経て2016年度に地方独立行政法人に移行しました。
しかし、市立清水病院は、2013年の決定の翌年の2014年に、循環器内科や腎臓内科の撤退などもあり、赤字が大幅に拡大することとなりました。
その後も、診療科の復活と撤退が繰り返され、赤字の解消は到底見込めない状況が続いています。

地方独立行政法人というのは、市政とは独立して経営をしていくことが基本になります。このためには、総務省の認可基準として、「債務超過が無いこと」「不良債務が無いこと」「資金不足が無いこと」の3つの条件が整うことが必要です。
市立清水病院は、累積欠損金や経営赤字の問題があり、一般会計に依存している状況であったことから、独法化のためには、この3条件が継続的に続く状態をまずは作る必要がありました。

そのような状況下においても、独法化を目指し、市の直営の体制で経営改善に取り組んできました。
しかし、2025年度の決算審査意見書において、経営改善に向けたマネジメント体制については、監査委員から「病院幹部の経営に関する業務分担の定めがなく、その責任の所在も不明で、多岐にわたる経営課題について適切な進捗管理を確保するための体制としては、極めて脆弱であった」と指摘されたように、目標達成に向けた組織的なマネジメント体制ができておらず、職員一丸となった取組も実施できているとは言い難い状況でした。

私が市長に就任する前は、独法化を目指し、累積欠損金を解消するため、赤字は、コロナ禍の2020年度を除き、全て市が補助金を出し埋めてきました。これらの累計額は、2014年から2023年までの10年間で、181.5億円に上ります。
しかし、赤字を市が全額補填する状態では、病院幹部も、赤字に対する危機感は持ちません。加えて、医師を中心とした病院幹部に対し、経営の視点から的確なアドバイスができる専門人材の育成や配置をしてきませんでした。
事務局体制も脆弱でした。市の直営のため、定期的な人事異動により病院事務局の職員が入れ替わってきました。新たな職員が配置されても、病院事業を深く理解し専門性を発揮する前
に異動してしまう。また、事務局職員が経営改善に本気で取り組めば、時に現場の医師や看護師と衝突することになります。
それよりも、異動するまで穏便に勤務した方が良いと考えることは、よくあることです。これでは、病院幹部を側面から支える経営のプロは育ちません。
経営のプロがいない、育たない状況で、個々人がいくら頑張っても全体として大きな効果は見込めません。
また、市直営の病院では、給与制度上、個人が頑張って経営改善しても、給与に反映されません。

独法化を本気で目指すのであれば、市は経営のプロとなる人材を育成する必要がありました。
直営であっても優秀な事務局職員を定期異動させることなく育成していけば、経営のプロは育つと思います。しかし、それをやってきませんでした。
このようないくつもの構造的な問題を放置したことは、市の責任です。

このように、市立清水病院における問題を放置した結果、2025年度の「静岡市公営企業会計決算審査意見書」において、「2024年度決算で実質22.5億円の損失があり、危機的な状況に陥っている」旨の、大変厳しい意見をいただくこととなりました。
先ほど申しましたように、この実質赤字額22.5億円を総収益で除した赤字率は21%にものぼります。
これは、その診療報酬などの問題とはかけ離れている問題となります。もはや抜本的な経営改革は避けられない状況となりました。

また、静岡市の医療需要はこの30年間、減少していないにも関わらず、市立清水病院の赤字が解消できなかった原因としては、構造的な問題以外にも、地域の医療需要の変化に対応して
いなかったということも挙げられます。
特に清水地域は、人口減少や高齢化が進行し、高齢者に係る疾病が増加するなど、医療需要が大きく変化しています。
そのような中、清水厚生病院や清水さくら病院は、地域包括ケア機能を取り入れるなど、医療需要の変化に的確に対応し、患者の獲得に努めてきました。
一方、市立清水病院も、一時期は地域包括ケア機能を取り入れました。しかし、地域包括ケア機能の維持と、高いレベルの急性期医療を提供することの両立ができなかったことから、高いレベルの急性期医療を維持する方針を選択し、地域包括ケア機能を辞めてしまうなど、時代の変化に対応できずにいました。
結果として、清水地域の患者の多くが、市立清水病院を選択せず、葵区や駿河区の総合病院や、清水厚生病院、清水さくら病院に流れてしまっています。これによって、市立清水病院は、入院患者数の減少が診療科の撤退や減少を招き、その結果、さらに入院患者数が減少し、職場環境が悪化するといった、負の循環に陥っています。

また、他の要素により、職場環境の悪化も加わったことにより、看護師の離職を引き起こし、2025年においては、許可病床463床に対し291床しか稼働していません。
このように、市立清水病院の経営改善については、これまでに、深刻な選択ミスをしたと言わざるを得ません。

さらに、現在においては、これから将来への医療需要の変化を考えなければなりません。
将来的には、当分の間、高齢者が中心となる医療需要の変化はさらに顕著なものになります。
さらにその先の将来は、医療需要そのものが減少していくものと見込まれています。
このため、市立清水病院の抜本的な経営改革に合わせ、清水地域における医療需要の変化に応じた医療体制を考える必要がありました。

そこで、地元の医療関係者の意見を伺うため、2025年11月、清水地域の医師会や公的医療機関の代表者等で構成する「静岡市清水地域医療体制協議会」を設置し、清水地域における将来の医療体制のあり方について、議論を重ねてきました。
議論においては、清水地域に限らず、静岡市全体で必要な医療が提供できるよう、葵区や駿河区の総合病院の病院長にも意見をお伺いしました。
現在、市立清水病院は、重度の外傷や心筋梗塞など、高度急性期と呼ばれる医療を提供できる病床を有していますが、実際には、それを必要とする患者はほとんど来ないため、現状は稼働していません。
清水地域で対応できない多くの高度急性期医療は、葵区や駿河区の病院で提供されています。
高度急性期医療は、多くの医療資源を必要とし、医師の確保も必要です。協議会の意見は次のとおりでした。
「現状の実態からみて、市立清水病院は高度急性期医療の提供体制は作らず、清水病院で清水地域の回復後の患者を受け入れる体制の整備が良い。高度急性期医療は、静岡保健医療圏全体で連携し、葵区や駿河区の総合病院が対応した上で、回復後の患者を清水地域で受け入れる循環型の体制を構築することが望ましい。」とされました。

次に、急性期病床ですが、急性期病床は、静岡県が策定した第9次静岡県保健医療計画によれば、静岡保健医療圏において2024年度末時点で、既に161床過剰な状況となっています。
これから先、医療需要が変化し、急性期医療の需要が減少していくことを考えれば、急性期病床はますます過剰になります。
過剰な状態で、個々の病院が自院の生き残りを考えて行動すると、病院同士の機能が重複し、患者の取り合いが発生します。先ほど、尾崎議員にもご紹介いただいたとおりです。
その結果、各病院では症例が集まりません。医師は多くの経験を積むことができるということを一つのインセンティブに病院に派遣されています。
症例が集まらないと、医師が離れていき、医師が離れると診療科が縮小し入院患者が減少、さらに症例が集まらないという負の循環に陥り、結果として清水区の総合病院の共倒れになってしまうリスクがあります。

一方で、人口20万人規模の清水区においては、国の医療計画において、一つの医療圏を構成する規模です。
よって、できるだけ地域内で完結する医療を提供していく必要があります。
静岡市全体では、高度急性期医療は充実しているという特徴、特性を活かし、清水地域においては、急性期病床をできる限り維持することが望ましい姿と考えられます。

そこで、本協議会で、今年の1月、方向性が示されましたが、それによると「清水地域の住民が、その容体に応じ、高度急性期・急性期・包括期等において、適時・適切な医療を将来にわたって持続的に受けることができる医療体制を目指すこと」を基本的な考え方とした上で、市立清水病院と清水厚生病院との一体的運用が必要である旨の方向性が示されました。
まず、施設面については、築年数や病院の規模などを考慮して、市立清水病院に入院機能を集約化し、清水厚生病院には周辺の住民の医療提供を考慮して、外来機能を残すことが望ましいとされました。
また、運営面については、最終的な判断は静岡市が両病院と調整の上決定することとされましたが、指定管理者制度も含めた公立病院の運営形態について、ご意見をいただきました。

公立病院は、政策医療の提供という役割は重要ですが、経営と両立できなければなりません。
市立清水病院の運営に課題がある中で、指定管理者制度の導入の可能性や、指定管理者制度を導入した場合の応募について、清水厚生病院から前向きな意見をいただきました。
この中間とりまとめを受け、あるいは、清水厚生病院の前向きな意見をいただきましたので、本年3月までに、市立清水病院の病院職員や大学の医局をはじめ、清水医師会などの関係機関、病院が立地する周辺の自治会等に対して、説明を行いました。
その上で、一体的運用後の市立清水病院の医療提供・サービス面や運営面について、メリットやデメリットを踏まえ、さらに検討を行いました。
そして、本年4月3日の経営会議において、市立清水病院と清水厚生病院との一体的運用と、一体的運用に伴う市立清水病院の指定管理者制度への移行を2027年4月から始めることについて、静岡市の執行部として意思決定をしました。

私自身も、県内で指定管理者制度を導入した榛原総合病院の状況を当時の責任者から伺いました。
榛原総合病院も、医局医師の撤退等により赤字が急速に拡大し、市民に必要な医療の提供だけではなく、自治体経営そのものが危機的な状況に陥る恐れがありました。
牧之原市と吉田町ということになりますが、榛原総合病院は指定管理者制度を導入することによって、経営状況は回復し、現在は安定的な医療提供を実現しています。

私は、市立清水病院の指定管理者制度の導入によって、病院経営が持続可能なものになるなど、清水地域の医療を安定化できると確信しています。

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質問:再編により、地域医療にどのような利点と課題が生じると認識しているのか。

現状の延長線上では、市立清水病院、清水厚生病院ともに経営を持続させることは困難です。

一体的運用によって、医療資源を集約化し、清水地域で可能な限りの医療を提供できる体制を整えるとともに、患者の取り合いによる総合病院の共倒れを防ぐことができます。
そして、病院運営に指定管理者制度を導入することによって、民間の効率的な運営ノウハウを活用しつつ、市立清水病院の課題であった「経営のプロが経営に携わること」、「経営改善のインセンティブをもって経営に取り組むこと」が可能になり、経営の安定化も期待できます。
また、指定管理者制度を導入しても、市立病院という公的病院であることは変わりありません。よって、指定管理者に対し、市として求めるサービス水準の確保や、不採算医療の提供の確保を求めることができます。
その結果、清水地域の住民が、安心して医療を受けられる体制が構築されます。

一方で、一体的運用にあたって、2つの課題があります。
1つ目は、病院職員の確保に関する課題です。一体的運用後の市立清水病院を円滑に運営するためには、医療従事者の確保が必要です。
2つ目は、交通アクセスに関する課題です。一体的運用では、清水厚生病院の外来機能は残るため、外来という点では周辺に大きな影響は出ないと考えていますが、入院については、市立清水病院に統合いたしますので、清水厚生病院で外来を受診した結果、総合病院への入院または通院が必要になった方への対応を検討する必要があります。

こうした課題の解決を図りながら、清水厚生病院との一体的運用により、市立清水病院の経営を強化し、清水地域の住民が、その容体に応じ、適時・適切な医療を将来にわたって持続的に受けることができる医療体制を構築していきます。

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質問:今後、病院職員や病院を利用される方、地域住民に対して、この取組と今後の見通し等について、どのように説明し、理解を得ていくのか。

まず、病院職員に対しては、本年2月、職員説明会を開催し、清水地域医療体制協議会における中間とりまとめの内容と将来の清水地域における医療体制のあり方についてご説明をいたしました。
また、本年3月に開催した職員説明会においては、中間とりまとめを踏まえた指定管理者制度の導入についての、市の取組方針案を示しました。

しかし、反省すべきところは、大変忙しい病院職員の説明会への参加の配慮が不十分であったことです。
このため、この説明会への参加者が限定的となり、職員全体に情報や説明が十分伝わっていなかったことは、反省しなければなりません。
また、今後の身分や処遇に関する説明ができる状態でなかったことから、将来への不安の声などが多くありました。
そのため、職員の身分に関する基本的な考え方などについて整理を行ったうえで、ほぼ全職員の参加ができるような形で、本年5月18日と19日に職員説明会を行いました。

なお、次回の職員説明会は6月29日に開催し、一体的運用後の市立清水病院の病院機能などについて、より具体的に説明することを予定しています。
さらに、個々の職員の個別相談に対応するため、本年6月1日から病院内に職員相談窓口を開設しました。6月15日時点において、延べ47人の職員から相談を受けています。
この相談窓口以外にも、メールで個別に質問やご意見も受け付けており、こうした取組を継続するとともに、随時、職員説明会を開催しながら、病院職員の理解を得ていきます。

また、病院を利用される方や地域住民に対しては、新たな市立清水病院の詳細な病院機能が定まり次第、どのような医療を今後受けることができるのかについて、広く情報が伝わる方法を検討し、丁寧に説明し、理解を得ていきます。

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質問:病院設置者の静岡市として、現在、市立清水病院に勤務する医師や看護師等を確保していくための処遇については、どのように考えているか。

一体的運用に伴う指定管理者制度への移行により、病院職員は市職員としての身分を失うことになるため、誠意をもった対応が必要であると考えています。

具体的には、「自らの責めによらない事由で退職した場合の退職手当の支給率の適用」や、給与水準の大きな変化を緩和するための「対応策」について、他都市の事例を参考にしながら実施することを予定しています。

病院職員の皆さまには、一体的運用後も、引き続き市立清水病院に勤務し、清水地域における医療の提供を支えていただきたいと考えております。

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