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更新日:2024年2月15日

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10 U字谷・モレーン・アウトウォッシュ段丘

魚無沢(悪沢岳の鞍部から撮影) 積雪期の魚無沢(小河内岳から撮影)

A構成・特徴・状態

特徴

  • 標高2000m~2900mにかけて、氷河の浸食によって形成された、谷底幅の広いU字形の横断面形を呈する谷が広がる。
  • 魚無沢の河床付近および山腹斜面に、7組のモレーン群やアウトウォッシュ段丘などの氷河の堆積地形が認められる。

状態

  • 魚無沢を形成した氷河は、最も古くて約14~15万年前、最も新しくて約11000年前頃(晩氷期)に存在したと考えられている。つまり、この谷は最終氷期の1つ前の氷期~最終氷期にU字形の横断面を持つようになった。
  • 現在は氷河が存在しないため,谷の形は河川の浸食によってU字形からV字形に変化しつつある。また、谷は河床を除いて主に木本植物(シラビソ、ダケカンバ、ハイマツなど)に覆われている。

B周辺環境

稜線を挟んだ荒川三山南面には、カール地形が3つ分布している。

C価値

現在、日本に氷河は存在しない。そのため、本地域のような氷河地形が分布する谷は、かつて氷河が存在したことを証明する重要な地形である。
日本では、このような谷は主に北アルプスや大雪山に見られる。その中で本地域のものは、南アルプス南部地域、さらに日本の南限に位置することから貴重なものであると言える。
また、この谷の形は河川の浸食によりU字形からV字形に変化しつつある。このような谷は、過去に氷河が存在して、現在は氷河がなくなり雨が多く降るといった条件の揃う、日本に特有のものであり、世界的に見ても珍しい地形であると言える。

D場所

10 U字谷・モレーン・アウトウォッシュ段丘の場所

【位置】
悪沢岳北面の標高1900m~2900m
【GPS】
北緯 35°30′5.0″
東経 138°10′30.0″

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