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ページID:1578
更新日:2024年2月15日
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26 線状凹地、イトキンスゲ、オヤマノリンドウアースハンモック
A構成・特徴・状態
特徴
- 茶臼岳北部に位置する線状凹地内の草本植物群落。
- 高山雪渓周辺植生であるイトキンスゲ群落に分類され、イネ・カヤツリグサ科の植物が優占し、オヤマノリンドウやミヤマアキノキリンソウもわずかに見られた。
- 線状凹地の底には亀甲状土やアースハンモックが見られ、ほとんどがイネ科やカヤツリグサ科、もしくはシモフリゴケなどのコケ植物に覆われている。
状態
- 上河内岳にかけて二重稜線が形成され、雪田群落などのお花畑に加えて、いくつかの線状凹地が分布している。
- 亀甲状土は二重稜線の下方に形成され、大小の礫により多角形の形が綺麗に保存されている。イネ科・カヤツリグサ科の草本群落に被覆されているため、かえって保存状態が良いと言える。
B周辺環境
- 線状凹地の底面の他にも、上河内岳にかけて広い亀甲状土帯が分布している。
- 草本植物群落や亀甲状土の周辺には、シラビソやハイマツなどの低木・矮性低木林が広がっている。
C価値
二重稜線に沿って線状凹地が形成され、雪田群落が複数成立している。さらにこの場所では稜線の下方から、線状凹地の底面に至るまで、大型の亀甲状土が保存され、独特の植生が形成されている点で貴重な存在であると言える。
また、このような構造土自体も、過去から現在に至るまでの、環境の推移を知る上で重要なものであり、化石氷河地としても十分な価値を持っている。
D場所
【位置】
茶臼岳北部の線状凹地(標高2470m付近)